プロ卓球Tリーグ2023-2024、琉球アスティーダ対木下マイスター東京で開幕
2023年7月29日、ノジマTリーグ2023-2024シーズンの男子開幕戦がアリーナ立川立飛で行われた。
試合に先立って、2022-2023シーズンで優勝した琉球アスティーダの有延大夢選手から、Tリーグの坂井一也理事長に金色に輝くシャーレが返還された。
続いて、今シーズンのTリーグ公認シーズンアーティストに就任した人気声優・歌手の内田雄馬さんが、木下マイスター東京の大島祐哉選手と始球式を行い、いよいよ開幕戦の火ぶたが切られた。
1番ダブルス 琉球アスティーダの有延/周雨が先勝
今シーズン最初の試合はダブルス。琉球アスティーダは有延大夢/周雨、木下マイスター東京は林昀儒/大島祐哉のカードとなった。今年から琉球アスティーダに新加入した周雨は元中国代表で、世界卓球2015蘇州大会の男子ダブルスで2位の実績を持つ。一方、木下マイスター東京の林昀儒も、東京オリンピックの混合ダブルスで銅メダルを獲得したダブルスの名手だ。
注目の1球目は、大島のサービスエースで幕を開けた。両ペアとも開幕戦独特の雰囲気のせいか、硬さが見られてラリーが続かず8対8にもつれるが、琉球ペアに凡ミスが出て木下ペアが先制した。第2ゲームも短いラリーの展開が続くが、琉球ペアが中盤に4連続ポイントを上げて競り勝ち、ゲームカウントを五分に戻した。
第1試合は3ゲームのため、このゲームの勝者が得点を挙げる。6対6から始まる最終ゲームは交互に取り合って8対8となるが、周雨が有延の強打をうまく引き出してポイントを連取して、貴重な先取点を獲得した。
2番 琉球のエース張本が、同級生の篠塚を完封
2番以降はシングルスでの対戦が続くTリーグ。開幕戦からファンが楽しみにしている強豪同士のカードが実現。琉球アスティーダはエース張本智和が登場。一方の木下マイスター東京は、昨シーズンのファイナルで張本に完勝している篠塚大登を送り込んだ。
ともに2003年生まれの同級生対決は見応えのあるラリーが展開された。序盤は張本がバックハンドで揺さぶってからフォアハンドドライブを決める展開でリードを奪うが、篠塚が柔らかい配球でかわしてジュースに追い付く。この勝負所で篠塚のサービスが甘くなったところを張本が見逃さず、第1ゲームを先取した。
第2ゲームも攻める張本、我慢して揺さぶる篠塚の展開となるが、6対6からバックハンドからのフォアハンド強打で引き離して、早くも王手をかけた。
すると第3ゲームは張本が序盤からスパートをかけて8対2として勝負を決めた。
張本は昨シーズンの借りをキッチリ返す完封勝ちで、 琉球アスティーダが勝利まであと1ポイントとした。
3番 元全日本王者の対戦で及川が吉村に競り勝つ
開幕戦勝利に王手をかけた琉球アスティーダ。3番にチームの精神的支柱と言える吉村真晴を持って来た。一方、後がない木下マイスター東京は及川瑞基に託した。ともに元全日本王者の対戦は一進一退の大接戦となった。
第1ゲームは両者ともペースの探り合いで交互に点数を取り合って9対9となるが、吉村にミスが続いて及川が先取。しかしここから吉村が速攻で攻めて、及川を防戦に追い込む。一気に2ゲームを連取して、勝利まであと1ゲームに迫った。
追い込まれた及川だが、しつこく手数で揺さぶって吉村の攻めミスを誘い、なんとかゲームオールに持ち込んだ。
6対6から始まる最終ゲーム。ここで決めたい吉村と一矢報いたい及川が互角の展開で7対7、8対8、9対9と全く譲らない。ここで及川が我慢のプレーで吉村を振り切り、木下マイスター東京が1点奪い返した。
4番 助っ人対決は林昀儒が周雨に快勝
4番は両チームの助っ人が投入された。琉球アスティーダは元中国代表の周雨。木下マイスター東京は世界ランキング9位の林昀儒。試合は中国代表から身を引いた周雨、台湾代表のエースとして活躍する林昀儒の勢いの差が現れる展開となった。
立ち上がりから林昀儒が得意のチキータからの一撃強打で周雨を打ち抜き、第1ゲームを先取する。
時計が午後7時を回り、花火大会の轟音が会場に響き渡るが、林昀儒はそんなことお構いなしとばかり、ドカンと強打をたたき込んで 一気に2ゲームを連取した。
意地を見せたい周雨は、位置取りを前にした攻守でリードを奪い、辛くも第3ゲームを奪い返す。
しかし、第4ゲームに入ると再び林昀儒がチキータからの切れ味鋭い強打で攻めて、助っ人対決で快勝。木下マイスター東京が0対2から追い付いて、開幕戦からいきなりビクトリーマッチに突入する形となった。
ビクトリーマッチ 張本が及川を圧倒して開幕戦勝利を決めた
2対2となり、試合はラストのビクトリーマッチに委ねられた。琉球アスティーダは張本。木下マイスター東京は及川。ともにシングルスでの対戦で得点を挙げた選手同士の対決で、雌雄を決することとなった。
1ゲームのみのビクトリーマッチ。スタートダッシュが肝心なショートゲームで張本がほえる。仙台の先輩・及川に対して気迫の攻撃を決めて2ポイント先取してチョレイが出る。今度は及川が意地を見せて攻め込んで3ポイント連取して逆転するが、張本がサービスを利して6対4としたところで及川がタイムを入れる。しかし、張本は緩めることなく高い打球点からの両ハンド攻撃で6対5から連続ポイント。最後はバックハンドのカウンターブロックを決め、張本が11対5で及川に快勝。
この結果、琉球アスティーダが粘る木下マイスター東京を3対2で振り切って、うれしい開幕戦勝利を手にした。
男子開幕戦 結果
琉球アスティーダ 3対2 木下マイスター東京
○有延大夢/周雨 -8,8,8 林昀儒/大島祐哉
○張本智和 10,7,8 篠塚大登
吉村真晴 -9,9,7,-5,-9 及川瑞基○
周雨 -5,-6,10,-8 林昀儒○
○張本智和 5 及川瑞基
なお、詳しい記録等は Tリーグのホームページをご覧ください。