令和6年度全日本卓球選手権大会(団体の部)が、10月18〜20日まで、滋賀県の野洲市総合体育館で開催される。同大会は、各カテゴリーのトップチームから男女それぞれ12チームが出場し、団体の日本一を争う大会だ。
最終日の10月20日は、男子団体準決勝〜決勝が行われ、ファーストが制し、昨年に続いて連覇を達成した。
【優勝 ファースト】
▼男子団体準決勝
ファースト 3-2 協和キリン
高木和 -10,9,-5,-6 宇田○
○丹羽 7,7,8 松平
○神 7,9,9 渡辺
丹羽 8,-7,10,-9,-5 宇田○
○高木和 7,8,8 松平
シチズン時計 3-0 愛知工業大学
○阿部 -10,-6,3,11,1 横谷
○三部 8,10,2 谷垣
○上村 12,9,9 鈴木
阿部 - 谷垣
三部 - 横谷
▼男子団体決勝
ファースト 3-1 シチズン時計
○丹羽 5,4,11 三部
○神 4,-10,7,7 阿部
高木和 1,-9,-8,-4 上村○
○丹羽 8,-12,6,-9,9 阿部
神 - 三部
群雄割拠の男子を制したのは、昨年に続いてファースト。
全日本実業団でも激戦を繰り広げた協和キリンとの準決勝は、スーパールーキー・宇田に2点を奪われ、またしてもラストまでもつれる激戦になったが、高木和が松平賢二との青森山田対決にストレートで打ち勝って決勝進出を果たす。
決勝では、準決勝で愛知工業大学をストレートで下し、チーム状態の良いシチズン時計と対戦。注目のトップは、丹羽が緩急自在のセンスフルなプレーで三部をストレートで下して幸先良く先制すると、ファイター神もシチズン時計エースの阿部を気迫の両ハンドで振り切って王手をかける。
3番は高木和が上村との打ち合いに敗れて1点を返されるが、4番で丹羽が阿部とのエース対決をゲームオール9本で制し、連覇を達成した。
昨年は高木和、大矢、松平健太の布陣で初優勝を果たしたが、今年は万全ではない松平健太を控えに回し、高木和、神、丹羽のオーダーで挑んだファースト。昨年同様、ベテランと呼んで差し支えない3人だが、高木和は若手に打ち勝ち、神は若手を気迫で圧倒し、丹羽は若手をほんろうした。
若手の台頭はもちろんだが、ベテランの健在もまた卓球界を明るく照らすニュースだ。まだまだ若手には譲らない。そう言わんばかりの3人は、これまで積み上げてきた英知と意地で頂点へと駆け上がった。
■ファースト・濱野浩監督のコメント
全日本実業団で優勝を目指していて準優勝でした。準優勝は良い成績ですが、みんな優勝を目指して悔しい思いをしていたので、ここで優勝できて良かったです。
(勝因は)実業団で非常に悔しい思いをしたというのが一つと、もう一つはオーダーをみんなで考えて、「誰にあたりたい」などチームワーク良く準備できたことが良かったと思います。
みんな苦しい試合でしたが、やはり協和キリンとの試合が1番苦しくてなかなか簡単に勝たせてもらえず、最後の最後まで分かりませんでしたが、選手たちがよく勝ってくれました。
エースの丹羽くんがしっかり勝ち切ってくれたことと、ジンタク(神)も高木和くんもしっかり勝って全員の力で優勝できました。また、控えだった松平健太くんもサポートしてくれて、チームワーク良くできたことが大きかったですね。
企業のナンバーワンを決める全日本実業団で1回も優勝できなくて悔しい思いをして、まさかその上の日本一を2回も取れるとは思わなかったんですが、3連覇を目指して、また実業団初優勝を目指して、これからもやっていきたいと思います。
【2位 シチズン時計】
【3位 協和キリン】
【3位 愛知工業大学】
2位はシチズン時計。先月の全日本実業団では優勝候補に挙げられながら、よもやの初戦負けを喫したが、その衝撃から見事なカムバックを果たした。
ファーストにはあと一歩及ばなかったが、準決勝でインカレ王者の愛知工業大学をストレートで下した試合は見事で、あらためて実業団の雄としての力を示した形だ。
優勝候補の協和キリンは、全日本実業団に続いてファーストに敗れ、3位に終わった。宇田が迫力の両ハンドで2点を奪うも、ファーストの層の厚さに屈した。
もう一方の3位は、愛知工業大学。シチズン時計との準決勝ではトップで横谷が阿部に対し、ゲームカウント2対0リードから逆転負けを喫して流れを失い、2年ぶりの優勝はならなかった。
詳しい記録はこちらから
日本卓球協会内大会サイト:https://jtta.or.jp/tour/24764
(取材=卓球レポート)