全日本卓球選手権(団体の部)、通称・全日本総合団体が10月15~17日、栃木県鹿沼市TKCいちごアリーナ(鹿沼総合体育館)で開催。
女子団体は中国電力が優勝し、前回大会に続いて連覇を達成した。
【女子団体優勝】中国電力
【女子団体決勝】
中国電力 3-1 サンリツ
○宋 7,4,-9,8 松平
井 9,-5,11,-10,-5 永尾○
○成本 5,7,8 有延
○井 3,7,5 松平
宋 - 永尾
女子は中国電力が優勝し、前回(2019年鹿児島大会。2020年三重大会はコロナ禍により中止)に続いて連覇を果たしたものの、優勝までの道のりは簡単ではなかった。
準々決勝のジュニアナショナルチーム戦では、期待のホープ・張本に2点を取られるがラストで踏みとどまると、準決勝では和田監督が「最大のヤマ場だった」と明かす早稲田大と対戦。各試合とも接戦が続く中、4番のエース対決で宋が笹尾を下して決勝へ勝ち上がると、決勝のサンリツ戦では相性を踏まえて井をエース使いするオーダーがピタリとはまり、優勝をたぐり寄せた。
「優勝はあまり想像できなかった」と和田監督は話すが、実力十分の宋、成本に加え、井が台頭し、カットの庄司も控える布陣は隙がなく、終わってみれば文句なしの優勝だったといえるだろう。
■中国電力・和田圭輔監督のコメント
「今回は、前回に比べて優勝はあまり想像できませんでしたが、予想以上に井が活躍してくれました。前回は土田がいて戦力がそろっていましたが、井は今年から起用し始めた選手なので不安材料はあったし、ほかのチームに比べると(活躍が)想像できなかったというのがありました。
(決勝の井のエース使いについては)日本リーグで井は松平に前期で勝っていて、成本も有延に分が良かったので、一人一人が役割を果たそうという狙いでした。もちろん宋への信頼がありましたし、それがあってこそのオーダーでした。
井はもともとポテンシャルはすごく高い選手でしたが、なかなか出場機会に恵まれなかったり、試合の勝ち方が分からない部分がありましたが、(決勝トーナメントに勝ち上がった)ビッグトーナメント熊本大会をきっかけに自信が一気について、そこから活躍し始めたという感じです。
相手チームとの相性でカット主戦型の庄司も起用できるので、そこがうちの強みかなと思います。
苦しかったのは準決勝の早稲田戦。笹尾はTリーグで活躍してますし、うちとしても相性がいい選手ではない。(準々決勝の)ジュニアナショナルチームも苦しかったですが最後は取ってくれそうな感じはあったので、ヤマ場は準決勝でしたね」
2位のサンリツは、しゃがみ込みサービスからの速攻が光る松平と強打者の永尾を2点使いし、経験豊富な有延を3番に据えるオーダーで準々決勝でエクセディ、準決勝で神戸松蔭女子学院大をともにストレートで下して決勝進出。優勝を目指したが、中国電力にはオーダーで優位に立たれ、永尾が1点を奪うにとどまった。
【女子団体3位】早稲田大【女子団体3位】神戸松蔭女子学院大
早稲田大は、準々決勝で昭和電工マテリアルズとのラストまでもつれる接戦を制して3位。優勝した中国電力とも互角の勝負を繰り広げたが、4番のエース対決で笹尾が宋に競り負け、決勝進出はならなかった。
もう一方の3位には、神戸松蔭女子学院大が入った。サンリツには敗れたものの、鶴岡、枝廣、木塚と攻守のバランスに優れた選手をそろえ、準々決勝で実業団の強豪・十六銀行をストレートで下した試合は見事だった。
ベスト4以外で際立っていたのが、ジュニアナショナルチームの張本。中国電力との準々決勝で宋、成本の主軸2人を倒した張本の技の精度や集中力の高さは圧巻だった。
詳しい記録はこちらから
日本卓球協会大会ページ:jtta.or.jp/tour/860
(取材=猪瀬健治)