第18回全国ホープス選抜大会が3月27~28日に、徳島県の鳴門アミノバリューホールで開催。
全国ホープス選抜大会は、各都道府県で選抜された小学生たちが日本一を争う大会で、例年は1番から5番までのオーダーに細かく学年制限が設けられていたが、コロナ禍での開催となった今大会は、感染予防を踏まえて1番=6年生、2番=5年生、3番=6年生と、学年と試合数を絞って行われた。
試合は予選リーグ(第1ステージ)と決勝トーナメント(第2ステージ)が行われ、男子は岡山県選抜が制し、4連覇を果たした。
●男子団体決勝
岡山県選抜 2−1 京都府選抜
○大西瑛心 2、3、8 小野拓真
高垣蓮 −4、−6、−10 大槻翼○
○上田晃大 8、6、8 大槻佑也
男子団体を制したのは岡山県選抜。第1シードではあったものの、全国的には無名の選手たちをそろえたオーダーだったが、「正直、ビックリ。全国のランカークラスの選手がいない中、選手たちが成長していく姿が見られた」と岡山県選抜の祢屋康介監督が振り返るように、試合を重ねるたびに強さが増していくような戦い振りで優勝を勝ち取った。
岡山県選抜は、大西瑛心と上田晃大の6年生コンビが、並み居る強敵たちを向こうに回して全勝と大ブレイク。サウスポーの大西は見惚れるような球さばきで先制点をたたき出し、上田が回転量の多いバックハンドドライブからの丁寧なプレーで締めるパターンで、岡山県の先輩たちが築いてきた栄冠に続いた。
●男子優勝インタビュー・祢屋康介監督(岡山県選抜)
「奇跡的で、正直ちょっとビックリしています。3連覇していたので、『ぜひ4連覇を』という激励は受けていましたが、『女子はチャンスあるけど男子は......』という空気は感じていた。ぼく自身もちょっと今年は厳しいかなと思っていたので本当に驚いています。
ただ、優勝できたのは本当にうれしいですけど、おまけみたいなところもある。一番うれしかったのは全国のランカークラスの選手がひとりもいない中で、一戦一戦選手たちが成長していく姿が見られたこと。だから、どこで負けても満足という感じでしたが、選手たちがどんどん成長していくから、もうちょっといけるかな、もうちょっといけるかなと。選手の大会の中での成長が、優勝の一番の原動力だったと思います。
加えて(岡山県選抜は)この大会で3連覇してきて、先輩たちが勝利を積み重ねて、レールを引いてくれた。他の県の方たちの岡山県に対するイメージの部分や、選手たちの自信という点でも大きかったかなと思います。
6年生二人が本当に安定して活躍してくれて、ともに全勝でした。戦術的な部分がどんどん成長していって、良い部分だけが試合で出ていった。素晴らしかったと思います。大西は全国大会でランクに入ったことはないんですけど、周りで見ている人が『なんだコイツは?』と感じるくらい、うまい点の取り方ができていた。『そういうプレーができれば、誰にでも勝てるよ』と言っていたら本当に勝ってしまった。すごかったなと思います。
今回の3シングルスの試合方式になっても、要は下の子がいないだけなので、5・6年の実力は変わらないし、これで勝負するしかなかった。ただ、この試合方式で、このメンバー構成で、ここまでうまくいくとは思っていなかったですね」
2位には京都府選抜が入った。常にトップを任された小野拓真を筆頭に、大槻翼、大槻佑也と切れ味鋭い両ハンドドライブを武器にする好選手をそろえ、準決勝では優勝候補の一角・福岡県選抜を2対1で撃破。決勝では岡山県選抜に競り負けたが、存在感を見せた。
3位には、準々決勝で愛媛県選抜に1対1のラストをゲームオールジュースで競り勝った新潟県選抜と、同じく準々決勝で強豪の東京都選抜を下した福岡県選抜が入った。
(取材=猪瀬健治)
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詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp/tournament/tabid/122/rptid/696/Default.aspx