世界卓球2019ブダペスト、4日目は男子シングルス3回戦が行われ、日本勢では張本智和、丹羽孝希がベスト16進出。一方、水谷隼、森薗政崇は3回戦突破ならず。
そのほか、許昕(中国)、オフチャロフ(ドイツ)が敗れる波乱があった。
水谷隼は、最近分があまりよくない鄭榮植(韓国)と対戦。緩急をつけた配球で鄭榮植のミスを誘い、2ゲームを先行するが、第3ゲームの終盤に鄭榮植のブロックと速攻につかまった。
水谷はかなり厳しく攻めないと点にならないという、鄭榮植と対戦するときの悪いパターンに陥り、立て続けに3ゲームを落とす。第6ゲームは思い切ったレシーブが功を奏して取り返すが、最終ゲームはスタートから離されて万事休す。日本の大黒柱が3回戦で姿を消した。
●水谷隼のコメント
「2対0でリードしていて、3ゲーム目も4−1でリードしていて、自分の中ではこれ勝てるなという手応えがあったので、そこからの逆転負けは悔やまれます。最初から最後まで相手のサービスに対しては苦労しましたし、6ゲーム目、相手のサービスが台から出てきて自分のパターンになりましたが、7ゲーム目は短くサービスを出してきて、序盤でリードできなかったのがすごく残念でした。3ゲーム目を取られて、0対3で負けている心境になってしまい、自分で変えていって自滅した感じです。
もう1試合はしたかったですね。ベスト16までいきたかったけど、そこまで行けなかったのは悔まれます。(世界卓球の)シングルスでメダルを獲得することが夢で心残りですけど、それが自分の実力。それだけ世界のレベルが上がってきています。
今回3試合して、感覚はあるんですけど、体がついてこなかった。どうしても1歩遅れてしまったり、打った後の戻りとかがダメでした。もちろん東京オリンピックまでがんばれればいいけど、絶対とはいい切れないので、1試合1試合、東京につながるように練習して気持ち切り替えてがんばりたい」
張本智和は2連敗中のフレイタス(ポルトガル)と対戦。この1年で急激な成長をとげている張本にとって、過去のデータは全く当てにならない。このことを証明するように、張本は終始速さでフレイタスを圧倒し、ストレート勝利。ベスト16へと駒を進めた。
丹羽孝希は、ディヤス(ポーランド)と対戦。ディヤスは「左利きが得意で丹羽は勝てていない」とベンチに入った倉嶋監督が警戒する難敵だったが、丹羽は足をしっかり動かしてカウンターを打ち続け、ゲームカウント4対1で勝利。次戦はベスト8入りをかけて、オフチャロフ(ドイツ)を下したプカル(クロアチア)と対戦する。
ボル(ドイツ)と対戦した森薗政崇は、ボルの質の高いループドライブとカウンタードライブに最後まで対応できず、4回戦進出はならなかった。
そのほかでは、第2シードの許昕(中国)がゴズィー(フランス)に敗れる波乱があった。
ゴズィーは、誰もが手を焼く許昕のサービスに対し、チキータや逆チキータでかく乱すると、右利きのバック側に曲がるように飛んでくる許昕特有のドライブを、面を開いてのカウンターやカットで見事に対応。終始、互角以上の展開でマッチポイントを握り、許昕のドライブがオーバーしてゴズィーの勝利が決まると、会場は割れんばかりの大歓声に包まれた。
また、オフチャロフ(ドイツ)もプカル(クロアチア)に敗れた。プカルは長身から繰り出す低くて速い両ハンドドライブを得意とし、コース取りも抜群にうまい。4回戦では丹羽がプカルと対戦するが、厳しい試合を強いられそうだ。
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(写真=佐藤孝弘、文=猪瀬健治)