WTTファイナルズ福岡が、福岡県の北九州市立総合体育館で11月20（水）〜24日（日）まで開催される。この大会は、男女シングルスの年間ポイントランキング上位16名、男女ダブルスの年間ポイントランキング上位8組が出場し、優勝を争う世界屈指のハイレベルな大会だ。
大会4日目の11月23日は女子ダブルス決勝が行われ、橋本帆乃香／佐藤瞳（日本）が大藤沙月／横井咲桜（日本）との同士打ちを制し、初優勝を果たした。
※写真は優勝を決めて抱き合う橋本帆乃香／佐藤瞳
橋本帆乃香／佐藤瞳（日本）
5,10,8
大藤沙月／横井咲桜（日本）
女子ダブルス決勝は、橋本帆乃香／佐藤瞳対大藤沙月／横井咲桜の日本勢による同士打ちになった。両ペアは単に日本勢というだけでなく、同じミキハウスに所属し、Tリーグでは現在首位を走る日本ペイントマレッツに所属するチームメートでもある。
手の内を知る両ペアの試合は、第1ゲームの序盤、大藤／横井がペースを握るが、橋本／佐藤が徐々に大藤／横井の攻撃に慣れてカットで拾い始め、橋本／佐藤が第1ゲームを先制する。
第2ゲームも橋本／佐藤のカットが冴えて大量にリードするが、決勝まで来て簡単に引き下がれない大藤／横井がじわじわと追い上げ、ジュースに追い付く展開。橋本／佐藤としては逆転で取られると嫌な流れになる勝負どころになったが、ここで大藤／横井の猛攻をカットでしのぎ、反撃を決めるスーパープレーで踏みとどまり、2ゲームを連取して王手をかける。
すると、第3ゲームは、「打っても打っても何本も返ってきて、とにかく強かったの一言です」と大藤／横井が口をそろえて脱帽したように、橋本／佐藤のカットにいよいよミスが出なくなり、ストレート勝利で優勝を決めた。
「まだファイナルズで優勝したという実感がないんですけど、とても嬉しいです。勝てたポイントとしては、2ゲーム目の大量リードから追いつかれた場面でなんとかジュースで取り切ったことが、結果、3対0で勝てたところかなと思います。
カットマンというのはやっぱりなかなか勝ちきれなかったり1回勝っても次には対策されて負けてしまったりと、なかなか思うような形で進まない時も多かったです。私は27歳で（橋本が）26歳でベテランの域には来ていますが、あきらめずにやり続けてきたことでこうして今結果がついてきているので、カットマンに限らず若い選手たちには、『うまくいかなくてもあきらめずにやり続ければチャンスは来るんだよ』いうことは伝わったかなと思います／佐藤」
「実感は全然ないんですけど、開催地が日本ということもあって、この場所で優勝することができて本当に嬉しく思います。
カットマンでは勝てないという印象があったり、今の速い卓球ではカットマンじゃ難しいと言われる時代になってきていると思うんですけど、ダブルスではありましたが、こうして同士打ちという少し不利な形でも優勝することができたので、同じカットマンの方、これから始めようとしている方に少しでも勇気は与えられたんじゃないかなと思います／橋本」
試合後のインタビューで優勝の喜びを語りつつ、カット主戦型としての思いを明かしてくれた橋本と佐藤。
初戦（準々決勝）で優勝候補の大本命と目されていた孫穎莎／王芸迪（中国）、準決勝で同じく優勝候補の銭天一／陳幸同（中国）、そして決勝では、カット主戦型にとって分が悪いとされる大藤／横井との同士打ちをカットで拾い倒したプレーには、二人がこれまでカット主戦型として歩んできた競技人生の矜持（きょうじ）がにじんでいた。
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WTT大会関連ページ：https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=2947
（取材＝卓球レポート編集部）
