丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開催されるている平成30年度全日本選手権大会。最終日は男子シングルス準決勝が行われ、大島(木下グループ)と水谷(木下グループ)が決勝へ進出した。
●男子シングルス準決勝
大島祐哉(木下グループ)8,4,-1,8,-8,-4,9 張本智和(JOCエリートアカデミー)
怪物伝説途切れる。張本がTリーグ・木下マイスターの同僚・大島にゲームオールで敗れ、決勝進出を逃した。
張本は準決勝まで勝ち上がるまでに緒方(早稲田大)、田添健汰(木下グループ)らに辛勝しており、本調子とは言い難い気配が漂っていた。この試合でも立ち上がりからいつもの張本らしいスタートダッシュが見られず、フォアハンドドライブやチキータに凡ミスが目立ち、大島にゲームカウント3対1と王手をかけられてしまう。調子が上がらないなりにも気持ちを奮い立たせながら1球1球プレーし、フルーゲームまで追い付いた張本の気持ちの強さはさすがだったが、最後はレシーブをネットにかけ、大島の軍門に下った。
一方、張本を倒した大島のプレーは見事だった。特にサービスの配球が素晴らしく、フォアミドル前を中心に、時折バックサイドを切るようなコースやバック側へのYGロングサービスで張本のチキータを鈍らせた。張本がチキータではなくストップを使ってきて台上戦になったときは、張本のミドルをうまく突いてつながせ、それを快速を生かした豪腕フォアハンドドライブで狙うパターンも心憎かった。
競り合いで会場中の視線がフォーカスする中、最後まで足が止まらなかった大島は、全日本特有の雰囲気に飲まれない気持ちの強さも見せた。決勝でも十分にチャンスがある。
●男子シングルス準決勝
水谷隼(木下グループ)-5,8,9,6,6 木造勇人(愛知工業大)
1ゲーム目は木造が目の覚めるような速攻やカウンターを炸裂させて先制するが、2ゲーム目からは完全に水谷ペース。
木造の球質やコース取りをつかんだ水谷は、高くゆるいボールでミスを誘ったり、木造の速攻をカウンターで狙い打ったりして得点を重ねる。5ゲーム目は木造のフォア側をノータッチで抜くシーンをたびたび見せ、4ゲーム連取で勝利。13年連続となる決勝進出を決めた。
決勝ではチームメイトでありダブルスのパートナーである大島と対戦する。今大会の水谷はかなりの出来だが、怪物・張本を倒した大島も相当のっている。ともに足が良く打ち合いに強い二人だけに、激戦は必至だろう。
(文=猪瀬健治 写真=佐藤孝弘)
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