第58回世界卓球選手権団体戦が、韓国の釜山で2月16〜25日にかけて開催される。2020年に開催が予定されていた釜山大会はコロナ禍の影響で中止となっていたが、4年ぶりに開催の運びとなった。
例年、世界卓球の団体戦は世界一の称号をかけて熱い戦いが繰り広げられるが、今大会はベスト8に入ればパリオリンピックへの出場権が得られるため、各チームともいっそう気合いを入れてくるだろう。
開幕に先駆けて、男子団体の見どころを紹介しよう。
【女子団体の見どころはこちら】
【グループリーグの組み合わせ】
グループ1:中国 クロアチア ベルギー ハンガリー キューバ
グループ2:ドイツ イングランド アメリカ カザフスタン サウジアラビア
グループ3:韓国 インド ポーランド チリ ニュージーランド
グループ4:フランス オーストラリア デンマーク オーストリア アルジェリア
グループ5:日本 中華台北 ナイジェリア チェコ マダガスカル
グループ6:スウェーデン 香港 スロバキア プエルトリコ セルビア
グループ7:ブラジル スロベニア シンガポール カナダ マレーシア
グループ8:ポルトガル エジプト ルーマニア イラン タイ
首位争いの最激戦は、グループ5の日本対中華台北
男子団体の参加チームは40チーム。上記の通り、8つのグループに5チームずつ振り分けられ、それぞれグループリーグの3位までが決勝トーナメントに進む(女子団体も同様)。3位以内に入ることはもちろんだが、1位で通過すると8シードが得られるため、上位へ勝ち進むためには1位通過が大きなアドバンテージになる。
こうしたレギュレーションを踏まえてグループを見てみると、中国やドイツ、韓国、フランス、スウェーデンなどの強豪チームは順当に1位通過する可能性が高そうだが、首位争いで最も激戦が予想されるのがグループ5の日本と中華台北だ。
前回銅メダルの日本は張本智和、戸上隼輔、篠塚大登、田中佑汰、松島輝空の充実した布陣で臨むが、中華台北も鉄人・荘智淵、大エースの林昀儒、成長目覚ましい高承睿とベストメンバーを組んできているため、力は拮抗している。両チームは大会3日目の2月18日(日)17時からの対戦が予定されているが、1位通過を懸けた激しい攻防が繰り広げられそうだ。
日本は初戦(2月16日の17時試合開始予定)で、世界卓球2021ヒューストン男子シングルスベスト8のアルナを擁するナイジェリアと対戦する。簡単な相手ではないが、ここをしっかり勝って中華台北戦も乗り越え、前回越えを果たしてほしい。
中国は前人未到の11連覇を目指す
ベストメンバーのドイツ、地元の韓国、パリ五輪を控えたフランスにも注目
そのほかの各グループの有力チームに目を向けると、今大会で前人未到の11連覇を目指すグループ1の中国は、樊振東、王楚欽、馬龍、林高遠、梁靖崑をそろえ、隙が全く見当たらない。よほどのことがない限り、グループ1位通過は譲らないだろう。
前回は主力メンバーを欠きながら銀メダルを獲得し、層の厚さを見せつけたドイツはグループ2に入った。前回活躍したダン・チウ、ドゥダに、ボル、オフチャロフ、フランチスカの主力を加えたベストメンバーで今大会に臨む。現在、チーム内で世界ランキングが最も高く、強豪ドイツの中心になりつつあるダン・チウに、WTTコンテンダー ドーハを制し、あらためて力を示した大ベテランのボル、東京オリンピック男子シングルス銅メダルのオフチャロフらをそろえたオーダーはバリエーションに富んでいて分厚い。
鋭い両ハンドが武器のピッチフォードを擁するイングランドや、ラリー巧者のゲラシメンコ率いるカザフスタンなど強豪チームがそろうグループだが、ドイツの1位通過は固いだろう。
グループ3の開催国・韓国は、張禹珍、林鐘勳、李尚洙、朴奎炫、安宰賢というベテランと中堅、若手をバランス良くそろえたオーダーで上位を狙う。
韓国と同グループには知性派のグナナセカラン、技巧派のデサイ、パワーヒッターのアチャンタを擁するインド、目覚ましい成長を続けているレジムスキーが主軸を張るポーランドが入ったため、これらの難敵に勝ちきって勢いに乗りたい。
グループ4のフランスも要注目チームだ。夏にパリオリンピックを控えるフランスにとって、今大会は、まさに試金石。躍進目覚ましいA.ルブラン、F.ルブランのルブラン兄弟にセンスのかたまりのようなプレーを持ち味にするゴズィーを加えたオーダーは、どの国にとっても脅威だ。なんとしても今大会で結果を出して、パリオリンピックに向けて弾みをつけたいところだろう。
グループ6の欧州王者・スウェーデンは、モーレゴード、ファルク、ケルベリ、K.カールソン、ヨン・パーソンと強力なタレントがそろった。前回の成都大会は組み合わせの妙により準々決勝で中国に敗れたが、2018年ハルムスタッド以来のメダルを狙って燃えているだろう。
(まとめ=卓球レポート)