高校生たちの祭典、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の卓球競技が8月3~8日に長崎県大村市の大村市体育文化センター(シーハットおおむら)で開催される。
最終日となった本日8月8日は、女子シングルス準々決勝〜決勝までが行われ、1年生の竹谷美涼(リベルテ)が優勝を果たした。
優勝 竹谷美涼(リベルテ)
▼女子シングルス準々決勝
山室早矢(桜丘) 6,9,7 青木咲智(四天王寺)
兼吉優花(四天王寺) 5,-9,-9,4,6 面手凛(山陽学園)
竹谷美涼(リベルテ) 5,11,7 田旻一(桜丘)
栗山優菜(桜丘) -9,14,-10,9,9 髙森愛央(四天王寺)
▼女子シングルス準決勝
兼吉優花(四天王寺) 6,6,-7,14 山室早矢(桜丘)
竹谷美涼(リベルテ) -10,-4,1,5,8 栗山優菜(桜丘)
▼女子シングルス決勝
竹谷美涼(リベルテ) 8,-7,6,-9,6 兼吉優花(四天王寺)
大阪勢が4人、愛知勢が3人という今の女子高校卓球界を象徴するようなベスト8の顔ぶれの中、1年生の竹谷美涼(リベルテ)が優勝を果たした。
竹谷は準々決勝で、桜丘のエース格・田旻一(桜丘)にストレートで快勝すると、準決勝では昨日の女子学校対抗決勝でも戦った栗山優菜(桜丘)と対戦。栗山のダイナミックなフォアハンドドライブとワイドに打ち分けるバックハンドに押され、0対2と追い込まれたが、ここから渾身の動きでフォアハンドドライブを打ち込み、逆転勝利で栗山のリベンジを阻止して決勝進出を果たす。
決勝の相手は兼吉優花(四天王寺)。両者は今年の全日本ジュニアの準々決勝で対戦し、その時は兼吉がゲームカウント3対1で勝利している。竹谷にとっては分がいい相手ではないが、第1ゲームは竹谷がミドルを中心に粘りつつ、好機をワイドに攻める戦術で先制する。第2ゲームは兼吉に奪われるが、第3ゲームを取り返し、第4ゲームも終始リードする展開。このまま竹谷が行くかと思われたが、兼吉の粘りと竹谷のミスが重なって逆転を許すと勝敗は最終の第5ゲームへ。
わずかでも気を抜くとミスを誘われる兼吉の質の高いカットを必死で攻略しながら、あと一歩で優勝というところで追い付かれた竹谷の集中力はもつのか。そう案じられた第5ゲームだったが、「とにかく粘ることを心掛けた」という竹谷が、再び気力をよみがえらせて兼吉のカットを粘りつつ強打を打ち込み、カウント6本で勝利。
優勝を決め、信じられないという様子で顔を覆うと、ベンチに入った父でありリベルテ監督の竹谷康一氏と涙の抱擁を交わした。
■竹谷美涼選手のコメント
まさか二冠できるなんて自分でも思っていなくて、でも高校1年生なので向かっていく気持ちで最後までできたかなと思います。苦しい試合でも、わざわざ応援に来ていただいている親やチームのみんなのサポートのおかげという、感謝の気持ちを忘れずに最後まで戦うことができたのでよかったと思います。
(決勝の)作戦はとにかく粘ることと、自分はいき過ぎてしまうので、ツッツキを多めに粘って最後決めるみたいな形でできたかなと思います。(今大会を通して)技術的には最初は動きが遅くて全然ダメだったんですけど、最後の方はちゃんと「動いて止まって打つ」ことを一から考えて実践できたことが良かったと思います。
今後の目標は、前回兼吉選手に全日本ジュニアで負けてしまったので、このまま全日本ジュニアで優勝できるように頑張りたいと思います。
2位 兼吉優花(四天王寺)
2位の兼吉優花(四天王寺)は、準々決勝で全日本ジュニアで敗れている面手凛(山陽学園)にリベンジを果たすと、準決勝では同じカット主戦型の山室早矢(桜丘)と促進ルールにもつれ込む接戦を制して決勝進出。
決勝も勝機は多いにある試合展開だったが、竹谷の粘り強いプレーに寄り切られた。優勝はならなかったが、コート狭しと激しく動き回る一般的なカットマン像とは対照的に、優雅な動きで淡々とコートをはうような質の高いカットを繰り出す兼吉のプレーは芸術的で、一幅の絵画のように大会を彩った。
3位 栗山優菜(桜丘)
3位 山室早矢(桜丘)
前回2位の栗山優菜(桜丘)は、3回戦の古賀咲音(滋賀学園)、5回戦の大野沙蘭(希望が丘)と2つのゲームオールをくぐり抜けて準決勝進出。準決勝の竹谷戦では、女子学校対抗の借りを返すべく両ハンドで果敢に攻め込み、2対0とリードしたが、そこから竹谷が気迫を呼び覚まし、逆転を許してしまった。
もう一方の3位は、山室早矢(桜丘)が入った。兼吉には守備力の差で及ばなかったが、準々決勝で昨年優勝の青木咲智(四天王寺)をストレートで破ったプレーと気迫は見事。まだ2年生ということで、来夏の山室のさらなる成長に注目だ。
【ベスト8入りした選手】
青木咲智(四天王寺)
面手凛(山陽学園)
田旻一(桜丘)
髙森愛央(四天王寺)
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詳しい記録は下記大会公式ページまで
https://kirokukensaku.net/0IH24/discipline_060_20240804.html
(取材=卓球レポート)