プロ卓球 Tリーグ2024-2025 女子ファイナル
2025年3月23日、ノジマTリーグ2024-2025シーズンのプレーオフ2日目、第2試合は女子のシーズン王者を決める戦い。
3年ぶりのファイナル進出で初制覇を狙うレギュラーシーズン1位の日本ペイントマレッツと、2年ぶりの王者を目指すレギュラーシーズン2位の木下アビエル神奈川とが対戦した。
1番ダブルスは日本ペイントの横井／大藤が先勝
日本ペイントのダブルスは世界ランキング1位の横井咲桜／大藤沙月、木下は昨年度の全日本王者・木原美悠／長﨑美柚という実力者同士の対戦となった。
試合は立ち上がりから横井／大藤がワールドクラスの連係攻撃で8対3とし、第1ゲームを先行する。盛り返したい木原／長﨑は4対8とリードするが、打ち合うとミスが出ない横井／大藤が追いかけて9対9。ここでも横井／大藤がラリーで強さを発揮して2ポイントを連取し、日本ペイントが貴重な先取点を手にした。
2番、張本美和が緊迫のラリーで橋本のカットを攻略
幸先良く先行した日本ペイントはカットの橋本帆乃香を投入。巻き返したい木下は張本美和に託す。
試合は序盤から長丁場の様相。張本は橋本の広い守備範囲のカットを深追いせず、ジワリとループでチャンスをうかがう。橋本はつなぎボールで変化ツッツキを混ぜて応戦して8対8。張本リードの9対10から息をのむ長いラリーを制して第1ゲームを先行。しかし、第2ゲームは張本の集中力が落ちた所を見逃さず、橋本が6本連取して引き離し、1対1に戻す。第3ゲームは橋本に凡ミスが続いて0対4も、巻き返すべく反撃を交えて4対6とし、張本がタイムを入れる。ここで気持ちを引き締めて猛然と攻勢を仕掛けて4本連取し、2対1とリードした。
長引かせたくない張本は第4ゲームの立ち上がりから緩急を駆使したカット攻略で2対4。このまま持って行かれたくない橋本は張本のフォアに反撃を繰り出し4本奪って6対4とひっくり返す。流れを渡したくない張本は、慌てず長いラリーに持ち込んで7対7に追いつくと、日本ペイントがタイムで止めにかかる。しかし動じない張本がじっくりラリーを展開し、粘る橋本を振り切った。
結局、張本が3対1で橋本を下して1点取り返し、木下が星を五分に戻した。
3番、平野美宇が鮮やかな強打を決めて、木下が王手
3番は順位アドバンテージで事前に木下のオーダーが開示され、平野美宇の出場が公表された。日本ペイントは今シーズンの平野に唯一黒星を付けている佐藤瞳を当ててきた。
試合は佐藤がいきなりサービスエースを2連続で決める驚きのスタート。しかし、今日の平野はそんなことでは動揺しない。サービスエースをお返しすると3球目でバックドライブをクロスに打ち抜いて追いつく。平野はミドルからバックに打ち抜いて6本連取して第1ゲームを先取した。第2ゲームも平野がクロスにスマッシュを決めて3本連取すると、中盤にも6連取して一気に勝負を決めにかかる。
平野の猛攻に押された佐藤だが、ようやく距離感をつかんで5対2とリード。しかし平野は広角に緩急を使って5対5に追いつくと、あっという間に抜き去って6対10とマッチポイントを奪うが、ここでまさかの促進入り。動揺した平野にミスが出て9対10となるが、最後はきっちり締めて強敵を完封した。
これで木下が星を2対1とし、王座奪還に王手をかけた。
4番、同級生対決で木原が大藤を振り切り、木下が2年ぶりのＶ
4番は日本ペイント大藤、木下・木原という20歳の同級生対決となった。
王手をかけられた日本ペイントだが、大藤は臆することなく両ハンドを目まぐるしく振り回し、8対3と引き離して先行。第2ゲームはバックサイドの打ち合いで競り合うが、8対8から大藤が木原のミドルを揺さぶって、早くも2対0とした。
このまま押し切って5番への流れを作りたい大藤が4ポイント連取で5対2とする。後がなくなった木原、開き直って上から叩いて4本取り返すとバックハンドを左右に散らしてなんとか1ゲームをもぎ取った。第4ゲームは攻める木原、盛り返す大藤の展開で8対8。ここでも木原が強気で攻めて、なんとかゲームオールに持ち込んだ。
こうなると追いかけた側のペース。6対6から始まるTリーグ特別ルールの最終ゲーム、木原が押し込んで7対8で大藤がタイムで止めにかかる。しかし攻めの気持ちを切らさない木原が立て続けにポイントし、木原が大藤に0対2からの大逆転劇を成功させた。
この結果、木下が日本ペイントに3対1で勝利を収め、2年ぶりにTリーグチャンピオンの座を奪い返した。
女子ファイナル
木下アビエル神奈川 3ｰ1 日本ペイントマレッツ
木原美悠／長﨑美柚 0(-7,-9)2 横井咲桜／大藤沙月○
○張本美和 3(9,-7,6,9)1 橋本帆乃香
○平野美宇 3(6,7,9)0 佐藤瞳
○木原美悠 3(-8,-8,7,9,7)2 大藤沙月
