プロ卓球Tリーグ、女子は木下アビエル神奈川対トップおとめピンポンズ名古屋で開幕
2023年7月30日、ノジマTリーグ2023-2024シーズンの女子開幕戦がアリーナ立川立飛で行われた。
前日7月29日の男子開幕戦に続き、女子も開幕戦を迎えた。開場時間の午前12時30分を待ちきれず、35度を超す炎天下の中で両チームのファンが列を成した。
会場内にはTリーグのスポンサーブースが設けられ、タイトルパートナーを務めるノジマのブースでは出場選手のサイン入りグッズが当たる抽選会が行われた。
また、Tリーグとバタフライが共同で行うウエアリサイクル活動「WEAR RALLY PROJECT 2023」の特設ブースでは、ウエアの回収箱が設置され、両チームのファンが旧モデルの応援ウエアなどを投入する姿が見られた。
午後2時からの試合開始に先立ち、2022-2023シーズンで優勝した木下アビエル神奈川のキャプテン・平野美宇選手から、Tリーグの坂井一也理事長にボールをカットする姿をモチーフとしたトロフィーが返還された。
1番ダブルス 木下アビエル神奈川の木原/張本が先取点
Tリーグの試合方式はトップがダブルス。木下アビエル神奈川は木原美悠/張本美和、トップおとめピンポンズ名古屋は袁雪嬌(ユエン・シュエジアオ)/馬菀含(マー・ユーハン)のカードとなった。
試合は木下ペアが厳しく攻めて5対3とするが、トップペアが左右のパワーで盛り返してジュースとなる。ここで袁雪嬌のループがミスとなり、木下ペアが先行した。
これで流れをつかんだ木下ペア、第2ゲームは木原のフィッシュから張本がカットで粘って得点するファインプレーが出て3対0とリード。流れを変えたいトップペアはタイムで流れを変えようとするが、勢いに乗った木原/張本が快調にコンビネーション攻撃を決めて、貴重な先取点を手にした。
2番 木下のキャプテン平野が期待に応える完勝
Tリーグでは2番以降はシングルスとなる。木下アビエル神奈川はキャプテンの平野美宇が登場。一方のトップおとめピンポンズ名古屋は、ダブルスに続いて袁雪嬌が連続出場。
かつて木下アビエル神奈川で活躍した袁雪嬌。昨年の対戦で平野にストレート勝ちしている勢いそのままに、1対4とリードする展開。ここで今年の国際大会で結果を残している平野にエンジンがかかる。持ち前の高速バックハンドに加え、力強さを増したフォアハンドで左右に打ち抜いて8対5と一気に抜き去り、第1ゲームを先行した。
第2ゲームは袁雪嬌がバックストレートへの素早い送球で平野のフォアサイドを揺さぶって8対8となるが、バックに集まったボールを平野が速攻で決めて、このゲームも連取した。
すると、平野は両サイドが強い袁雪嬌のミドルをうまく攻めて5対1とすると、袁雪嬌は打つ手なく防戦に。このまま平野が袁雪嬌を押し切って完封勝ちし、木下アビエル神奈川が早くも勝利に王手をかけた。
3番 張本美和が見事な両ハンド攻撃で勝利を決めた
開幕戦勝利まであと1勝とした木下アビエル神奈川は、ダブルスに続いて張本美和が登場。後がないトップおとめピンポンズ名古屋は安藤みなみを投入した。両者は1週間前に行われた2023全農CUP東京大会の5-6位決定戦で対戦しており、その時は安藤が張本に4対3で競り勝っている。
試合は接戦が予想されたが、張本が落ち着いた攻守で5ポイント連取。威力満点の両ハンドドライブで安藤を寄せ付けず11対1で第1ゲームを先取。
続く第2ゲームも張本の両ハンドが止まらず、安藤は防戦に追い込まれる。7ポイント連取する圧巻のプレーで早くも勝利にあと1ゲームと迫った。
第3ゲームに入っても張本が全く緩めず3対0となり、トップがたまらずタイムアウト。間が空いてもペースを乱さない張本はこのまま押し切って9対3として、このまま試合を決めるかと思われた。しかし、急に硬くなった張本にミスが続いてまさかのジュースになると、最後は安藤がスマッシュを決めて、安藤が1ゲームをもぎ取った。
嫌な形でゲームを失った張本。第4ゲームは再びスパートをかけて6対1と引き離すと、懸命のブロックで追いすがる安藤を打ち抜いた。張本が安藤に3対1で押し切り、木下アビエル神奈川が開幕戦の勝利を決めた。
4番 長﨑が快勝して勝ち点4をゲット
Tリーグの独自ルールで、試合は3対0が終わった場合でも必ず4番まで行い、4対0で勝利を収めた場合は勝ち点が1点加算されて4点となる(3対1、3対2で勝利した場合は3点)。そのルールに従って4番が行われ、木下アビエル神奈川は長﨑美柚、トップおとめピンポンズ名古屋は南波侑里香が登場した。
勝ち点の積み重ねが大きな意味を持つ長丁場のリーグ戦とあって、消化試合のような雰囲気はない。立ち上がりから南波が小気味よい速攻で3対9と引き離して第1ゲームを先行した。
逆に第2ゲームは長﨑がバックハンドドライブでガツンと決めて9対3とし、ゲームカウントをタイに戻した。
勝負のヤマ場の第3ゲームは両者一歩も引かない展開でジュースとなるが、南波の逆チキータを長﨑がうまくかわしてゲームカウントをリードした。
すると、長﨑はこれまで苦戦した南波のバックハンドブロックの距離感をつかみ、序盤からリードを保って勝利を収めた。
この結果、木下アビエル神奈川がトップおとめピンポンズ名古屋を4対0で下し、勝ち点を上積みした。
女子開幕戦 結果
木下アビエル神奈川 4対0 トップおとめピンポンズ名古屋
○木原美悠/張本美和 10,8 袁雪嬌/馬菀含
○平野美宇 7,8,3 袁雪嬌
○張本美和 1,3,-10,7 安藤みなみ
○長﨑美柚 -8,6,10,8 南波侑里香
なお、詳しい記録等は Tリーグのホームページをご覧ください。