LION卓球ジャパンオープン荻村杯札幌大会が北海道札幌市の北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で開催。
最終日は女子シングルスの準決勝、決勝が行われ、孫穎莎(中国)が優勝を飾った。
●女子シングルス決勝
孫穎莎(中国) 4,9,-4,-6,-7,8,3 劉詩雯(中国)
●女子シングルス準決勝
孫穎莎(中国) -5,8,7,12,6 陳夢(中国)
劉詩雯(中国) -9,5,4,3,10 平野美宇(日本)
孫穎莎(中国)対劉詩雯(中国)の決勝は、ゲームオールにもつれ込む接戦になった。
第1、2ゲームは、孫穎莎がサービスからの強烈な3球目攻撃と鋭いバックハンド、目の覚めるようなカウンターで連取する。
ラリー無双の劉詩雯を圧倒する孫穎莎の出来から、このまま決まってしまうかと思われた第3ゲーム、「世代交代はまだ早い」と言わんばかりに世界卓球2019ブダペストを制した女王が奮起する。孫穎莎のサービスを浮かせずにレシーブできるようになった劉詩雯は、持ち味の高速前陣両ハンドに緩急を加えて3ゲームを連取し、逆に王手をかける。
劉詩雯が完全にペースを握ったかに見えた第6ゲーム、今度は孫穎莎がサービスやレシーブからの積極的な攻めで奪い返し、勝負は最終ゲームへ。
直近で世界を獲った劉詩雯を倒し、自身の力を証明したい孫穎莎。女王として、なんとしても世代交代を阻止したい劉詩雯。互いの意地がせめぎ合った末の最終ゲームだったが、孫穎莎が序盤からバックハンドを思い切って打ち、劉詩雯を大きく引き離して優勝を決めた。
才能、実力とも申し分のない選手だということは分かっていたが、今大会で孫穎莎は一段と力をつけた印象だ。チキータは男子並みの精度があり、バックハンドが強くてフォアハンドの一発も速い。今後、孫穎莎は間違いなく世界の女子卓球界を引っ張っていく一人になるだろう。
準決勝に勝ち上がった平野美宇は、劉詩雯と対戦。前陣での高速両ハンドで1ゲームを先取したが、「2ゲーム目からレシーブがうまくいかなかった」と振り返ったように、劉詩雯がセンターライン付近からフォア前に出してくる巻き込み式の逆横回転サービスに手を焼き、ゲームカウント4対1で敗れた。
敗れはしたものの、「今回のエントリーを見てここまで来ることは厳しいと思っていましたが、運も重なって物にできたことはすごくよかったと思います。トップ選手と対戦しても厳しいと思っていましたが、ジャパンオープンが終わってみて、ちょっと変えたらチャンスがあると思えるようになりました」と平野は手応えをつかんだようだ。
もう一方の3位、陳夢(中国)は、孫穎莎のフォア前に出してくる巻き込み式の逆横回転サービスと鋭いチキータに効果的な手立てが見いだせず、終始後手に回ってしまった。
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なお、詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
ITTF(国際卓球連盟):https://www.ittf.com/tournament/5005/2019/2019-ittf-world-tour-japan-open/
(写真=佐藤孝弘、文=猪瀬健治)