2年ぶりの開催となる全国高校総体卓球競技大会（通称インターハイ）が8月12～17日に富山市総合体育館（富山）で行われる。ここでは、男女学校対抗の見どころを紹介しよう。
●男子学校対抗
愛工大名電が5連覇なるか？対抗の筆頭は野田学園
男子学校対抗の優勝争いは、5連覇を狙う第1シードの愛工大名電（愛知）が本命になる。左腕のエースの篠塚を中心に、全日本ジュニア王者の濵田、鈴木、谷垣ら実力者を中心に、全中王者の吉山、岡野らが控える。選手層の厚さでは他校を圧倒しているといっていいだろう。準決勝進出をかけて、古豪東山（京都）と対戦する組み合わせだが、エース星がどこまで通用するかが見どころだ。
愛工大名電の連覇阻止に臨む筆頭は野田学園（山口）だろう。春の選抜では決勝で愛工大名電に敗れているが、エースの徳田を軸に、野田学園らしい爆発力のあるチームプレーがさく裂すれば、優勝の目は見えてくる。野田学園の山には高橋を擁する実践学園（東京）、田原を擁する明豊（大分）らがいる。初優勝を狙う野田学園にとっては難敵となるだろう。
第３シードで昨年2位の遊学館（石川）は春の選抜では3位に入った。ベスト4をかけて、静岡学園（静岡）と当たる組み合わせになったが、この対戦が実現すれば激戦は必至だろう。
もう1つの外シード、鶴岡東（山形）は2回戦でノーシードの希望が丘（福岡）と対戦する可能性が高く、ここが最初の山場となるだろう。勝ち進むと、ベスト4をかけて明徳義塾（高知）と当たる組み合わせになり、こちらも実現すればどちらのチームが勝ち上がっても熱い打ち合いになるのは間違いない。
大本命の愛工大名電に他校がどれだけ食い込めるか。王者メイデンが今年も高校男子を制するのか。明日からの熱い戦いに注目だ。
●女子学校対抗
四天王寺がすきのない布陣で8連覇を目指す
女子学校対抗は、7連覇中で圧倒的な戦力を誇る四天王寺が優勝候補筆頭として挙げられる。全日本ジュニア女王の大藤をはじめ、横井、菅澤、面田ら他校ではエースクラスの実力者をそろえている。同ブロックには明豊（大分）、高校選抜でベスト8入りをはたした白子（三重）などがおり、打倒四天王寺に向けた準備をしてきていることだろう。
第2シードには高校選抜の決勝で四天王寺をおびやかした桜丘（愛知）が入った。同ブロックにはリベルテ（大阪）が1回戦からの出場で、存在感を放っている。リベルテはTリーガーの赤江、強打の左腕・由本ら高い攻撃力が持ち味の選手が活躍すれば、十分に上位進出が見込めるチームだろう。
第3シードは就実（岡山）だが、このブロックには正智深谷（埼玉）、愛み大瑞穂（愛知）、札幌大谷（北海道）、希望が丘（福岡）など、強豪校が集まり、熱戦が予想される。
第4シードは団体戦の強さに定評のある明徳義塾（高知）。このブロックにも浜松修学舎（静岡）、横浜隼人（神奈川）、遊学館（石川）ら名門校がひしめくが、白山、青井ら個の力も併せ持つ明徳義塾が一歩リードしているだろうか。
一部のすきもなくメンバーがそろった今の四天王寺から3点を取ることは非常に難しいと言わざるを得ないのが現実だが、打倒四天王寺を目指す各校の奮闘に期待したい。
（文＝佐藤孝弘）
