9月9日、4季目を迎えたノジマTリーグ2021−2022シーズンの男子が大田区総合体育館(東京)にて開幕。
開幕戦は有観客で行われ、昨シーズンファイナルで優勝を争った琉球アスティーダと木下マイスター東京の対戦となった。1シーズン目と2シーズン目を連覇した木下マイスター東京は、王座を奪還すべく、激戦となった第4シーズンの初戦を白星で飾った。
木下マイスター東京 3-2 琉球アスティーダ
吉田雅己/田添健汰 -9,-10 木造勇人/平野友樹○
○及川瑞基 2,7,8 村松雄斗
吉田雅己 -4,7,10,-9,-9 宇田幸矢○
○大島祐哉 -9,6,9,10 木造勇人
○大島祐哉 13 宇田幸矢
※ダブルスは3ゲームスマッチ、シングルスは5ゲームスマッチで第5ゲームは6-6から。ダブルスは第3ゲーム、シングルスは第5ゲーム以外はジュースなしのサドンデス(11点先取)
両チームともベストメンバーで初戦を迎えることはできなかったが、琉球アスティーダ(以下、琉球)は先日行われた世界卓球2021ヒューストンの日本代表選考会で1位通過を決めた宇田幸矢を中心に、木下マイスター東京(以下、KM東京)は吉田、及川、大島と確かな実力を持つ3選手という布陣。
第1マッチは、台上からのスピード感ある攻撃で先手を取った琉球ペアがストレート勝ちで琉球が先制点。
第2マッチは先日の世界卓球選考会でも対戦した及川対村松。選考会で勝っていたため、自信を持って臨めたという及川が、うまくコースを突いたカット打ちからの強打で危なげなくストレート勝ち。第3ゲームで追い上げられた場面でタイムアウトを取ったのがチームメートの水谷。ミドルを攻めてからフォアサイドを攻めるというそれまで効いていた戦術を取ろうというアドバイスで勝利を確実なものにした。レジェンドの後押しに心強さを感じたと及川。
第3マッチは、好調の宇田が両ハンドで攻めて第1ゲームを先制するも、吉田がサービスから宇田を揺さぶって競り合いに。決定力の宇田と精度の吉田の勝負は、最後まで攻めきった宇田に軍配が挙がった。
2対1とし、ここで決めたい琉球は、木造が得意の前陣両ハンドで大島を振り回し先制。しかし、大島も台から下がらずに両ハンドで応戦すると、木造は調子が狂ったのかミスが出始める。大島はYGサービスからの3球目攻撃などを効果的に使い、3ゲームを連取。ビクトリーマッチに持ち込んだ。
ラストはお互いにシングルスで勝ち点を挙げた宇田対大島。大島は1対4と序盤でリードを許すが、終盤で水谷のアドバイスだったというサービスを下回転系から上回転系に変えて流れを五分に戻すと、息を飲むマッチポイントのやり取りを経て、木下マイスター東京が王座奪還に向けて白星発進を決めた。
●木下マイスター東京 渡邊隆司監督代行のコメント
私自身初めてTリーグのベンチに入りましたが、試合方式や全員がチーム一丸となって戦っていて緊張感の高いゲームだったと思います。その中で勝つことができて嬉しいです。
(大島の起用について)オーダーは4、5日前くらいから想定していました。4番で勝って5番のビクトリーマッチになる状況だったら、4番で勝ってそのままいくのが大島君にあってるのかなと思って起用しました。
私がチームに合流したのが3週間前で、コミュニケーションやコーチングも不足な上に、別の事業で不在にすることも多かったので、チームをよく知る水谷君にベンチで協力を依頼しました。それがすごく大きかったと思います。
●木下マイスター東京 大島祐哉選手のコメント
正直、1対2で回ってきて4番、5番というのは聞いていたので準備はしていました。ここまで来るのなかなか難しかった。1年半前にけがもしましたし、苦しい思いもしましたが、2点取ることができて良かったです。
水谷さんのベンチは心強いですし自分では考えられないようなアドバイスをくれますし、水谷さんに救われた部分はあります。木下グループは3連覇を逃しているので、今シーズンは優勝するという気持ちをみんなが強く持っていますので、必ず優勝を目指します。(年下との対戦が多くなるが)出るからにはどんな相手であっても負けたくないですし、勝つチャンスはある。彼らより経験はさせてもらっているので、そういうプレーも入れながら勝っていきたいと思います。
●琉球アスティーダ 宇田幸矢選手のコメント
開幕戦ということで、久しぶりにTリーグの独特な雰囲気の中、有観客でファンの方々の前でプレーするというのは最初は緊張してしまう部分もあったんですけど、(4番の)吉田選手には終始押されていましたが、最後まで自信を持って1球1球プレーすることができました。
ビクトリーマッチでは、後半に相手がサービスを変えてきて対応できませんでした。(4番で対戦した木造から)YGサービスがあるというのを聞いていましたが、思ったよりも上回転がかかっていて、とまどってしまった。それで、次のプレーも中途半端になってしまいました。
第3シーズンの開幕戦はストレート負けだったので、今回は手応えは感じています。負けてしまいましたが、どの試合も良い試合でした。そこは去年よりは前向きに気持ちを切り替えられるのかなと思います。
今日は負けてしまいましたが、昨年はここから連勝していい状態になったので、ここから連勝できるように、そしてファイナル優勝目指してがんばっていきたいと思います。
詳しい結果はこちら
T-LEAGUE:https://tleague.jp/
(取材=佐藤孝弘/猪瀬健治)