1. 卓球レポート Top
  2. 大会
  3. 国内大会
  4. 全日本卓球選手権(団体の部) ~男子は東京アートが3年ぶり14度目のV~

全日本卓球選手権(団体の部) ~男子は東京アートが3年ぶり14度目のV~

全日本卓球選手権(団体の部)、通称・全日本総合団体が10月18~20日、鹿児島県鹿児島市松元平野岡体育館で開催。
男子団体は、東京アートが3年ぶり、14度目となる優勝を果たした。

【男子団体優勝】東京アート

東京アートは14回目のVで最多優勝記録を更新!

決勝トップで勝った頼れる男・高木和

吉田はパワフルかつ老かいなプレーで優勝に大きく貢献

万全な状態でなかった吉村だが、集中したプレーで決勝点

【男子団体決勝】
東京アート 3-0 日鉄物流ブレイザーズ
◯高木和卓 -8,7,9,8 定松祐輔
◯吉田海偉 8,-5,-7,4,9 藤村友也
◯吉村和弘 5,-8,4,7 藤本海統
吉田海偉 - 定松祐輔
高木和卓 - 藤村友也

 東京アートは、予選リーグで愛工大、準決勝でシチズン時計と2つのラストまでもつれる接戦を制して決勝進出。一方、日鉄物流ブレイザーズも、準々決勝で愛工大に0対2とリードされてからの逆転、続く準決勝でも協和キリンに3対2で競り勝って決勝に勝ち上がってきた。
 接戦をくぐり抜けてきた両チームの試合は、トップから激しい打撃戦になる。
 日鉄物流ブレイザーズを決勝まで引っ張ってきた今大会好調の定松が、東京アート・高木和のしぶとい両ハンドを前で狙い打って第1ゲームを先制。しかし、強打に押され気味の高木和だったが、2ゲーム目を定松のカウンターをうまくはずして返すと、続く第3、第4ゲームも打ち勝って連取。頼りになるベテランが、チームに貴重な先制点をもたらした。
 2番の吉田対藤村も激しい打ち合いの末、最終ゲームへ。吉田はトリッキーな台上やサイドスピンショートで藤村を揺さぶるが、藤村も必死に足を動かし、吉田の背中に食らいつく。最終ゲームも終盤までもつれたが、「吉田は団体戦向きのプレーができるようになってきた」と東京アートの大森監督が語るように、最後まで集中力を切らさなかった吉田が藤村を9本で振り切り、王手をかける。
 3番は、吉村対藤本。今大会、腰をおさえるシーンが多く、万全な体調ではなかった吉村だが、「これで今大会は最後の試合だ」と腹をくくったかのような集中したプレーで藤本を退け、東京アートが優勝を決めた。
 日本リーグ前期、全日本実業団に続き、この全日本総合団体を制し、今季チーム戦負けなしの東京アート。ここ数年、一時期の圧倒的な強さが影をひそめていた東京アートだが、完全にその強さが蘇ってきた。

■東京アート・大森隆弘監督のコメント
「今年目指しているグランドスラムに、また一歩近づくことができてうれしく思います。決勝は和弘(吉村)の調子も体の状態も100%ではなかったというところで、卓(高木和)がシチズン時計戦ですごく良いパフォーマンスをしてくれたので2点使いました。村松も試合中にわき腹を痛めたので、この後ホームマッチや日本リーグ後期と続くので、無理はさせませんでした。
 決して楽な優勝ではなかったと思います。予選リーグから愛工大戦のラストで、和弘は高見に3連敗くらいしているんですけど、気持ちで勝ってくれたりとか、本当に楽ではなかったですね。一番苦しかったのはシチズン時計戦だと思いますけど、愛工大戦で勝っているかどうかで決勝トーナメントのドローが全然変わってくるので、愛工大戦の勝利は大きかったですね。
 吉田は今年くらいから、だんだんと団体戦に慣れてきたというか、団体戦向きのプレーができるようになってきました。すごくチームにとってはありがたいですね。吉田は基本的に団体戦にあまり強くない。個人戦だとマイペースで伸び伸びできるんですが、団体戦になるとプレッシャーがかかって、精神的なもろさが出るんです。でも、少しずつ個人戦に近いパフォーマンスができるようになっていますね」

【男子団体2位】日鉄物流ブレイザーズ
好選手がそろい、穴がない。全国制覇は遠くないだろう

決勝では破れたが、今大会好調でチームをけん引した定松

藤村は変化サービスからの足を使ったフォアハンドが光る

 惜しくも優勝を逃した日鉄物流ブレイザーズだが、愛工大、協和キリンと強敵を連破しての決勝進出は見事の一言。定松、藤村、松下ら足をしっかり動かして打ち合える好選手が揃っており、全国タイトルに手が届く日はそう遠くないだろう。

【男子団体3位】シチズン時計
安定性の高い両ハンドで勝ち星を重ねた笠原


【男子団体3位】協和キリン
気迫のプレーでチームを支えた平野

 シチズン時計は、東京アートに接戦で破れ、3位。その東京アート戦では2対2のラストまで持ち込み、東京アートの吉田に、先の全日本実業団で吉田に勝っている酒井を当てたが、吉田の老かいなインサイドワークの前に酒井の速攻が不発に終わってしまった。
 
 協和キリンは、昨年王者のリコーを準々決勝で破り、表彰台。日鉄物流ブレイザーズとの準決勝では、定松に2点を取られ、ラストで大黒柱の松平が藤村に打ち負けて決勝進出を逃した。

詳しい記録はこちらから
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp/tournament/tabid/122/rptid/528/Default.aspx

(取材=猪瀬健治)

\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■大会の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■大会の新着記事