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卓球 パリ五輪 男子シングルス2〜3回戦 〜張本が8強。王楚欽がモーレゴードに敗れる波乱〜

 パリオリンピック卓球競技5種目(混合ダブルス、男女シングルス、男女団体)が、パリ南アリーナ4(パリ・フランス)にて7月27日〜8月10日にて開催される。
 競技5日目の7月31日は男女シングルスの2〜3回戦が行われ、ベスト8が出そろった。
 ここでは7月31日に行われた男子シングルスの2〜3回戦の結果をお伝えする。
※写真は張本智和(日本)
※写真提供=ITTF/ONDA

世界卓球ファイナリストのモーレゴードが王楚欽を破る大金星

第1シードの王楚欽はまさかの2回戦敗退

張本は3回戦でリンドを破り8強入り

戸上は‪張禹珍‬を攻めきれずにベスト16で敗退

‪張禹珍‬は大舞台での経験の差を見せつけた

フランス期待のF.ルブランはオフチャロフの猛追を振り切って8強入り

第2シードの樊振東は完璧な試合運びでジャアを完封

林昀儒は速攻でヨルジッチにストレート勝ち

O.アサールは持ち前の粘り強さでゲラシメンコに逆転勝ち

カルデラーノはアウェーの中でA.ルブランとの強打者対決に快勝


▼男子シングルス2回戦
モーレゴード(SWE) 10,7,-5,-7,9,6 王楚欽(CHN)
ヨルジッチ(SLO) 9,7,-9,6,-5,6 ピッチフォード(GBR)
張本智和(JPN) -8,6,4,7,-5,7 No.アラミヤン(IRI)
リンド(DEN) 10,-6,6,-6,9,-9,6 レジムスキ(POL)
ジャア(USA) 5,4,7,-7,-8,8 ジオニス(GRE)
樊振東(CHN) 5,5,-9,6,3 黄鎮廷(HKG) 

▼男子シングルス3回戦
モーレゴード(SWE) -14,11,8,10,6 高承睿(TPE)
O.アサール(EGY) -8,-6,10,10,9,3 ゲラシメンコ(KAZ)
張禹珍(KOR) 7,16,10,9 戸上隼輔(JPN)
カルデラーノ(BRA) -3,5,6,3,8 A.ルブラン(FRA)
F.ルブラン(FRA) 9,13,10,-8,-3,-8,7 オフチャロフ(GER)
林昀儒(TPE) 9,10,7,7 ヨルジッチ(SLO)
張本智和(JPN) -8,10,5,8,6 リンド(DEN)
樊振東(CHN) 4,7,10,7 ジャア(USA)

 今大会一番の波乱といっていいだろう。世界ランキング1位で第1シードの王楚欽(中国)がモーレゴード(スウェーデン)の前に撃沈した。モーレゴードは持ち前のトリッキーなプレーを控え、巧みなサービスとストップ、ツッツキを多用した台上からの攻撃で、王楚欽を崩し大金星を挙げた。王楚欽は前日にラケットを破損するという不運に見舞われ、スペアラケットでのプレーを余儀なくされたことの影響は少なからずあっただろうが、最後まで浮き足立たずに千載一遇のチャンスをものにしたモーレゴードが大舞台での強さを発揮した形となった。
 勢いに乗りたいモーレゴードは、3回戦で高承睿(中華台北)に1ゲームの競り合いを奪われるが、両者得意な大きなラリーでモーレゴードの決定力がわずかに上回り、粘り強くプレーする高承睿から4ゲームを連取し、準々決勝に駒を進めた。

 日本期待の張本智和は、2回戦でNo.アラミヤン(イラン)のYGサービスとバックハンドの攻守を攻めあぐねる場面も見られたが、要所でしっかりと落ち着いた連打、厳しいコース取りでアラミヤンを崩し、実力者らしい勝利をものにした。
 3回戦では、世界卓球2023ダーバンでベスト8入りを果たしたデンマークのレフティー、リンドと対戦。第1ゲームを先行されたものの、威力重視の両ハンドでラリーの先手を取った張本が4ゲームを連取し、8強入りを決めた。
 一方、昨日コズル(スロベニア)を破り3回戦進出を決めていた戸上隼輔(日本)は、韓国のエース‪張禹珍‬と対戦。戸上はミスが散見されたが、第2ゲームでは8-10から追い付き、3度のゲームポイントを握るもゲーム奪取には至らず。第3ゲームも10-8とリードしたが、ここでもジュースをものにできずに、逆転を許してしまった。戸上は随所に光るプレーは見られたが、要所でそれが生かせずにあえなくストレート負けを喫し、初の五輪の男子シングルスはベスト16という結果に終わった。‪2度目の五輪に臨む張禹珍‬はベテランらしい隙のない試合運びで前回のベスト16の壁を越えた。

 地元フランス期待のエース、F.ルブランは、ロンドン五輪、東京五輪で2度の男子シングルス銅メダルを獲得しているオフチャロフ(ドイツ)と対戦。完成度の高いオフチャロフの両ハンドに対して、F.ルブランの前陣カウンターがスピードで上回り、会場の大声援を背にF.ルブランが3ゲームを連取。しかし、ここでも諦めないオフチャロフが、勝利を意識したか、プレーに不安定さが見え始めたF.ルブランに反撃開始。F.ルブランのお株を奪うような早いテンポのプレーでオフチャロフが3対3に戻した。しかし、ここで開催国エースが再び奮起。最終ゲーム前半でオフチャロフを引き離すと、そのまま逃げ切り、会場を興奮の渦に巻き込んだ。

 前回大会銀メダリストで、王楚欽が敗れた今、優勝候補筆頭の樊振東(中国)は2回戦で黄鎮廷(香港)を安定したプレーで退けると、3回戦では、ジオニス(ギリシャ)に対して巧みなカット攻略を見せたジャア(アメリカ)と対戦。王楚欽が敗れ、中国の期待が双肩にのしかかるかと思われた樊振東だが、表情もプレーも冷静で、丁寧な台上プレーでジャアに隙を与えず、ラリー戦でも安定性で上回る横綱相撲で、予選から勝ち上がって勢いに乗るジャアを退けた。

 東京大会4位で初のメダル獲得を狙う林昀儒(中華台北)は、じっくり攻めたいヨルジッチに時間を与えずに、両ハンドの速い攻めでストレート勝ち。
 アフリカの星O.アサール(エジプト)は、ゲラシメンコ(カザフスタン)に0対2、3ゲーム目も先にゲームポイントを奪われていたところから、諦めずに低い姿勢からの両ハンドドライブを繰り出してラリー巧者のゲラシメンコを崩した。 
 東京大会ベスト8のカルデラーノ(ブラジル)は、地元フランスの強打者A.ルブランを迎え撃った。第1ゲームはA.ルブランのパワーボールに押されて先行されたカルデラーノだったが、第2ゲームからはサービス・レシーブからラリーをしっかり組み立てて、完全アウェーの会場で大きな勝利をつかんだ。

<8月1日の試合予定(男子シングルス準々決勝)>
11時00分(日本時間18時00分)張禹珍(KOR) - カルデラーノ(BRA)
15時00分(日本時間22時00分)F.ルブラン(FRA) - 林昀儒(TPE)
17時00分(日本時間24時00分)張本智和(JPN) - 樊振東(CHN)
21時00分(日本時間28時00分)モーレゴード(SWE) ー O.アサール(EGY)

男子シングルスのトーナメント



詳しい大会の記録はこちら
公益財団法人日本卓球協会:https://jtta.or.jp/tour/24750
World Table Tennis:https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Results&eventId=2603

(まとめ=卓球レポート)



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