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2023アジア卓球選手権平昌大会
男子シングルスは馬龍が制し、4度目の優勝

 
 2年に1度開催されるアジアナンバーワンを決めるバタフライ第26回アジア卓球選手権大会が9月3日から10日まで韓国の平昌(ピョンチャン)で開催される。今回のアジア大会は、バタフライが卓球メーカーとして初のタイトルスポンサーを務め、運営面から設備面など大会全般のサポートを行っている。卓球レポートも現地の平昌に足を運び、熱戦の模様をお伝えしていく。
 最終日となる9月10日は男子シングルス準決勝〜決勝が行われ、決勝で馬龍が樊振東(ともに中国)を3対2で破り、優勝。2009年、2011年、2013年の優勝に続き、自身4度目のアジア王者に輝いた。

馬龍が新旧世界王者対決を制す

34歳とはとても思えないキレのあるプレーを見せた

勝利の瞬間、ビッグタイトルから遠ざかっていたうっぷんが爆発

激闘を終え、健闘をたたえ合う馬龍と樊振東

 
▼男子シングルス決勝の記録
馬龍(中国) 7,-5,-7,5,6 樊振東(中国)

 馬龍対樊振東の新旧世界王者対決は、予想通りにハイレベルな激戦になった。
 互いが手の内を知る者同士の第1ゲームは、バック対バックで探り合う静かな立ち上がりになるが、終盤にバック対バックから足を使ってフォアハンドを打った馬龍が先制する。
 第2ゲームは、ラブオールで樊振東がチキータをミスしたところで、なんとタイムアウトを取るという予想外の展開でスタート。過密スケジュールの疲れからか、はたまた集中しきれていなかった自分をリセットするためだったのか真意のほどは定かではないが、樊振東の予想外の早いタイムアウトに場内がざわつく中、タイムアウト後の樊振東の顔つきが引き締まったのがファインダー越しからでも見て取れた。タイムアウトで間を取って集中力と気迫を取り戻した樊振東は、チキータからの強烈なバックハンドドライブで第2、第3ゲームを連取し、王手をかける。
 このまま樊振東が走るかと思われたが、馬龍がそうはさせなかった。王手をかけたことでややプレーが慎重になった樊振東の隙を突き、サービスに変化を付けて樊振東のミスを誘うと、バック対バックでも受け身の樊振東を押し込み、第4ゲームを奪取。勝敗の行方は最終の第5ゲームにもちこされた。
 決着の第5ゲームは、互いの意地とプライドがぶつかり合い、さらにハイレベルなラリーで得点が進む。馬龍が強烈なフォアハンドで樊振東のブロックをはじき飛ばせば、樊振東も強烈なバックハンドで馬龍の堅陣をぶち破る。馬龍が回れば樊振東も回り、馬龍がカウンターを決めれば負けじと樊振東もカウンターを決め返す。ずっと見ていたいと思うような至高のラリーが続いたが、最後はより幅広い打球点でプレーできる馬龍が樊振東の猛攻をかわし、優勝を決めて歓喜の大ジャンプを見せた。優勝してここまで喜びを表現する馬龍はあまり記憶にないが、世代交代がささやかれる中、大黒柱として中国を支えてきたプライドが爆発したのだろう。
 来年のパリ五輪が有終の美と噂されている34歳の馬龍だが、今大会では中国にとって最大のライバルの一人である林昀儒(中華台北)を一蹴し、現世界王者の樊振東をも破ってみせた。馬龍にとっては、あらためて自身が最強であることを世界中に、そして中国の首脳陣にアピールする大会となったに違いない。

樊振東は強烈なバックハンドで決勝まで順当に勝ち上がった

‪決勝は早めのタイムアウトから巻き返すも、わずかに及ばず

 優勝を目指した樊振東だったが、あと一歩のところで優勝はならなかった。第2ゲームの0-1でタイムアウトを取ってからのプレーの息の吹き返し方は見事だったが、馬龍の経験と幅広いプレーの前に涙をのんだ。
 これまで、世界卓球やオリンピックなどのビッグマッチのファイナルでことごとく馬龍に敗れてきた樊振東。世界卓球を連覇してなお、今回も馬龍越えを果たせなかった。馬龍という巨竜を倒すためには何が必要なのか。その答えを見つけた時、樊振東は真の王者になるのだろう。

非凡なプレーで勝ち上がった林昀儒だが、馬龍には対応されてしまった

梁靖崑は樊振東に敗戦。第1ゲームのジュースを物にしたかった


▼男子シングルス準決勝の記録
馬龍(中国) 8,4,8 林昀儒(中華台北)
樊振東(中国) 17,-8,7,8 梁靖崑(中国)

 3位には林昀儒(中華台北)と梁靖崑(中国)。
 林昀儒は優勝の可能性を感じさせるプレーで準決勝まで勝ち上がったが、馬龍にストレートで敗れた。必殺のロングサービスやチキータ、カウンターを馬龍にことごとく対応されてリズムをつかめなかった。
 もう一方の3位、梁靖崑は準決勝まで危なげない勝ち上がりを見せたが、樊振東に敗戦。バック対バックからの展開で活路を見いだそうとしたが、要所で樊振東の強打を浴びてしまった。

2023年アジア選手権大会が閉幕。韓国では2024年2月に世界卓球が釜山で行われる予定

 
 最終試合の男子シングルス決勝を終え、8日間にわたって行われたバタフライ第26回アジア卓球選手権大会が閉幕した。韓国では2024年に世界卓球(団体戦)が釜山で開催される予定で、大会を紹介するビデオが決勝戦の前に放映された。
 来年2月、冬の釜山で今大会のような熱い戦いが繰り広げられることを期待したい。

卓レポX(ツイッター)でアジア卓球選手権平昌大会の熱戦を速報予定です。ぜひご覧ください!

試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
アジア卓球連合:https://asia.ittf.com/pages/39/asian%20ttc%202023_2704
国際卓球連盟(ITTF)記録ページ:https://results.ittf.com/ittf-web-results/html/TTE2773/results.html#/results

(取材=卓球レポート)



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