1. 卓球レポート Top
  2. 大会
  3. 国内大会
  4. インターハイ
  5. 宇和島インターハイ2022
  6. 宇和島インターハイ 女子シングルスは赤江夏星(リベルテ)が優勝!

宇和島インターハイ 女子シングルスは赤江夏星(リベルテ)が優勝!


 高校生たちの祭典、第91回全国高校総体卓球競技大会(通称インターハイ)が7月29~8月8日に宇和島市総合体育館(愛媛)で開催中。今回のインターハイは、新型コロナウイルスへの感染対策を踏まえ、男女別日程で開催(男子が7月30〜8月3日、女子が8月4日〜8日)。そのため、11日間という長期にわたり、高校日本一をかけた熱戦が繰り広げられた。
 最終日となった本日8月8日は、女子シングルス準々決勝〜決勝までが行われ、赤江夏星(リベルテ)が優勝を果たした。

優勝 赤江夏星(リベルテ)

激戦に次ぐ激戦を制して初優勝!

大藤とのゲームオールジュースの大接戦を制し、左腕を掲げて日本一を宣言

ストレートへの強烈なバックハンドドライブでペースを握った

優勝を決め、ベンチの上澤と歓喜のタッチ


▼女子シングルス準々決勝の結果
横井咲桜(四天王寺) 3,5,6 牧野里菜(遊学館) 
赤江夏星(リベルテ) -5,7,4,-10,6 青井さくら(明徳義塾) 
由本楓羽(リベルテ) 10,3,9 吉松寿莉(開新)  
大藤沙月(四天王寺) 6,2,4 山﨑唯愛(明誠)

▼女子シングルス準決勝の結果
赤江夏星(リベルテ) 7,-6,8,-7,9 横井咲桜(四天王寺)
大藤沙月(四天王寺) -7,7,7,5 由本楓羽(リベルテ)

▼女子シングルス決勝の結果
赤江夏星(リベルテ) -8,7,-6,9,12 大藤沙月(四天王寺)

 
 女子シングルスを制したのは、赤江(リベルテ)。横井、大藤(ともに四天王寺)の三冠王争いに注目が集まる中、両者を連破しての堂々の優勝だった。
 赤江は、準々決勝で青井(明徳義塾)とのラリー戦に緩急をうまく使ってゲームオールで勝ち上がると、準決勝で昨年三冠王の横井と対戦。一進一退のラリーが続いたが、台から少し距離を取って横井の両ハンドをしっかり返し、ゲームオール9本で勝利して決勝へ勝ち上がった。
 決勝の大藤戦では、大藤の精度の高い両ハンドに第1ゲームを先制されるが、第2ゲームはストレートへのバックハンドを効果的に使って奪い返し、振り出しに戻す。しかし、気合いを入れ直した大藤の猛攻に第3ゲームを奪われると、第4ゲームも終始リードを許す展開でポイント6−9とあとがなくなる。このまま大藤が優勝まで走るかと思われたが、ここから赤江がスマッシュなどの思い切ったプレーで5本連取し、またも振り出しに戻す。最終ゲームは点差が離れない展開でジュースまでもつれたが、最後は我慢のバック対バックで追いすがる大藤を振り切り、優勝を果たした。
 優勝を決め、その名のごとく、夏にひときわ輝く星のような笑顔を見せた赤江。青井、横井、大藤と続いた3つの激戦を制した心技体は、高校生日本一の名にふさわしいものだった。

■赤江夏星選手のコメント
 青井さんの試合(準々決勝)では、2対1でリードをしていたんですけど、そこで少し油断して追いつかれてしまいました。最終ゲームは0-3でリードされていて、いつもだったらそこで諦めてしまうところを、今まで全国大会でベスト4に残ったことがなかったので、今回はベスト8の壁をどうしても超えたいっていう気持ちが強くて、そこで我慢してから逆に吹っ切れて、強気で攻めていこうという気持ちで逆転できてよかったです。
 横井さんには大阪府予選では3対0で勝ちましたが、今回もそううまくいくとは思っていなかったので、心の準備はしていました。2対2で10-8とリードして、そこで1点取られてしまって、本当に緊張していた場面で、ずっと練習してきたバックストレートのラリーで最後のポイントを取れたので、練習してきた甲斐があったと思いました。
 決勝は正直、あの場面に残ったことがなかったので、(勝ちたい気持ちよりも)うれしい気持ちの方が本当は大きかったんですけど、そのうれしさを我慢して、ここまで来たからには優勝したいと思ったので、あまり最後のインターハイということも考えずに、インターハイの一試合として臨みました。大藤選手は強い選手ですし、全日本でも活躍されているので、自分が弱気でプレーしても勝てないのは分かっていたので、そこを強気で最後まで攻めていけてよかったです。
 4ゲーム目でリードされたときも、正直、あまりリードされてるという感覚がなくて、決勝という気持ちよりも「この場で試合をしている」というちょっとふわふわ感覚で緊張もあまりしていなかったので、リードされても意識しないで、弱気にならずに最後まで攻めていけたので本当によかったです。
 最後はちょっとラッキーな場面もあって、リードできて、勝ちをちょっと意識してしまいました。最後はフォアストレートにどうしても抜きたいという気持ちがありましたが、リードした場面で我慢というのを自分に言い聞かせて、バックに詰めるという戦術をしっかり考えて1点取れたので、本当にによかったです。
 全日本ではジュニアの部で優勝したかったんですけど、やっぱり8(エイト)の壁が本当に厚くて、年下の張本美和選手に負けてしまったので、今年はそのエイトの壁をどうにか乗り越えるために、練習を今まで以上に、自分が納得するまで誰かに練習相手をお願いしたりしてやってもらったので、相手をしてもらった方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
 今回は、シングルスとダブルスの2種目に出させてもらって、ダブルスはすぐ負けてしまったんですけど、ほんとは二冠したいという気持ちで、上澤さんとも大会前から話していましたが、負けてしまったので、上澤さんにベンチ入ってもらって、自分のシングルスで一緒に優勝しようって、ダブルスで負けた時から言っていたので、そのことが本当に実現できて、上澤選手にも感謝しています。村上さん(村上恭和ジュニアアシスト卓球アカデミー代表)、皆川さん(皆川顕一香ヶ丘リベルテ高校卓球部監督)、応援してくださってた方々にも感謝していますし、本当に最後まで楽しくプレーできたと思います。
 まだ全日本の一般の部でランクに入ったことがないので、今後、選考会とか大きい試合になったら、この勢いを止めないようにこの優勝で満足せずに、ランク以上を目指して、これからも練習に励みたいと思います。 


2位 大藤沙月(四天王寺)

大会随一ともいえる両ハンドで三冠王を目指したが、ほんのわずかに届かず

決勝で敗れた後、ベンチで座り込み、しばらく動けなかった

 
 昨年、あと一方のところで三冠王を逃した大藤(四天王寺)は、またしてもすんでのところで三冠王に手が届かず。
 相手が思いきって向かってくる中、苦戦する場面も見られたが、ひるまずに両ハンドを振る勝ち上がり方には三冠王へ向けての決意がみなぎっていたが、赤江の積極的なプレーの前に涙をのんだ。

■大藤沙月選手のコメント
 決勝は4ゲーム目を取りたかったんですけど、それを落としてしまって相手のペースになってしまったかなって思います。
 横井さんと三冠をかけてやるつもりできていましたが、横井さんが準決勝で負けてしまったので、自分が必ず勝ちたかったんですけど、負けてしまって悔しいです。


3位 横井咲桜(四天王寺)

三冠王連覇の偉業に挑んだが、赤江に惜敗。「受けてしまった」と横井


3位 由本楓羽(リベルテ)

パワフルなフォアハンドドライブ3位入賞

 
 女子史上初となる2年連続三冠王に挑んだ横井は、赤江に惜敗し、偉業の夢を絶たれた。赤江戦では、前陣で両ハンドを振って赤江の強打に対抗したが、赤江に台から距離を取られ、決め手にかけてしまった。
 もう一方の3位は由本(リベルテ)。快進撃を続けてきた吉松(開新)をストレートで退けて3位入賞を果たすと、準決勝で大藤と対戦。思い切ったフォア攻めで第1ゲームを先取したが、大藤の厳しいコース取りの前にあとが続かなかった。

■横井咲桜選手のコメント
 準決勝は初めから少し受け身になってしまって、もうちょっと思い切れたら最後の1点は確実に取れたんじゃないかなって思いました。
(赤江にはインターハイの大阪府予選で負けているが)自分の方が去年も三冠していて、その自分なら大丈夫という気持ちで準備していました。
(赤江には)結構ミドルを詰められてるなと思って、自分も相手のミドルを攻めてはいましたが、自分の攻めが甘かったり、大事なところでの凡ミスで、結果的に負けてしまったと思います。
 大藤さんとは2人とも三冠を目指してやってきていたので、最後は本当にに優勝してくれとお願いしました。
(今大会を振り返って)あと1点がすごく遠いなと感じましたが、まだまだこれからも世界を目指して頑張っていかないといけないので、これを機に、もっともっと上に行けるように頑張りたいです。

■由本楓羽選手のコメント
 1ゲーム目から自分のプレーを出して思い切って振ることができたのは、すごく良かったと思うんですけど、やっぱり最後は相手の技術力が自分よりも高くて、勝ち切れるような強さや技術をもっとつけていきたいと思いました。
 自分が先にフォアに振られる展開がちょっと苦しい展開なので、できたら、自分が先にフォアに攻めていける展開が
できたらいいなと思っていたので、ミドルをついてからフォアサイドをできるだけ狙いました。
(大藤さんのボールは)全部サイドを切っていくので、どうしても体勢が崩れてしまったり、返すことができてもその次のボールを狙われてしまうので、ちょっと難しかったです。
 大藤さんには今までは1回も勝ったことがなくて、予選の時は3対0で負けましたが、1ゲーム取れたのはよかったです。
 試合ではちょっと緊張したりすることが多くて、力が入って思うようなプレーができないことが多いんですけど、今回のインターハイは、楽しんで自分のプレーをできるようにと試合に行く前に話をしていて、それで今回はすごく楽しんでプレーできて、いいプレーも多くなったと思います。
 3位に入れてすごくよかったと思っているので、来年は優勝目指して頑張りたいと思います。

【ベスト8入りした選手】
牧野里菜(遊学館)

しなやかな両ハンドでベスト8入り。準々決勝では横井の連打に屈した

青井さくら(明徳義塾) 

赤江とゲームオールの接戦を演じるも、赤江の緩急にリズムを乱された

吉松寿莉(開新)

シンデレラガールは由本に敗戦。「やりきりました」と笑顔で大会を終えた

山﨑唯愛(明誠)

サウスポーから厳しいコースへスマッシュを突き刺し、ベスト8


卓レポツイッターで宇和島インターハイの熱戦を速報予定です。ぜひご覧ください!

詳しい結果とLIVE配信はインハイTV(全国高体連公式)まで
https://inhightv.sportsbull.jp/competition?id=5



(取材=卓球レポート)



\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■大会の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■大会の新着記事