WTTファイナルズ福岡が、福岡県の北九州市立総合体育館で11月20(水)〜24日(日)まで開催される。この大会は、男女シングルスの年間ポイントランキング上位16名、男女ダブルスの年間ポイントランキング上位8組が出場し、優勝を争う世界屈指のハイレベルな大会だ。
大会3日目の11月22日は男子シングルス準々決勝が行われ、ベスト4が出そろった。
※写真は張本智和
ヨルジッチ(スロベニア) 6,8,7 デュダ(ドイツ)
王楚欽(中国) 6,-9,6,9 モーレゴード(スウェーデン)
張本智和(日本) 6,4,8 張禹珍(韓国)
林詩棟(中国) 9,6,7 ダン・チウ(ドイツ)
男子シングルス準々決勝の第1試合は、1回戦で林高遠(中国)を下したヨルジッチ(スロベニア)と、同じく1回戦でF.ルブラン(フランス)を下したデュダ(ドイツ)のヨーロッパ対決になったが、ヨルジッチがデュダを圧倒し、決勝進出。
ヨルジッチは得意のバックハンドの精度もさることながら、アップ系サービスからの組み立てが効果的で、デュダはフリックやチキータで返せばカウンターで狙われ、短く止めようとすれば浮いて打たれる展開から抜け出せなかった。
このラウンド注目の一戦となった王楚欽(中国)対モーレゴード(スウェーデン)は、王楚欽が勝利し、ベスト4へ駒を進めた。
王楚欽は、パリオリンピックで苦汁を舐めさせられたモーレゴードに対し、スタートから気迫全開のフォアハンドでペースを握る。第2ゲームはモーレゴードのトリッキーなプレーに奪われるが、以降は集中力を切らさずに攻め続けてパリオリンピックのリベンジを果たした。モーレゴードも、トリッキーなツッツキやカウンターブロックなど、持ち味の奔放なプレーで見せ場をつくったが、気迫みなぎる王楚欽を崩すまでには至らなかった。
過去の対戦から接戦が予想された張本智和対張禹珍(韓国)は、予想外のストレート決着で張本が勝利し、セミファイナル進出。張本は得意のバックハンドもさることながら、フォアハンドの決定力が冴え渡り、強敵を寄せ付けなかった。
「バランスが良い試合で100点に近い。フォアハンドで得点できるということは、その前のボールで相手の威力を減らしているということ。前のボールでチャンスメイクできていたからこそ、フォアで決めることができました。
今の男子は拮抗しているので、このように3対0で勝つこともあれば、逆もあり得る。ホームで普段通りに練習できていることが好調の要因だと思います」と張本。たくましさが増した両ハンドと地の利を生かし、まずは決勝進出を目指す。
林詩棟(中国)対ダン・チウ(ドイツ)は、ストレートで林詩棟が勝利。林詩棟は、ラリーの早い段階からリスクを負ったダン・チウの攻めに反応すると、先手を取られて台から下げられても盛り返すラリー戦での強さも見せ、隙のないプレーで準決勝に勝ち上がった。
明日行われる準決勝では、張本と対戦する。直近の対戦では、アジア選手権男子シングルス決勝で張本が勝利しているが、その前のWTTチャンピオンズ マカオでは林詩棟が勝っている。実力伯仲の両者は今大会のシングルスでも隙のないプレーを続けているため、白熱の準決勝になりそうだ。
男子シングルス準決勝のカードは以下の通り。
▼男子シングルス準決勝の組み合わせ
王楚欽(中国) - ヨルジッチ(スロベニア)
張本智和(日本) ー 林詩棟(中国)
詳しい記録はこちらから
WTT大会関連ページ:https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=2947
(取材=卓球レポート編集部)