第20回全国中学選抜卓球大会が3月23~24日、新潟市東総合スポーツセンター(新潟)で開催された。出場できるのは1・2年生のみ、1複4単の団体戦で1選手が重複して出場できないので6~8名のチーム構成で行う。そのため多くの学校に上位進出のチャンスがある大会だ。今年も全国から予選を勝ち抜いた男女各48校が日本一を争って熱戦を繰り広げた。
【男子団体】全中王者の中間東が初優勝
男子団体1位トーナメント決勝
中間市立中間東 3-1 野田学園
浅見 -8,4,-4,7,-7 徳田○
○道廣 9,9,-5,9 芝
○松井/磯村 -9,8,9,8 玉井/岩井田
○竹谷 15,9,-6,-5,7 飯村
溜 ー 木方
男子団体決勝は、準決勝で6連覇中の愛工大名電が野田学園に敗れ、勢いに乗った野田学園が初優勝を手にするかと思われたが、昨年の夏、全中を初制覇した中間東が緻密さと勝負強さを兼ね備えた卓球で、野田学園の初優勝の前に立ちはだかった。
勝負を分けたのは1対1で迎えたダブルスだろう。野田学園の玉井/岩井田は攻撃的なプレーでは松井/磯村に互角以上の展開を見せたが、ストップからの展開で中間東ペアに遅れを取る場面が多かった。
4番もどちらが勝っておかしくない打撃戦となったが、コース取りや緩急でやや上回った竹谷に軍配が挙がり、中間東が初優勝を賭けた戦いを制した。
■石田弘樹監督のコメント
今回は新しいチームになって、いろいろなことに取り組んで勝てたので、ちょっと涙もろくなっていますが、うれしいですね。
ここ最近、韓国のプレーヤーと交流することがよくあって、選手自身が世界に目を向けていろいろな技術に取り組んだり、生活に関してもかなり自分たちでやれるようになったので、そういうところが最後、結果に出たのかなという気はします。
決勝はすべてフルゲームで、勝っても負けても紙一重でした。そこで勝てたというのは、選手たちが普段頑張っているのが、最後の1本で出たのかなと思います。野田学園さんは愛工大名電さんに勝って上がってきたので、どちらかというと向こうの方が勢いがあるのかなという感じでしたが、それを止めることができたのでよかったと思います。
決勝までは絶対に行こうという話をしていたので、決勝に愛工大名電さんか野田学園さんのどちらかが来るという中で、選手1人1人の力からすると、相手の方が上かなという気がするので、勝つためには、覚悟を持ってできるかどうかが重要になってくるので、最後、竹谷選手もそういうアドバイスをきちんと聞いて、実行して、2点取ったというのはすごい大きかったかなと思います。
みんなアドバイスをよく聞いて、それを実行できるだけのメンタルと技術がついてきたという気がします。
キーマンとなったのは道廣ですね。キャプテンの力も大きかったと思いますが、2月にチェコ、スウェーデンに行って、一皮むけたというか、プレーに柔らかさが出てきて、いろいろな技術を吸収して、それを実行する力がついてきました。試合中でも僕が想像していないようなプレーもしていたので、そういうところがよかったと思います。
決勝のオーダーは少し読みが外れました。野田学園さんは準決勝で愛工大名電さんと真っ向勝負をしていて、決勝も同じように来ると思っていたので、少し拍子抜けした感じはありました。前半は1対1で、絶対に点を落とさないダブルスをつくってきているので、ダブルスが踏ん張ってくれたのはよかったと思います。夏の全中ではダブルスが全然入らなくなって負けてしまったので、今回はかなり檄を飛ばして頑張らせたので、それに応えてくれました。やはり、(団体戦では)ダブルスは重要だと感じます。
夏はまた、優勝しかないですな。そこを目指して頑張ります。
男子団体1位トーナメント準決勝
野田学園 3-1 愛工大名電
飯村 3,-9,-8,-10 鈴木○
○徳田 10,-4,9,-9,7 吉山
○玉井/岩井田 8,6,-7,-9,7 加山/中村
○木方 4,8,9 萩原
芝 ー 田尻
中間東 3-0 明徳義塾
○浅見 -10,7,10,-5,4 坂本
○竹谷 10,-6,-9,7,5 梅村
○松井/磯村 -9,7,5,-7,8 加藤/横部
道廣 ー 藤元
溜 ー 斉藤
2位には準決勝で愛工大名電を破った野田学園が入った。決勝でもチャンスがあったが、初優勝の夢には届かなかった。全中でのさらなる奮起に期待がかかる。
愛工大名電は昨年の全中に続いて王座陥落。トップクラスの技術を備えた選手をそろえて今大会でも優勝候補筆頭だったが、準決勝では野田学園のアグレッシブなプレーに飲み込まれた。
明徳義塾はラリー戦に強い好選手をそろえたが、準決勝では前半で坂本、梅村がともにリードする場面をつくりながらも、フルゲームで惜敗。0対2スタートとなったため、後半につなげなかったが、実力は伯仲していたと言えるだろう。
記録は公益財団法人 日本卓球協会ウェブサイトに掲載。
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp/
(取材=佐藤孝弘)