3月5〜6日、2022 LION CUP TOP32がアリーナ立川立飛で開催。この大会は男女各32名のトップ選手が集い、トーナメント方式で行われる。2024パリオリンピックの選考会も兼ねており、また、優勝者には世界卓球2022成都(団体戦)、2022年アジア競技大会シングルスの代表権が与えられる。加えて、ベスト4に入った選手は、世界卓球2022成都の代表権が内定する。
大会最終日は女子シングルスが準決勝から決勝までと、5位から8位までの順位決定戦が行われ、早田ひな(日本生命)が優勝を果たした。
1位 早田ひな(日本生命)
●女子決勝
早田ひな(日本生命) -5,-7,-9,5,8,9,11 長﨑美柚(日本生命)
●女子準決勝
長﨑美柚(日本生命) 9,8,6,10 佐藤瞳(ミキハウス)
早田ひな(日本生命) 5,-12,5,-9,3,9 木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)
●女子3位-4位決定戦
木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎) 7,-10,7,5,8 佐藤瞳(ミキハウス)
●女子5位-8位決定戦
伊藤美誠(スターツ) 10,-4,6,8,7 橋本帆乃香(ミキハウス)
石川佳純(全農) -7,-7,-8,1,7,6,10 平野美宇(日本生命)
●女子5位-6位決定戦
伊藤美誠(スターツ) 不戦勝 石川佳純(全農)
●女子7位-8位決定戦
橋本帆乃香(ミキハウス) 8,6,8,8 平野美宇(日本生命)
女子決勝の早田対長﨑の同士打ちは、これからの2024年パリオリンピックへ向けた代表争いの厳しさを予感させる、ハイレベルな激戦になった。
序盤は、長﨑が強烈なバックハンドを軸とした鋭い両ハンドがさく裂し、3ゲームを連取する。このまま長﨑が走るかと思われたが、「チャレンジャーとして向かっていく」と気持ちを入れ直した早田が奮起。高いボールをうまく混ぜて長﨑のミスを誘いつつ、機を見た強打で3ゲームを連取し、試合を振り出しに戻す。
最終の第7ゲームも一進一退の攻防が続き、ジュースまでもつれたが、最後まで向かっていくプレーを貫いた早田が逆転で勝利をもぎ取った。
2位の長﨑は、昨日行われた準々決勝で伊藤を下すと、準決勝では佐藤のカットを打ち抜き、決勝進出。ほんのわずかのところで優勝を逃したが、並み居る強豪を押しのけて2位に入った結果は、大きな自信になったことだろう。
3位には速攻が光る木原、4位には同僚の橋本とのカットマン対決に競り勝った佐藤が入った。
●優勝した早田ひなのコメント
−優勝した瞬間のお気持ちをお聞かせください。
(ゲームカウント)0対3から逆転勝利して、本当にすごい我慢我慢の試合で、今日は真っ向勝負でどちらかというと負けていたので、そこでどうにか自分もやりにくいけど相手もやりにくいことを探しながら我慢して我慢してプレーをすることができて、本当に1本1本の勝負だったのでそこを乗り越えることができて、自分自身に勝つことができて良かったなと。
−長﨑選手は同じチームということで、どんなことを意識されましたか。
日本生命の先輩後輩で同じ練習場で一緒に切磋琢磨しながら練習をしているので、やっぱりだいたいの戦術だったりそういった部分はお互い知っていて、そして今回長﨑選手は伊藤選手(伊藤美誠/スターツ)に勝って非常に乗って上がってきていたので、0対3のときは特にチャレンジャーの気持ちで自分から攻めていくという気持ちで1本1本プレーして、それが勝利につながったと思います。
−Tリーグのファイナルから連戦でしたが、今回優勝できたポイントはどこでしたか。
Tリーグのプレーオフファイナルは緊張感だったりそういった中で試合することができて、そういった緊張感の疲れが昨日はあったんですけど、しっかり自分自身で今日100パーセントで臨めるように体調管理の徹底とかそういったコンディショ二ングを整えて試合に入ることができたので、今日の調子は悪くなかったかなと思います。
−パリに向けてポイントを獲得し、アジア競技大会の出場権を獲得しました。今後、どういった戦いを見せてくれますか。
今回もそうですし、次からもたぶん苦しい試合が毎回毎回あると思うんですけど、そこで卓球は対人競技なので相手との勝負になるんですけど、自分に勝たないとこうやって結果を出すことはできないので、そういったバランスを取りながら、そして最後は自分にしっかり勝てるように1試合1試合越えていきたいなと思っています。
−会場や中継をご覧になったファンの皆さんにメッセージをお願いします。
会場に来ていただいた皆さん、そして中継をご覧になった皆さん、本当に最後の最後まで盛大な拍手だったり応援をありがとうございました。自分自身としては0対3から苦しい試合の中、最後勝ち切ることができて、本当に自分自身がまた一つちょっと成長したかなあと思うので、これからもちょっとずつちょっとずつ自分の階段をしっかり登っていって、そして結果につながるように、そしてたくさんの方、日本生命のスタッフの方をはじめ、チームひなやお父さんお母さんだったり......苦しい試合だったり苦しいことがすごい多かったんですけど、それでもいつも応援してくださるので......(涙ぐむ)......頑張りたいと思います。
−今後、どのような選手になっていきたいですか。
東京オリンピックで混合ダブルスで金メダルを取って卓球がすごく注目される競技になってきて、アスリートとして人に尊敬される選手になりたいですし、私のようなある意味自由で元気な選手になれるよう皆さんが目指してくれたら、それは本当に嬉しいことですし、私ももっともっと卓球界を盛り上げていけるように精いっぱい頑張りたいなと思います
(まとめ=卓球レポート)