世界卓球2019ブダペスト、4日目は女子シングルス3回戦、4回戦が行われ、平野美宇、加藤美優がベスト8に進出。
一方、伊藤美誠は3回戦で、石川佳純、佐藤瞳は4回戦で敗れた。
前回3位の平野美宇は、4回戦で蘇慧音と対戦。お互いが前陣を譲らないラリー戦になったが、ボールの威力で勝る平野が終盤ペースを握り、ベスト8進出を決めた。準々決勝では、第1シードの丁寧(中国)に挑む。
加藤美優は、4回戦で陳思羽(中華台北)と対戦し、終始ラリーで優位に立ち、ストレート勝ち。前回デュッセルドルフ大会のベスト16からワンランクアップして、ベスト8入りを果たした。準々決勝では劉詩雯(中国)とメダルを賭ける。
一方、石川佳純は、4回戦で杜凱琹(香港)にゲームオール9本で敗れた。
序盤、杜凱琹の緩いボールと、時折来る男子ばりの強烈なチキータに2ゲームを先行される苦しい展開。それでも石川はさすがの対応力で中盤から杜凱琹のつなぎのボールを思い切って狙い打ってペースをつかみ、最終ゲームは5−0とリード。しかし、「リードしていてもレシーブに迷いがあった」と石川が悔やむように、執拗にバック前に集められたサービスをうまくさばけず、無念の逆転負けを喫してしまった。
●石川佳純のコメント
「情けないなあと思います。90%くらい勝てていた試合だったので。自分の力を出せた試合ではありませんでしたが、悪いなりになんとか粘って最後までがんばりましたが、最後の最後、ツメが甘かったかなと思います。
バックハンドのミスが多くて、相手がタイミングをゆっくり変えてきていましたが、それを焦って打ち急いでしまって、それを途中からなんとか入れられるようになって、チャンスがあれば打っていけるようになりました。サービスも迷っていたというのもあります。
最終ゲームはレシーブがうまくいかなかったので、それで少し弱気になって、リードはしていたんですが、完全に強気ではプレーできていなかったと思います。
杜凱琹とはTリーグも同じチームで普段も練習しますし、試合も一緒に出ていたので、よく手の内は分かっています。今月のアジアカップで対戦したばかりだったので、相手も変えてくるだろうなというのは予想していましたが、自分も途中から対応できてきたと思いましたが、少しミスが多かったかなと思います。
体力的にきつくないといったらうそになりますが、慣れていることなのでそれは関係ありません。それで勝つときもありますし、負けるときもあるので、体力面は勝負には関係ないと思います。
レシーブがうまくできないんじゃないかという焦りはずっとありました。ずっと迷っていました。最後はバック側にしかサービスが来なくて、回り込んでフォアハンドで打とうかバックハンドで返そうか、払おうか、チキータしようか、それをずっと迷っていて、その迷いがレシーブに出てしまったかなと思います。最後、初めて長い下回転がかかったサービスが来て、ちょっと焦ってしまいました。
混合ダブルスはせっかく準決勝まで来れたので、決勝まで行きたいです。明日の夜まで試合がないので、しっかり休んで気持ちを切り替えて、明日は今日の負けを気にしないでプレーしたいです」
佐藤瞳も安定したカットと的確な反撃で4回戦まで勝ち上がったが、王曼昱(中国)にゲームカウント4対2で敗れた。王曼昱の豪打をよく拾い、ゲームカウント2対3で迎えた第6ゲームは序盤大きくリードしてからの逆転負け。最終ゲームまで持ち込めば勝敗はどう転ぶか分からなかっただけに、惜しい敗戦だった。
また、3回戦では伊藤美誠が孫穎莎(中国)に敗れた。伊藤の持ち味である表ソフトラバーでのバックハンドドライブやスマッシュに対し、台から少し距離を取ってさばき、狙い打つ孫穎莎のプレーは、伊藤対策がかなり練り込まれている様子だった。バックハンドではらちが明かないと回り込んで強打したボールも孫穎莎に跳ね返され、万事休した。
一方、勝った孫穎莎は、中国女子卓球本来の持ち味であるラリーの安定感に、ボールの破壊力が備わった新しいスタイルだといえる。次は同世代の王曼昱との準々決勝だが、女子卓球界の未来を映す熱い試合になりそうだ。
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(写真=佐藤孝弘、文=猪瀬健治)