1. 卓球レポート Top
  2. 大会
  3. 国内大会
  4. 2025年全日本卓球 男子シングルスは17歳の松島が初優勝

2025年全日本卓球 男子シングルスは17歳の松島が初優勝

 
  2025年(令和6年度)全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)が1月21日から26日まで東京体育館で開催される。
これまで全日本卓球選手権大会(以下、全日本)は、シングルスとダブルスを一斉に開催していたが、今年と来年の2026年大会はシングルスとダブルスが分離開催され、シングルスは東京体育館(東京都)で1月21日から26日まで、ダブルスはスカイホール豊田(愛知県)で1月30日から2月2日にかけて開催される。
 シングルスの大会最終日は男子シングルス決勝が行われ、松島輝空(木下グループ)篠塚大登(愛知工業大)をゲームカウント4対1で下し、初優勝を果たした

17歳の松島が初優勝!

持ち味のバックハンドに加え、強烈なフォアハンドで頂点をつかんだ

優勝を決め、会場で声援を送ってくれた家族や木下グループのチームメートやスタッフたちと

篠塚は松島の猛攻に押され、初優勝ならず


▼男子シングルス決勝の結果
松島輝空(木下グループ) 9,9,3,-6,3 篠塚大登(愛知工業大)

 決勝は、準決勝で優勝候補の張本智和(智和企画)を下した松島輝空(木下グループ)と、準々決勝で宇田幸矢(協和キリン)、準決勝で谷垣佑真(愛知工業大)と強打者を連破した篠塚大登(愛知工業大)のカードになった。両者は昨年の全日本の6回戦でも対戦しており、そのときはゲームオール9本という僅差で篠塚が勝利している。
 どちらが勝っても初優勝がかかる試合は、スリリングな打ち合いで幕が開く。張本戦の松島の出来から安全にいっては勝機は薄いとみたのか、篠塚が序盤からアグレッシブに攻め立てるが、松島も張本戦で見せた強烈なフォアハンドドライブとカウンターで堂々と打ち合い、9-9オールまで競り合う展開。しかし、ここで篠塚にミスが続き、松島が先制する。
 第2ゲームもロングサービスやチキータからの高速ラリーを繰り広げながら競り合うが、松島に2ゲーム連取されるときつい篠塚が9-8リードから9-9に追い付かれたところで必奪を期してタイムアウトを選択する。これを機にタイに追いつきたかった篠塚だったが、しかし、このタイムアウトが実らず、松島が篠塚のチキータを狙い打って第2ゲームも制する。結果的に、篠塚はこのゲームを物にできなかったのが大きく響いた。
 2ゲームを連取して勢いに乗った松島は、まるで来るコースがあらかじめ分かっているかのような万全な体勢からの強烈なフォアハンドドライブで篠塚を圧倒し、第3ゲームも物にして勝利に王手をかける。
 第4ゲームは、このまま終われない篠塚が意地で返すが、第5ゲームは再びゾーンに入った松島が面白いように強打を決めて篠塚を圧倒。篠塚のフォアハンドドライブがコートをオーバーして勝利を決めると、両手を高々と掲げて親指を立て、初優勝の喜びを表現した。
 最近の松島のプレーと実績からすると優勝は大きな驚きではないが、それを差し引いても、抜群に守備がうまい張本や篠塚がさわれないほどの狙い澄ました一撃フォアハンドドライブと、それを可能にする予測能力は驚嘆の一言で、今大会で一気に覚醒した感がある。インタビューでの受け答えも堂に入ったもので、まだ17歳の松島が、これからどんな成長曲線を描いていくのか。期待と楽しみしかない新チャンピオンの誕生だ。

■松島輝空選手のオンコートインタビュー
-初優勝、今どういった思いですか?
 目標としていた優勝なんですけど、でも本当に優勝できるとは思ってなかったですし、今本当に嬉しいです。

--この決勝も攻め続けました。いかがでした?
 1試合1試合が本当に強い選手ばかりで、準決勝、決勝はもう攻めるしかないと思ったので、1球目から強く攻める気持ちで頑張りました。

--第2ゲームは中盤まで相手にリードを許す展開ではありましたけれども、ロングサービスを交えての逆転。あの第2ゲームはどうでした?
 あのゲームは取れないとは正直思っていたんですけど、最後ロングサービスという自分の一番得意な3球目から攻めることができて良かったと思います。

--それにしても相手がさわることができないような強烈なショット、素晴らしいですね。
 ありがとうございます(照)

--そのプレーに多くの観客の皆さんも楽しんだと思いますよ。
 ファンの、多くのお客さんのおかげで良いプレーできたと思うので本当に感謝します。

--この大会は準決勝で張本選手、決勝で篠塚選手、パリオリンピックを戦った2人を破っての優勝となりました。どう感じますか?
 パリオリンピックで自分が出場できなくて悔しい思いをしたので、どこか大舞台で自分が倒したいと思っていたので、ここでしっかり倒して良かったと思います。

--試合中は妹さん含め、ご家族の方がずっと大きな声で声援を送っていました。聞こえていましたか?
 聞こえてました。本当にありがたいです。

--さあ、17歳で初優勝。パリで悔しい思いをして、次のロサンゼルスへの思いもあるかと思いますが、この先はどんなところに松島選手は未来を描いていますか?
 まずは1大会1大会は本当に大事ですし、もちろんロス、しっかりと自分がシングルスで出るっていう気持ちを持って、今後も頑張っていきたいと思います。

 

 2位の篠塚はパリ五輪日本代表の力を示して決勝まで勝ち上がったが、ゾーンに入った松島の猛攻を浴びて初優勝はならなかった。「ちょっと差を感じたような試合だったので、悔しさというより結構すっきり終わった」と松島の強さに脱帽しつつも、「何回も負けるわけにはいかないので、次は勝てるように自分の課題と見つめ合ってやっていきたい」と雪辱を誓った。
 初優勝はならなかったが、この敗戦が天才肌の左腕にとって刺激になったことは間違いないだろう。その刺激が実となって現れるのを心待ちにしたい。 


卓レポXでは大会の速報をお届けしています。

詳しい試合の結果は日本卓球協会大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:https://www.japantabletennis.com/AJ/result2024/

\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■大会の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■大会の新着記事