第16回全国ホープス選抜大会が3月22~24日に、岐阜県の岐阜メモリアルセンターで開催された。本大会はオーダーに学年制限が設けられており、1番=3年生以下、2番=6年生以下、3番=5年生以下、4番=4年生以下、5番=6年生以下となっている。
試合は第1ステージのリーグ戦と第2ステージのトーナメント戦が行われ、1位トーナメントでは男女とも岡山が優勝し、3年連続アベックVという快挙を果たした。
【男子1位トーナメント決勝】
岡山県選抜 3-0 東京都選抜
◯高森 -7,6,8,8 髙橋
◯田畑 -9,-10,8,7,11 鈴木
◯木村 5,2,6 齋藤
大西 - 渡部
丸川 - 嶋田
男子団体1位トーナメントは、3連覇を目指す岡山県選抜と、5大会ぶりの優勝を狙う東京都選抜の決勝になった。
試合は、岡山県選抜の切り込み隊長・高森が、トップで裏面打法を駆使した速攻で東京都選抜の髙橋を下し、先制。
2番の田畑(岡山)対鈴木(東京)は、層の厚い岡山県選抜の中でもエース格の田畑が勝って王手かと見られたが、そう簡単にはいかなっかった。準決勝・神奈川県選抜戦のラストで勝った鈴木が、その勢いのまま2ゲームを連取。タイに並ばれたくない田畑はなんとか2ゲームを返し、試合を振り出しに戻す。最終ゲームは一進一退の攻防が続いたが、最後は田畑が両ハンドを粘り強くねじ込んで鈴木をゲームオールジュースでかわし、なんとか王手をかけた。一方、4番にカブ王者の渡部が控えていた東京都選抜としては、痛い敗戦になってしまった。
2番・田畑の勝利で完全に流れを引き寄せた岡山県選抜は、3番で木村が威力ある両ハンド攻撃で東京都選抜の齋藤をストレートで下し、岡山県選抜が3年連続の優勝を決めた。
岡山県選抜男子・祢屋康介監督のコメント
「3連覇を意識させずに準備、練習をしてきました。平常心で試合ができたことがよかったと思います。決勝戦は、冷や汗の展開でしたが、3対2になっても勝てるようなオーダーを組みました。丸川くんが調子がよかったでの、これまでの経験というか勘で決勝は(ラストに丸川という)盤石のオーダーを組みました」
2位の東京都選抜は準々決勝の福岡県選抜戦、準決勝の神奈川県選抜戦といずれもラストまでもつれる接戦を制して、決勝進出を果たした。勝ち点が計算できるカブ王者の渡部を軸に、お互いの黒星をカバーし合うチームワークの良さで存在感を見せた。
3位には準々決勝で強豪の鹿児島県選抜を下した新潟県選抜と、小学3年生の中野を筆頭に、動きのいい選手をそろえた神奈川県選抜が入った。
●女子1位トーナメントも岡山県選抜が3連覇!
【女子1位トーナメント決勝】
岡山県選抜 3-0 山口県選抜
◯磯貝 -14,-5,5,7,3 阿武
◯面手 7,8,-6,0 吉田
◯萩原 8,7,-8,6 藤井
高森 - 松本
西川 - 中尾
女子団体1位トーナメント決勝は、岡山県選抜対山口県選抜の隣県対決になった。
トップは岡山県選抜の磯貝が山口県選抜の阿武のカットを打ちあぐみ、ゲームカウント0対2とリードされる。しかし、3ゲーム目から磯貝のツッツキとスマッシュの使い分けがよくなり、逆転で先制点を挙げると、岡山県選抜が波に乗った。
2番、面手(岡山)対吉田(山口)のエース対決は、面手が吉田のカットを緩急を付けた攻めで見事に攻略。昨年ホープス決勝で負けた借りを返し、一気に王手をかける。
3番は、サウスポーの萩原(岡山)が思い切りのいい豪快な両ハンドで藤井を下し、男子同様ストレートで3連覇を決めた。
岡山県選抜女子・丸川真一監督のコメント
「3連覇を目指してやってきて、準備をしてきました。優勝するには苦しい試合を乗り越えなければいけないと思っていて、いきなり(準々決勝の)埼玉選抜戦で苦戦をしました。選手たちがしっかり準備をしてきてくれたおかげの優勝だと思います。来年も優勝目指して頑張ります」
2位の山口県選抜は前半に阿武、ホープスチャンピオンの吉田とカット主戦型を並べるオーダーで愛知県選抜や福井県選抜ら強豪を連破し、決勝まで勝ち上がった。しかし、決勝の岡山県選抜戦では、その頼みのカット勢が攻略されて万事休す。
3位には、準々決勝で福岡県選抜との九州勢対決を制した熊本県選抜、準々決勝で東京都選抜を下した福井県選抜が入った。
全国ホープス選抜は小学6年生から小学3年生までがまんべんなく出場する試合方式なので、勝つためには、同学年で強い選手がそろっているだけでは難しい。限られた学年だけでなく、各年代に強い選手が必要なレギュレーションの中、3年連続男女そろって優勝という岡山の記録には驚嘆するほかない。
才能ある選手たちの出現や、その才能を伸ばす術に長けた指導者が割拠するなど、岡山の継続的な層の厚さの理由はいくつかあるのだろうが、いずれにせよ、岡山が日本卓球界のホットスポットであることを知らしめた今回の全国ホープス選抜だった。
(取材=猪瀬健治)