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世界卓球2023ダーバン 
孫穎莎が女子シングルス初優勝!


 5月20〜28日までダーバン(南アフリカ)の国際展示場ICCダーバンで世界卓球2023ダーバンが開催された。
 大会9日目の5月28日(最終日)は男女シングルスの決勝が行われた。
 女子シングルスは、孫穎莎(中国)対陳夢(中国)の同士打ち対決を後輩の孫穎莎が制し、初優勝を飾った。

▼女子ダブルス決勝
孫穎莎(中国) -5,8,7,7,-7,6 陳夢(中国)

 大会最終日の第1試合、女子シングルスで中国の同士打ち対決は世界卓球ではもはやお決まりの光景となってしまった。実に1995年の天津大会以来、今大会を含め、15大会連続で中国選手以外が決勝の舞台に立っていない。この15大会のうち、10大会で中国選手が表彰台を独占しているというのだから、この強さは(少なくとも個人戦においては)圧倒的と言っていいだろう。
 今大会、その決勝の舞台に勝ち上がったのは、2021年に行われた東京オリンピックの決勝を戦った陳夢と孫穎莎。この2人は、ともに世界卓球の決勝進出は2度目。陳夢は世界卓球2019ブダペストで劉詩雯(中国)に敗れている。一方の孫穎莎は2021年ヒューストン大会で王曼昱(中国)に敗れ、初優勝を逃している。
 どちらが勝っても初優勝。五輪女王にして世界卓球のタイトルだけを逃している世界ランキング2位の陳夢と、同い年のライバル王曼昱に遅れること2年、世界ランキング1位を背に初のビッグタイトルを狙う孫穎莎。試合は事前から熱戦となることが予想された。

 立ち上がり、仕掛けたのは陳夢だった。バック対バックのラリーを主軸に、先に回り込んで積極的にフォアハンドを使うことで第1ゲームを先行。
 これを受けて、第2ゲームは孫穎莎はハーフロングのサービスを陳夢に持ち上げさせてからのラリー展開で優位に立ち、1対1に。
 フォアハンドのイメージが強い孫穎莎だが、この試合ではバック対バックでも高い打球点から、陳夢のミドル、フォア側を突く、サイドを切るなどコース取りのコントロールのうまさが光り、互角以上の展開。ラリーの初手を厳しいボールで始める意識を高く持った孫穎莎が、第3ゲームを取って2対1とリード。
 第4ゲームは、孫穎莎の回り込みフォアハンドが決まり6-4とリードしたところで、陳夢がたまらずタイムアウト。しかし、勢いの止まらない孫穎莎は8-4とリードを広げるも、エッジ、ネットの連続失点で8-6と点差を詰められると、今度は孫穎莎がタイムアウト。両者とも、このゲームが勝負を分けると考えたのだろう。この後も、孫穎莎は切れた深いツッツキを送り、ラリーを優位に進めることでこのゲームを取り、3対1と王手。
 第5ゲームは中盤まで競り合うも、優勝を意識したか、孫穎莎のプレーがやや消極的になり、バックハンドのミスが増えて、3対2に。
 第6ゲーム、出足から2本連続ロングサービスでエースを取った孫穎莎が4-0とスタートダッシュ。このまま一気に決まるかに思われたが、孫穎莎のミス、陳夢の好プレーが重なり4-4に。このゲームで勝負をつけたい孫穎莎は、フォアハンドだけでなくストップレシーブからの4球目攻撃や、少し距離を取って安定性重視のラリーなど、多彩な攻めで8-6とリード。ここで陳夢が痛恨のサービスミス。最後は、孫穎莎が十八番のフォアハンドドライブをフォアクロスに2連打して陳夢のフォア側を抜き去り11-6とした。
 優勝を決めた孫穎莎は仰向けに寝そべり、天井に向かって握り拳を振った。

孫穎莎の決定力の高いフォアハンドは決勝でも光った

陳夢はベテランらしいゲーム運びを見せたが、孫穎莎の勢いを止められず

孫穎莎はバック対バックでも陳夢に引けを取らない強さを見せた

派手なパフォーマンスは少ない孫穎莎。初のビッグタイトルで喜びが爆発した

全力を尽くした者同士が勝敗を越えてお互いをたたえ合った

牙城を崩し表彰台に登った早田ひな。ここを足がかりにさらに上を目指してほしい

(まとめ=卓球レポート)

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