WTTファイナルズ福岡が、福岡県の北九州市立総合体育館で11月20(水)〜24日(日)まで開催される。この大会は、男女シングルスの年間ポイントランキング上位16名、男女ダブルスの年間ポイントランキング上位8組が出場し、優勝を争う世界屈指のハイレベルな大会だ。
大会3日目の11月22日は女子シングルス準々決勝が行われ、ベスト4が出そろった。
※写真は勝利後、指でハートマークをつくるスッチ(ルーマニア)
王曼昱(中国) 5,-6,2,8 銭天一(中国)
陳幸同(中国) 3,8,5 平野美宇(日本)
スッチ(ルーマニア) 12,3,5 大藤沙月(日本)
王芸迪(中国) 8,12,-10,7 張本美和(日本)
準々決勝第1試合、王曼昱(中国)対銭天一(中国)の同士打ちは、ゲームカウント3対1で王曼昱が勝利し、ベスト4進出。王曼昱は、銭天一の前陣での厳しいワイドな揺さぶりに対し、台から少し距離を取った両ハンドでペースを譲らず勝ち切った。
昨日の1回戦でポルカノバ(オーストリア)との接戦を制した平野美宇は、同じく昨日の1回戦で絶対女王の孫穎莎を沈めた陳幸同と対戦。
4強をかけた注目の一戦は、スタートから動きの良い陳幸同に対し、平野はなかなかエンジンが上がらない。得意のバックハンドに常にないミスが出て第1ゲームをあっさり落とすと、第2ゲームは中盤まで競り合うも終盤に引き離されて追い込まれる。第3ゲームからばん回したい平野だったが、陳幸同の鉄壁のバックハンドと鋭いフォアハンドの前に勝機を見いだせず、ストレートで敗戦。平野にとって陳幸同は1勝6敗と分の悪い相手だったが、その勝率が表れた試合になってしまった。
スッチ(ルーマニア)対大藤沙月の一戦は、世界ランキングを急速に上げている大藤が優位かと思われたが、スッチが1回戦で早田ひなを下した、完全にしゃがみ込まずに中腰で出す「プチしゃがみ込みサービス」とでもいうべきサービスからの展開で終始ペースを握り、4強に勝ち上がった。
一方、さらに上を目指したかった大藤だったが、スッチがフォア前とバック側深くに出してくるしゃがみ込みサービスに最後まで苦しめられ、勝機を見出せなかった。
好勝負が期待された王芸迪(中国)対張本美和は、予想通りハイレベルなラリー戦になったが、ゲームカウント3対1で王芸迪が勝利。鉄壁のバックハンドを軸に、台上フリックやここぞのフォアハンドを繰り出して張本を寄り切った。
一方、思い切った回り込みをまじえるなどして奮戦した張本だったが、勝利には届かず。「(王芸迪との)前回の対戦で課題として残った部分を今日は少しは克服できたと思うんですけど勝ちにつなげられなかったので、まだまだ足りないなと。ミスの少なさなど土台で及ばないので、及ぶところまで頑張りたいです」と試合後の張本。新たな経験を積んだ張本の次に期待したい。
女子シングルス準決勝のカードは以下の通り。
▼女子シングルス準決勝の組み合わせ
陳幸同(中国) - 王芸迪(中国) -
スッチ(ルーマニア) - 王曼昱(中国)
詳しい記録はこちらから
WTT大会関連ページ:https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=2947
(取材=卓球レポート編集部)