令和元年8月20~23日まで、滋賀県のウカルちゃんアリーナ(滋賀県立体育館/滋賀)で第50回全国中学校卓球大会が開催。
大会最終日は男子シングルス3回戦から決勝が行われ、吉山僚一(愛工大名電)が決勝で鈴木颯(愛工大名電)との同士打ちを制し初優勝を果たした。
【男子シングルス】吉山僚一が初優勝
●男子シングルス決勝
吉山僚一(愛工大名電) 8,-9,-9,8,4 鈴木颯(愛工大名電)
決勝は昨年の谷垣対濱田に続き、愛工大名電勢の同士打ちとなった。
第1ゲームは序盤を鈴木がリードする展開で進んだが、吉山はエースが一発決まるとそこから調子を上げて連続得点することが多い。このゲームでも逆転勝ちを収め、吉山が先制。
第2ゲームも鈴木が6-1と大きくリードを広げたが、中盤で7-7に追いつきまたもや吉山の流れかと思われたが、鈴木が足を使った粘り強いプレーで踏ん張りこのゲームを返す。続く第3ゲームも鈴木がリードを生かして逃げ切り、鈴木が初優勝に王手。
あとがなくなった吉山は肩の力が抜けたか、力強い一発で鈴木を台から離して優勢に。体格にも恵まれた吉山は、一発の決定力もあるが、中陣でのラリーにもボールの威力やカバーするエリアの広さなどで鈴木を一歩上回る。
最終ゲームはサービスからの展開で先に攻めた吉山がリード。大きなラリーでも鈴木を圧倒し、同級生との同士打ちを制して初優勝を飾った。中学3年生にして技術的に完成度が高く、これからがますます楽しみな選手だ。
■男子シングルス優勝・吉山僚一選手のコメント
「率直にうれしいです。
自分の一番の武器であるチキータを使って逆転することができたのでうれしいです。
同士打ちですが普段は結構鈴木選手には負けています。今日はラリーにしようと思って、そのためのサービス・レシーブの組み立てがうまくいきました。
苦戦した試合はやはり決勝でしたが、ある程度思い通りにできました。技術的によかったのは、チキータとサービスですね。大会前はサービスは練習してきました。
(愛工大名電には2年生から編入しましたが)チームにもだいぶ慣れてきました。チーム内ではいじられキャラですね(笑)」
●男子シングルス準決勝
鈴木颯(愛工大名電) 8,8,8 高橋航太郎(実践学園)
吉山僚一(愛工大名電) -8,5,4,9 徳田幹太(野田学園)
3位には4回戦で飯村(野田学園)、5回戦で藤元(明徳義塾)を破り、ラリー戦に強さを見せた高橋が入った。
徳田は4回戦でサウスポーの萩原(愛工大名電)、5回戦で第2シードの前出(東観)を破りベスト4入り。前陣でも鋭い両ハンドがあるが、中陣からでもしっかりと弧線を描く安定感のあるドライブが持ち味だ。
●男子シングルス準々決勝
鈴木颯(愛工大名電) -10,10,12,5 道広晴貴(中間東)
高橋航太郎(実践学園) 9,-9,5,11 藤元駿(明徳義塾)
吉山僚一(愛工大名電) 9,3,3 芝拓人(野田学園)
徳田幹太(野田学園) -7,9,5,8 前出陸杜(東観)
小柄ながらラリー戦に強さを発揮した道広は、鈴木と接戦を繰り広げたが、勝負どころの1本が取りきれず表彰台には届かず。
藤元は前陣での打撃戦の強さを生かして、高橋と好試合を展開するも、要所で高橋の堅実なプレーを崩すことができなかった。
芝は5回戦でミスの少ないプレーで中村(愛工大名電)から勝利を挙げたが、吉山には防戦一方で終わってしまった。
カデット14歳以下王者の前出はペンホルダーらしいフットワークと威力のあるフォアハンドドライブで攻めたが、中陣で粘る徳田を崩すには至らなかった。
第50回全国中学校卓球大会:https://www.zenchu-shiga-takkyu.jp/
(取材=佐藤孝弘/猪瀬健治)