2019年の後期日本卓球リーグが、10月30~11月3日まで秋田県のCNAアリーナ★あきた(秋田市立体育館)で開催.
女子1部は中国電力が2シーズンぶりの優勝。
また、女子2部は広島日野自動車が優勝し、来年度の前期リーグで1部昇格を果たした。
女子は中国電力が7戦全勝で昨年の後期リーグ以来、2シーズンぶりの優勝を果たした。
中国電力の勝負どころは、まず日立化成との第6戦。ともに全勝の両チームの対決は、お互いが点を取り合って2対2のラストまでもつれたが、最後はキャプテンの土田が踏ん張り、全勝をキープして最終戦へ。
十六銀行との最終戦は、全勝中の流れのまま一気にいくかと思われたが、トップで宋が徳永にゲームオールで破れると、続く2番の庄司も加藤杏華にゲームカウント0対2とリードを許す。別コートでは2位の日立化成がすでにデンソーにストレート勝ちを収めていたため、このまま前半を無得点で折り返すと優勝が危うくなる。しかし、「あそこからよくばん回してくれた」と中国電力の松岡監督が振り返るように、庄司が粘り強いカットで加藤をじりじり追い上げ、ゲームオール9本で勝利。中国電力に大きな大きな1点をもたらした。
庄司の逆転勝利で勢いに乗った中国電力は、3番ダブルスで土田/宋が安藤/徳永に勝利して王手をかけると、4番は、今大会の最高殊勲選手賞・成本が十六銀行エースの安藤に会心のプレーでストレート勝ちし、優勝を決めた。
10月に行われた全日本総合団体に続き、全国タイトルを獲得した中国電力。力が拮抗している女子1部だが、多彩なプレースタイルの選手をそろえていることに加え、実績・経験ともに豊富な土田/宋のダブルスが3番に構える布陣は、他を一歩リードしているといえる。
この勢いで、12月に徳島で行われる日本リーグの総決算・JTTLファイナル4を制するか、注目したい。
■中国電力・松岡俊志監督のコメント
「2番の庄司が本当によくばん回したと思います。後半勝負だと思っていました。うちは強いダブルスを持っているので、3番取れたら4番、5番で勝負できますが、できれば前半で1点取りたいと思っていたので。もしかしたら0対2になる可能性も見えましたが、その劣勢のところから庄司がよくばん回してくれたと思います。
ー先に日立化成が勝利して、勝たなければいけない状況になったが?
プレッシャーかけてくれますよね、日立さんは(笑)。ただ、前半0対2になってからでも勝負はできると思っていました。
(第6戦の)日立化成戦は特に変わったことはありません。勝たないと優勝はないと選手たちには言ってました。だから得点計算しないように、あくまで全勝優勝。それが目標でした。
ー鍵になった選手は?
全員です。宋がデンソー戦で野村に勝ってくれたし、最終戦では庄司が加藤杏華、成本が安藤に勝ったのが大きかったですね。
ー総合団体に続いてのタイトルですが。
嬉しいの一言ですね、去年も秋は調子よくて『秋の中電』ですね(笑)。
ー選手の伸び率が高いが、理由は?
選手ひとり一人が隠れた努力をやっています。誰かが朝早くサービス練習しているというのを何回も目撃しています。成本はお昼の休憩時間でみんな帰る中、ずっとサービス練習をしている。そういうのを何回も目撃しています。自発的にやっています。やれって言われてやっていない。その自主性ですね。それはずっと続けていることなんですけど、大事なところで出てくるんですね」
中国電力との全勝対決に破れ、惜しくも2位。優勝には届かなかったが、最近安定感を増しているカット主戦型の牛嶋を軸に、平、近藤ら攻撃陣が単複を固めるオーダーは層が厚い。来期の雪辱に期待大だ。
【女子1部3位】デンソー十六銀行に0対2ビハインドからの逆転勝ちが物をいい、3位。永尾、阿部の単複に、全日本社会人チャンプのスーパールーキー・野村を加えたオーダーは爆発力がある。勢いに乗れば頂点に立つことが十分できる戦力だ。
【女子1部 最終順位】
優勝:中国電力
2位:日立化成
3位:デンソー
4位:サンリツ
5位:十六銀行
6位:エクセディ
7位:愛媛銀行
8位:豊田自動織機
女子2部は、広島日野自動車が7戦全勝で文句なしの1部昇格。
ノルウェー代表としても活躍し、今大会でも最高殊勲選手賞を獲得した馬文婷に、安定性の高い切石とパワフルな山内が単複を担うオーダーは隙がなく、2部では頭一つ抜けた強さを見せた。
【女子2部 最終順位】
優勝:広島日野自動車
2位:神戸松蔭女子学院大
3位:朝日大
4位:JR北海道
5位:百十四銀行
6位:オークワ
7位:MACHIDA BEATS
8位:秋田選抜
詳しい記録はこちらから
日本卓球リーグ実業団連盟:https://www.jttl.gr.jp/taikairesult/2019/08/2019.php
(取材=猪瀬健治)