2024年（令和5年度）全日本卓球選手権大会（一般・ジュニアの部）が1月22日から28日まで東京体育館で開催される。
日本の頂点を決める戦いで、どんな攻防が繰り広げられているのか。卓球レポートでは、鋭い観察眼で知られる元全日本王者の渋谷浩に、選手たちの戦いぶりを聞いた。
ここでは、渋谷がジュニア女子決勝を分析する。
▼ジュニア女子決勝
張本美和（木下アカデミー） 3,5,9 面手凛（山陽学園高）
ポジショニングの妙で面手を上回った張本
決勝は観客席で、台を横から見ていましたが、両者のプレー位置が興味深かったですね。面手は台にかなり近い位置にいて、一方の張本は1歩距離をとっていて、両者対照的なポジショニングでプレーしていました。
面手は台の近くですごく早いタイミングで打球していましたが、張本は面手の早い攻めを受け止めて、面手以上に速い威力のあるボールを返していました。おそらく、面手の早さに対応するためのポジショニングだったと思います。張本は台から少し距離を取ってプレーしていたため、面手の早さに慌てることなく、ラリーが続いても最後は張本が打ち抜くパターンが多かったですね。
面手は早さのアドバンテージを生かしたかったのですが、張本は両サイドに来るボールにもしっかりと対応できていました。ボディワークもうまいし、フットワークもよかったですね。さすが世界ランキング14位の実力という内容の充実したプレーでした。
準決勝で面手に敗れた兼吉優花（四天王寺高）は、打球点の早い攻撃的なカットが印象的でした。
同じく、準決勝で張本から1ゲームを奪った上澤杏音（香ヶ丘リベルテ高）は、思い切りのよい攻撃が光っていました。
しかし、今大会は張本の実力が頭一つ二つ抜け出ていた印象です。まだまだ余力がありましたし、今の状態だと何度やっても優勝できそうなくらいジュニアでは圧倒的な存在です。張本を脅かすような存在に出てきてほしいですね。（敬称略）
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詳しい試合の結果は日本卓球協会大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球：https://www.japantabletennis.com/AJ/result2023/
