新しい才能の躍進という意味では、今大会もっとも象徴的な存在となったのではないだろうか。14歳の木原美悠(JOCエリートアカデミー)が、5回戦で3年連続で決勝に進出していた平野美宇(日本生命)を破ると、平侑里香 (サンリツ)、佐藤瞳(ミキハウス)、森さくら(日本生命)ら実力者を連破し決勝へ。決勝では伊藤美誠(スターツSC)の技に屈したものの、大いにその可能性を感じさせた全日本となった。
●女子シングルス決勝
伊藤美誠(スターツSC) 11,9,6,-9,5 木原美悠(JOCエリートアカデミー)
−決勝を終えて今の心境はいかがですか?
ジュニア女子(準決勝敗退)は悔しかったのですが、一般で準決勝といういい成績を残すことができたので、すごく充実していたと思います。
−決勝はチャンスがあったということですが、どの辺でそれを感じましたか?
伊藤さんも私もバック面が表ソフトラバーなんですが、バック対バックで私の得点率が一番高かったと思うので、もう少しその展開を多くできていたら、少しチャンスは合ったのかなと思います。
−戦術が足りなかった?
戦術もそうですが、考え方がまだ伊藤選手の方が上で、試合中考えることが今後の自分の課題だと感じました。
−どのようなところでそう感じましたか?
自分がいい戦術を使っているときに、伊藤選手は他の技術を使ったり、今まで使ってない技術を使ってきて、流れを変えられてしまいました。私が考えてもいなかったことをされて、そう感じました。
特にチキータや逆チキータをされたとき、映像で見ていたときは、やられても対応できるかなと思っていましたが、実際に受けてみると回転量が多く全然対応できず、どうしたらいいかわからなかったです。もっとしっかり映像を見ておけばよかったと思いました。
−自分のどんなところが通用して準決勝できたと思いますか?
一番は相手に向かっていけたことがよかったです。あとは準々決勝(平侑里香)や準決勝(佐藤瞳)はサービスが効いていたので、そこでチャンスをつくって3球目攻撃につなげることができました。
−今回の躍進にTリーグに参戦した影響はあったと思いますか?
普段はジュニアの選手か、少し上の選手と試合をする機会が多かったのですが、Tリーグも今回の全日本の一般の部も相手は大人なので、思い切ってプレーできたと思います。
−この1年間で1番成長できたところは?
私はこれまで最後まで諦めないでプレーすることができないことがあったので、我慢することが自分の一番の課題でした。特に、接戦になると緊張して自分のプレーができずに負けてしまうことが多かったんです。でも、今回の試合は我慢することができた上で、思い切りプレーできたので、そこは成長したかなと思います。
−今年1年の目標は?
12月にある世界ジュニアなどの大きな大会で優勝して2020年の東京オリンピックに向けて、今から必死に頑張っていきたいと思います。
−今後どんな選手になりたいですか?
今はまだ14歳ですが、年下の選手もどんどん強くなってきて、今度は自分が向かってこられる立場になると思います。そうなったときにも我慢しながら自分のプレーができるようになりたいです。
(まとめ・写真=佐藤孝弘)
詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:http://www.japantabletennis.com/zennihon2019/