元ナショナルチームコーチとして数々のトップ選手の指導に携わり、現在はTリーグの解説者としても活躍する渡辺理貴氏が、その卓越した観察眼で世界卓球2022成都を鋭く分析する企画。
今回は、女子団体決勝トーナメントのブロックごとの展望を聞いた。
グループリーグでの女子の戦いぶりや選手層を見て、中国と日本が完全に頭ひとつ以上抜きん出ていると言っても過言ではないでしょう。この2チームに対抗しうるチームは出てくるのか? ブロックごとの展望を述べていきます。
第1シードブロックは、中国のベスト4進出は揺るぎないでしょう。楽しみなのは、反対側のポルトガル対ルクセンブルクのエース対決となるユ・フ対倪夏蓮。オールドファンには、堪らない対戦となるでしょう。
第3シードブロックは、香港対ルーマニアは実力的には互角です。ドイツ対プエルトリコは、強打者のA.ディアスでもハン・インの鉄壁の守りを打ち崩すことは難しく、ドイツ有利と予想します。
ルーマニアは、グループ3位通過のチャンスをここで活かしたいところですね。
第4シードブロックは、アジア勢が3チームそろいました。注目は、中華台北対インド。鄭怡静や陳思羽などオーソドックスな右シェークドライブ型の選手をそろえた中華台北に対して、インドは、ツブ高のバトラやスマッシュを多用する選手が多く、面白いゲーム展開が予想されます。シンガポール対チェコは、グループリーグの戦いぶりからシンガポール有利と見ています。
第2シードブロックは、日韓戦に注目しています。グループ3位通過となった韓国は、シードを守れずに日本と1回戦となりましたが、李シオンのガッツ溢れるプレーや初戦以来温存中の田志希が厚い陣容の日本を打ち崩すことができるか、など多くの注目ポイントがあります。日本は、気持ちの面でも戦術的にも守りに入らない準備が必要です。
また、スロバキア対フランスは、フランスが勝ち上がってくると伊藤美誠に勝ったことのあるユアン・ジアナンがいるだけに要注意です。
(まとめ=卓球レポート)