2年に1度開催されるアジアナンバーワンを決めるバタフライ第26回アジア卓球選手権大会が9月3日から10日まで韓国の平昌(ピョンチャン)で開催される。今回のアジア大会は、バタフライが卓球メーカーとして初のタイトルスポンサーを務め、運営面から設備面など大会全般のサポートを行っている。卓球レポートも現地の平昌に足を運び、熱戦の模様をお伝えしていく。
競技3日目となる9月5日は、女子団体準決勝が行われ、中国が日本を、韓国が香港をそれぞれ下し、決勝進出を果たした。
※写真は香港戦のトップで勝利した徐孝元(韓国)
▼女子団体準決勝の結果
中国 3-0 日本
○孫穎莎 6,8,12 早田
○陳夢 -7,3,7,5 平野
○陳幸同 6,4,3 伊藤
陳夢 - 早田
孫穎莎 - 平野
注目のカードは、中国が陳夢と孫穎莎を2点使いし、3番に陳幸同を置くオーダーを組んできた。対する日本は、早田ひな、平野美宇を2点起用、3番に伊藤美誠を据えるオーダーで挑む。
トップの孫穎莎対早田は、「(孫穎莎とは)最近対戦が多く、サービスやレシーブ、ボールの癖を分かっているつもりだったが、(会場の)環境に慣れるのが遅かった。1ゲーム目を取らないと余裕をもたれてしまう」と早田が悔やむように、スタートから孫穎莎が、早田の仕掛けに対して緩急や厳しいコースを突くうまいプレーで早田の無理を誘い、ペースを握る。早田も第3ゲームはゲームポイントを握るが「レシーブで迷ってしまった」と振り返る通り、孫穎莎にサービスから得点を許し、ストレートで敗戦。孫穎莎が世界王者らしい堂々たるプレーで中国に先制点をもたらした。
流れを引き戻したい日本は、2番で平野がその攻撃力を背景にした丁寧なプレーで陳夢のミスを誘い第1ゲームをあっさり奪う。調子の上がらない陳夢に対し、リラックスした状態の平野の様子から、これは平野が行くかと思われたが、ここからの陳夢の対応力はさすがだった。「1ゲーム目は用意していた戦術が効いたが、2ゲーム目からの戦術転換についていけなかった」と平野が振り返るように、陳夢はミドルを起点に機を見たストレート攻撃で平野の両ハンドを鈍らせ、3ゲームを連取して勝利。中国が決勝進出へ早くも王手をかける。
打倒中国の筆頭として、このままあっさり終われない日本は伊藤で巻き返しを図るが、陳幸同が強かった。「相手のやることは1つで分かってはいたが、質が高かった」と伊藤が振り返るように、陳幸同は、おそらく中国選手全員が伊藤対策としてシェアしているであろう、徹底したバック攻めを敢行。伊藤もフォア側からサービスを出したり、先にフォア側を突いたりして揺さぶりをかけたが、要所でバックを突かれ、打開策を見いだせずにストレートで敗れた。
またしても中国の分厚い壁に跳ね返された日本だが、まだ個人種目が残っている。気持ちを切り替えて、ぜひ中国勢に一矢報いる奮闘を期待したい。
▼女子団体準決勝
韓国 3-0 香港
○徐孝元 8,7,10 李凱敏
○申裕斌 6,8,7 朱成竹
○田志希 7,9,12 李皓晴
徐孝元 - 朱成竹
申裕斌 - 李凱敏
もう一方の準決勝は、韓国が地元の声援を背に躍動し、香港を下して決勝進出。
トップで徐孝元が円熟味の増したカットで李凱敏のスマッシュをしのぎきると、エースの申裕斌も躍動し、韓国が瞬く間に王手。続く3番の田志希も李皓晴との打撃戦を制し、全試合ストレート勝ちの完全勝利で決勝進出を果たした。
韓国はこの後19時から行われる女子団体決勝で中国と対戦する。日本戦を見る限り、中国の力は圧倒的だが、韓国が地の利を生かしてどう立ち向かうのか注目だ。
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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
アジア卓球連合:https://asia.ittf.com/pages/39/asian%20ttc%202023_2704
国際卓球連盟(ITTF)記録ページ:https://results.ittf.com/ittf-web-results/html/TTE2773/results.html#/results
(取材=卓球レポート)