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世界卓球2023ダーバン 
日本男子、張本がシングルスで3回戦進出。戸上は中国勢に敗戦


 5月20〜28日までダーバン(南アフリカ)の国際展示場ICCダーバンで世界卓球2023ダーバンが開催される。
 大会4日目の5月23日は、男女シングルス2回戦、男女ダブルス3回戦の一部、混合ダブルス3回戦が行われた。
 日本勢男子はシングルスで張本智和が勝利して3回戦進出を決めたが、戸上隼輔は中国勢に敗れて2回戦敗退となった。

▼男子シングルス2回戦(日本選手関係)
張本智和 10,8,9,10 フレイタス(ポルトガル)
王楚欽(中国) 3,3,3,-6,6 戸上隼輔
 
 第4シードの張本、2回戦の相手はリオデジャネイロ・オリンピックの男子シングルスベスト8という実績を持つフレイタス(ポルトガル)。両者の世界卓球での対戦は過去2回。2019年ブダペスト大会(個人戦)と2022年成都大会(団体戦)で、いずれも張本が勝利を収めている。しかし、2017年と2018年のワールドツアーでフレイタスに敗れており、決して侮れない相手だ。
 立ち上がりから張本は速いテンポでフレイタスのフォアとバックに揺さぶるが、フレイタスは素早い横の動きでしっかり打ち返す。両者譲らずジュースとなるが、張本が強気のフォアハンドを2本決めて幸先く先制する。第2ゲームは張本が台の近くでカウンター気味に攻め込んで8対3とリード。フレイタスの柔らかい送球にミスが続いて10対8と追い上げられるが、絶妙な長さのサービスでエースを決めて、このゲームも連取した。第3ゲームは張本がリードするが、引き離せない展開で10対9ともつれるが、攻めにくいバウンドのツッツキレシーブでフレイタスのミスを誘い、張本が勝利に王手をかけた。
 第4ゲームも早いテンポで両サイドに攻める張本が9-4とリードを重ねる。しかし、またもやフレイタスがじわりと粘ってジュースに追いつかれた。やっかいな展開にしたくない張本は、ミドルに位置取って無理に打ち合わず、フレイタスのドライブを上手く合わせてマッチポイントを握ると、最後は3球目でチキータをバッククロスに打ち抜いた。
 張本はいずれの終盤に追い上げられたが、キッチリ締めて強敵にストレート勝ちを収め、3回戦に駒を進めた。次の相手は2013年パリ大会の男子ダブルス金メダリスト、大ベテランの荘智淵(中華台北)に決まった。
 張本は「フレイタスには4年前(2019年ブダペスト大会)も勝っていて、4対0でしっかり勝てたのは自信にしていい。ただ、4年前はその次のラウンドで負けているので、ここで気を引き締めていきたい。(3回戦の荘智淵とは)今までいっぱい対戦してきて、やりづらい相手ではないけれど簡単に勝てる相手ではない。自分のパフォーマンスが少しでも落ちると負けてしまうので、気を引き締めて一戦ずつ戦いたい。」と語った。

 全日本王者として今大会に臨んだ戸上は、第2シードの王楚欽(中国)に挑んだ。戸上は世界卓球で3大会続けて王楚欽との対戦。2021年ヒューストン大会(個人戦)は3回戦、 2022年成都大会(団体戦)は、準々決勝のラストで対戦しており、いずれもストレート負けを喫している。3度目の正直を狙った戸上だが、世界制覇をもくろむサウスポーの壁は高かった。
 第1ゲームはいきなりアクシデントに見舞われた。1対2で照明が消えて会場が暗転し、約6分間の中断。こういうケースでリズムを崩すパターンがあるが、王楚欽は一切動じず、巧みな変化サービスからドスンとフォアハンドを打ち込む。戸上の連打も王楚欽にしっかりと跳ね返されて、一気に3ゲームを連取された。
 いきなり追い込まれた戸上、第4ゲームも4対6と後がない展開。ここで戸上は捨て身のチキータと一発強打に活路を見いだして7点連取し、なんとか1ゲームをもぎ取った。しかし、第5ゲームに入ると戸上は王楚欽の長短を使い分けたサービスに苦しんで2対7と窮地に。このまま王楚欽の猛攻を防ぎきれず、ゲームカウント1対4で敗れ去った。
 戸上は試合後に「本当に、相手のサービスに対して苦戦してしまって、第1ゲームから最後まで何もできずに終わってしまったなという印象です。」とコメント。過去の対戦でも王楚欽のサービスに苦しむ場面が見られ、今回もそこを克服できなかったと言える。しかし、2024年釜山大会(団体戦)、そしてパリ五輪でも立ちはだかる強敵であり、この敗戦が糧となることだろう。

張本が強敵フレイタスを完封して3回戦進出

フレイタスは各ゲームで追い上げを見せたが、振り切られた

戸上はまたも王楚欽の猛攻に沈んだ・・・

第2シードの王楚欽、巧みなサービスから強さを発揮


 トーナメントは中盤戦を迎え、上位を目指す選手の熱戦が展開されている。
 ヨーロッパの強豪・ドイツチャンピオンのダン・チウと、アジアの古豪・インドのチャンピオンであるグナナセカランは接戦が予想されたが、ダン・チウが多彩な強打でグナナセカランのブロックを打ち抜いて完勝した。
 張本のブロックで勝ち上がりが注目されていたゴズィー(フランス)。2019年ブダペスト大会ベスト8の強豪だが、2回戦でイタリアのベテラン、36歳のボボチカに3対1から逆転され、ゲームオール9本で競り負けた。
 裏面打法の使い手黄鎮廷(香港)は、アレグロ(ベルギー)を圧倒して4対1で勝利。3回戦で世界チャンピオン樊振東(中国)に挑む。
 ダブルスの名手K.カールソン(スウェーデン)は、サウスポーの強打でベルギーの若手ラッセンフォスに快勝。3回戦で東京五輪の金メダリスト、馬龍(中国)に挑戦する。
 リオ五輪でベスト8入りし、今大会もアフリカ大陸の希望の星として注目されたアルナ(ナイジェリア)だが、ロブレス(スペイン)との大激戦をものにできず、無念の2回戦敗退となった。

▼男子シングルス2回戦(一部抜粋)
ダン・チウ(ドイツ) 6,6,5,7 グナナセカラン(インド)
ボボチカ(イタリア) -9,8,-5,-7,8,12,9 ゴズィー(フランス)
黄鎮廷(香港) 4,-8,4,9,8 アレグロ(ベルギー)
K.カールソン(スウェーデン) 1,6,-8,10,8 ラッセンフォス(ベルギー)
ロブレス(スペイン) -8,-9,8,3,9,-3,8 アルナ(ナイジェリア)

国内王者同士の対決は、チウが圧勝

ベテランのボボチカがゴズィーとの接戦を制す

黄鎮廷は裏面攻撃で快勝。次戦は樊振東

K.カールソン、次の相手は金メダリストの馬龍

アフリカの星・アルナだが、競り負けて2回戦で姿消す

(まとめ=卓球レポート)

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