全日本卓球選手権(団体の部)、通称・全日本総合団体が10月18~20日、鹿児島県鹿児島市松元平野岡体育館で開催。
女子団体は、中国電力が3年ぶり、3度目となる優勝を果たした。
【女子団体優勝】中国電力
【女子団体決勝】
中国電力 3-2 サンリツ
土田美佳 9,-6,-10,-8 平侑里香◯
◯成本綾海 6,3,-9,8 三村優果
庄司有貴 6,-9,4,-8,-5 松本優希◯
◯成本綾海 -9,12,10,9 平侑里香
◯土田美佳 7,8,9 三村優果
中国電力対サンリツの決勝は、2対2のラストまでもつれる接戦になった。
1番は、エースの平が土田との表ソフトラバーバックハンド対決を制し、サンリツが先制。
2番は成本が変化速攻で三村を下し、すかさず中国電力が振り出しに戻す。
お互い何としても奪いたい3番は、松本が先日の全日本社会人で破れた庄司の変化カットを、時に粘り強く、時にスマッシュで打ち抜きゲームオールで勝利。サンリツが王手をかけた。
今日の平の出来からいって、サンリツが優勝に大きく近づいたかに思われたが、中国電力の4番・成本が奮起した。
お互いゲームを取り合った3ゲーム目、平が一時8−1とリードする。このまま平がすんなり取って第4ゲームへ進む流れだったが、成本が粘り強く戦い、まさかの大逆転。成本は、その勢いで続く第4ゲームも奪い、中国電力が再び振り出しに戻す。
成本の大逆転勝利で息を吹き返し、完全に流れに乗った中国電力はラストで土田が三村をストレートで下し、3年ぶりの優勝を決めた。
昨年は決勝でジュニアナショナルチームに惜しくも破れ、涙を呑んだ中国電力。今回も準々決勝でデンソーにラストまで追い込まれるなど優勝までの道のりは決して順風ではなかったが、総力戦で乗り切り、見事に昨年の悔しさを晴らした。
■中国電力・和田圭輔コーチのコメント
「僕がベンチに入って初めて優勝できた大会なので、すごくうれしいです。ポイントになった試合は十六銀行戦ですね。出た選手が一人ひとり役割を果たしてくれて、それが決勝で『挑戦する気持ち』に変わっていったと思います。
決勝のオーダーは、サンリツさんのほうがガラッと変えてきて、やるだけのことはやろうと話して試合に臨みました。オーダーを見た瞬間はちょっと厳しい戦いになるなと思ったんですけど、思った以上に選手たちが実力を発揮してくれました。
MVPに挙げるとしたら、成本ですね。デンソー戦で勝ったことのない永尾に勝って、十六銀行戦でも3番でキッチリ勝って、決勝でも分の悪い平に勝ってくれた。決勝4番の3ゲーム目は、相手が勢いに乗ってきたところで、一本ずつしぶとく戦えるところが彼女の良いところだし、相手も焦ってきたので、それが大きかったですね」
■中国電力・土田美佳キャプテンのコメント
「先日の国体で2位、昨年の全日本団体でも2位だったので、優勝できてうれしいのひと言です。
決勝4番の3ゲーム目、8ー1くらいから成本が逆転してくれて、相手に流れが行きかけていたのを引き戻してくれました。私は5番で待ちながらそれを見ていたので勢いをもらった感じで、そこがすごく大きなポイントだったと思います。殊勲者は成本ですね。
準決勝の十六銀行戦は1番が苦しかったんですけど、そこを何とか勝ち切れたので、2番3番で良い流れをつくることができました。上にも木村(光歩)がいたんですけど、みんなで勝ちにいくという気持ちは最後まで持っていました。それが良かったんじゃないかと思います。
決勝のオーダーは、相性などもあるし、全員が試合に出る準備はしていました。任されたところをしっかり果たそうという気持ちで、私もそういう準備をしていました。5番で回ってきた時は、決勝トーナメント1回戦のデンソー戦でもラストでやっていたので、自信というか『絶対勝つ』という気持ちを最後まで持って戦えました」
2位のサンリツは、準々決勝で昨年覇者のジュニアナショナルチームに3対2で競り勝ち、準決勝では日立化成に勝って決勝へ勝ち上がった。決勝も優勝の芽は十分にあったが、4番でエースの平が成本に破れたのが大きく響き、初優勝はお預けとなってしまった。
【女子団体3位】十六銀行【女子団体3位】日立化成
優勝候補の呼び声高かった十六銀行は、準決勝で中国電力にストレートで破れ、3位。トップで加藤杏華が庄司にゲームオールジュースで破れると、2番でエースの安藤も宋の裏面ドライブに持ち味である速攻を封じられて万事休す。
もう一方の3位、日立化成は準々決勝で豊田自動織機に快勝するも、準決勝のサンリツ戦ではカットの牛嶋が1点を返すにとどまった。
詳しい記録はこちらから
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp/tournament/tabid/122/rptid/528/Default.aspx
(取材=猪瀬健治)