2024年アジア卓球選手権アルマトイ大会(個人戦)兼2025年世界卓球選手権ドーハ大会(個人戦)アジア大陸予選会 男女日本代表選手選考会が、6月20〜21日にかけて、東京都北区の赤羽体育館で開催。
大会最終日の6月21日は女子シングルスの準決勝〜決勝が行われ、大藤沙月(ミキハウス)が優勝し、代表権を獲得した。
▼女子シングルス準決勝の結果
佐藤瞳(ミキハウス) 5,4,6 横井咲桜(ミキハウス)
大藤沙月(ミキハウス) 3,-3,5,11 橋本帆乃香(ミキハウス)
▼女子シングルス決勝の結果
大藤沙月(ミキハウス) -6,-9,9,10,7 佐藤瞳(ミキハウス)
ミキハウス勢の同士打ちになった最終日の決勝トーナメントは、大藤沙月(ミキハウス)が制し、代表権を獲得した。
準決勝ではカット主戦型・橋本帆乃香(ミキハウス)のカットと攻撃を要所のパワードライブで打ち崩すと、決勝では、またしてもカット主戦型の佐藤瞳(ミキハウス)と対戦。手の内を知る同士打ちは、佐藤の変化や攻撃パターンに慣れている大藤が有利と思われたが、今大会好調の佐藤が大藤の猛攻をカットで拾いまくり、要所で攻撃も決める隙のないプレーで2ゲームを連取し、王手をかける。
佐藤のあまりの充実ぶりに打つ手なしと思われた大藤だったが、「2カ月前に坂本コーチ(坂本竜介氏)についてから気持ちの部分でポジティブに変わることができました。追い込まれた状況でも相手より余裕があると思ってプレーができたことが勝因です。気持ちがポジティブに変わったことに伴って、プレーもこれまでは守りが主体で攻めるのは怖かったのですが、思い切って攻めることができました」と語るように、後がない状況でもくじけずにラケットを強振して佐藤の堅守を打ち破り、3ゲームを連取して逆転で代表切符をつかんだ。
「この選考会で絶対優勝するという気持ちでずっとやってきました。同世代の木原選手(木原美悠/木下グループ)や長﨑選手(長﨑美柚/木下グループ)が世界選手権に行っているのを見て、自分も絶対行きたいという気持ちがずっとありました。今回が1番チャンスがあると思っていたので、勝ててよかったです」と勝利後、喜びの声を語った大藤。黄金世代にもまれ、ようやく芽を出した大器のこれからに注目だ。
2位の佐藤は、圧倒的とすら思える精度の高いカットと決定率の高い反撃で、予選リーグでは木原、準決勝では横井咲桜(ミキハウス)に完勝し、優勝に最も近いと思われたが、大藤の粘り強い攻撃の前に涙をのんだ。その大藤戦では、2ゲームを連取して2ゲームを返され、追い付かれた最終ゲーム、序盤は優位にゲームを進めたが、終盤に固くなったのか、これまで見られなかった簡単なミスが続き、大藤に逆転を許してしまった。
3位には、自由度の高いカットと攻撃の連係プレーを見せた橋本と、パワフルな両ハンドで強豪ひしめく予選リーグを1位突破した横井が入った。
詳しい記録は公益財団法人 日本卓球協会の大会ページまで
https://jtta.or.jp/tour/25502
(取材=卓球レポート)