2025年（令和6年度）全日本卓球選手権大会（一般・ジュニアの部）が1月21日から26日まで東京体育館で開催される。
これまで全日本卓球選手権大会（以下、全日本）は、シングルスとダブルスを一斉に開催していたが、今年と来年の2026年大会はシングルスとダブルスが分離開催され、シングルスは東京体育館（東京都）で1月21日から26日まで、ダブルスはスカイホール豊田（愛知県）で1月30日から2月2日にかけて開催される。
シングルスの大会5日目は女子シングルス準々決勝が行われ、ベスト4が決定した。
※写真は伊藤美誠（スターツ）
▼女子シングルス準々決勝の結果
早田ひな（日本生命） 5,7,10,-8,5 芝田沙季（ミキハウス）
大藤沙月（ミキハウス） 8,9,12,-2,10 井絢乃（中国電力ライシス）
伊藤美誠（スターツ） -8,7,5,-6,-7,10,6 平野美宇（木下グループ）
張本美和（木下グループ） -9,11,-9,10,4,6 山﨑唯愛（サンリツ）
三連覇を狙う早田ひな（日本生命）対芝田沙季（ミキハウス）の試合はゲームカウント4対1で早田が勝利し、準決勝へ駒を進めた。
ラリーに強い両者だけに激しい打ち合いが予想された一戦だったが、早田がラリーの早い段階から厳しい攻めと巧みなコース取りで主導権を握り、大きなラリー戦になっても芝田に打ち勝つ盤石の強さで難敵を退けた。
■芝田沙季選手のコメント
「去年、全日本で当たって負けているんですけど、その時よりも1点がさらに遠いなと感じました。ボールの質の部分で、今までは（早田が）ガンガン打ってきたのに対して、こちらがグッと行く形がちょっとハマって点を取れていたのが、ちょっと距離を取ってギュンギュンとすごい回転が多いボールで、ミスもしない。腕の状態とかもあると思うんですけど、そこが逆にやりづらかったというか、ボールの質がいつもと違ったので対応がちょっと遅くなった感じがします。バックハンドもフォアハンドもそうで、いつもはもっと低い軌道のイメージでしたが、そこが違ったので慌ててしまいました。
状態は悪くないというか、少しずつ練習していることが形になってきて、試合でも手応えはつかんできてはいるんですけど、やっぱり今日負けた試合のように戦術の変更で遅れたりしてしまうところはまだまだ課題だなと思います。全体的には少しずつ良くなってきていると思うので、引き続きやっていけたらいいかなと思います」
第2シードの張本美和（木下グループ）対シード下から勝ち上がってきた山﨑唯愛（サンリツ）の試合は、張本優勢と見られていたが予想外の接戦になった。
試合がスタートすると、序盤は張本優位で進むが、中盤から山﨑が巻き込みサービスからのスマッシュと、ブロックを主体としたバックハンドで得点を重ねて第1ゲームを先制すると、焦りが見られる張本のミスも重なって山﨑がゲームカウント2対1とリードする展開。第4ゲームもジュースまでもつれ、ここを落とすとあとがなくなる張本だったが、なんとか踏みとどまってタイに戻すと、山﨑のサービスに慣れ、フォア攻めも効いた張本が第5、第6ゲームも連取。中盤までは押され気味の張本だったが、さすがの対応力で準決勝へ進出した。
一方、張本越えはならなかった山﨑だが、鮮やかなブロックと相手コートに突き刺すスマッシュで大きな存在感を放った。
■山﨑唯愛選手のコメント
「全日本でベスト8に入ったのは初めて。ジュニアの時も最高がベスト32だったので、こういう舞台で戦えたことは良い経験になりました。相手は張本美和選手で、パリオリンピックでも活躍されているし、今の卓球界で活躍されている選手なので向かっていく気持ちだけだったんですけど、2ゲーム目と4ゲーム目に競ったところで取れなかったのが敗因だと思います。やっぱり張本選手はボールの質も違いますし、今日の試合でいろいろ張本選手からも学ぶこともありました。自分の中ではここまで来れると思っていなかったので、張本選手と試合ができたのは、すごく良い経験になりました。自分の武器はサービスだと思っているので、自分が日本のトップ選手にサービスが効くんだというところでちょっと自信がつきました。
日本リーグで2年目ですが、まだ団体戦にしか出たことがないので、チームの団体戦では日本リーグ優勝を目標にして、個人では来年も大きい大会で今回以上に結果が出せるよう頑張りたいと思います」
目覚ましい躍進を続ける大藤沙月（ミキハウス）と日本リーグの実力者・井絢乃（中国電力ライシス）の準々決勝は、4対1で大藤が勝利。各ゲームとも競り合ったが、躍動感あふれる両ハンドと要所でレシーブから狙い撃ちする読みの良さも発揮して退けた。
昨日の6回戦で昨年4強の横井咲桜（ミキハウス）を下した井も、大藤を上回るようなバックハンド強打で場内を沸かせたが、1ゲームを奪うにとどまった。
■井絢乃選手のコメント
「自分の最終目標が全日本8だったので達成できたことは嬉しいですが、やっぱり8に入ったら入ったで負けると悔しいなって。中電（中国電力ライシス）として出る最後の大会だったので、自分自身の一番良い成績を残せたことはすごく嬉しくて、この舞台で戦えたことも、本当に幸せだなって思います。楽しもうという気持ちが強くて、緊張もあってプレッシャーの中で戦ったんですけど、それよりも思い切って楽しんでこの舞台を戦えたのが良かったかなと思います。和田さん（中国電力ライシスの和田圭輔コーチ）に入ってもらう最後のベンチだったので、恩返ししたいなって思っていました。
（大藤は）ラリーの時に前でも後ろでも無理しない安定感がすごいし、長いサービスを出して下がってカットしてくるとか、そういう多彩な技もあってすごいなって思います。
今後は海外に行きたいんですけど、まだはっきり決まっていません。日本の試合も出るかもしれないですけど、楽しみながらやりたいと思います」
昨年、し烈なパリ五輪女子シングルス代表争いを繰り広げた伊藤美誠（スターツ）対平野美宇（木下グループ）の一戦は、予想通りの大激戦になった。
多彩な技で仕掛ければ伊藤、体勢十分で回転をしっかりかけ、伊藤にブロックさせれば平野という構図で互いがゲームを奪い合いながら進んだ試合は、平野が3対2とリードした第6ゲーム、10-8とマッチポイントを握る。勝負あったかに思われたが、「めちゃくちゃ勝ちを意識したわけじゃないけど、プレーは勝ち急いでしまったのかな」と本人が悔いるように、やや丁寧になった平野のボールを伊藤が速攻で狙って第6ゲームを奪い返して追い付くと、最終ゲームは出足からラストスパートをかけて平野を突き放し、逆転勝利を収めた。
多彩な技でゲームを支配し、畳み掛ける速攻で仕留める本来のプレーが戻ってきた伊藤。明日の準決勝では張本と対戦するが、どんな戦いぶりを見せるのか注目だ。
■平野美宇選手のコメント
「あと1点だったんですけど、そこから1点が取れなかったのはすごく課題なので、突破できなかったなと思います。
（マッチポイントを握って）めちゃくちゃ勝ちを意識したわけじゃないんですけど、プレーは勝ち急いでしまったのかなと思います。向かっていく気持ちで臨んだんですけど、やっぱり3対2の時は挑戦者の気持ちをちょっと忘れて勝ちたいっていう気持ちが上回ってしまったのかな。勝つチャンスだったのですごく悔しいですけど、勝つチャンスがあって負けてしまう時もあるので、それのどこが良くないのかをしっかりしないと、また同じになるなと思います。
パリが終わってまた一からの全日本だったのですごくいい収穫もありましたが、今日は勝ちたかったなっていうのがすごく強いです。
まずは今日の試合を反省して世界選手権だったり、シンガポールもあるので、一つ一つ課題を克服できるように頑張りたいです」
▼女子シングルス準決勝の組み合わせ
早田ひな（日本生命） - 大藤沙月（ミキハウス）
伊藤美誠（スターツ） - 張本美和（木下グループ）
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詳しい試合の結果は日本卓球協会大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球：https://www.japantabletennis.com/AJ/result2024/
