プロ卓球 Tリーグ2024-2025 男子ファイナル
2025年3月23日、ノジマTリーグ2024-2025シーズンのプレーオフ2日目、第1試合は男子のシーズン王者を決める。
2年ぶりの王者を目指すレギュラーシーズン1位の琉球アスティーダと、前日のセミファイナルで岡山リベッツを下したレギュラーシーズン2位のT.T彩たまが対戦した。
1番ダブルスは彩たまの小林/有延が先勝
ダブルスは琉球が吉村真晴/趙勝敏、彩たまは小林広夢/有延大夢。吉村/趙は今シーズン4勝負けなしで、11月の彩たま戦でも小林/有延に勝利している。
しかし、ファイナルで代々木第二体育館の独特の雰囲気の中、琉球ペアに硬さが見られる。昨日この場を経験している彩たまペアが流れをつかみ、第1ゲームを先行する。第2ゲームは広角に戦う琉球ペアとパワーで押す彩たまペアが互角に競り合いで9対9となるが、小林の攻めにミスが出て琉球ペアが追いついた。
最終ゲームは6対6から。追いつ追われるでジュースとなるが、彩たまペアの勝ちたい気迫が上回り、2本連取して貴重な先取点を挙げた。


2番、激しい速攻合戦は張本が曽根に競り勝つ
先行された琉球はエースの張本智和を投入。一方の彩たまはパワープレーが持ち味の曽根。立ち上がりから曽根がチキータとカウンターで攻め込むが張本がうまくブロックしてミスを誘って先行する。第2ゲームもミスがない張本が4対1とするが、ここから曽根のチキータが決まりだし、気がつくと7対9。このまま曽根が押し切って五分に戻した。
まさかの展開となった張本。第3ゲームは引き締めて6対0、10対2とするが、ここでも曽根が破壊的な強打を放って6本連取で10対8に。ここを取られると行けない張本がタイムで流れを断って、なんとかこのゲームを確保した。
これで落ち着いた張本はまたも立ち上がりから5ポイント連取。点差が開くと曽根劇場が幕を開け、4本連取を含めてジリジリと追いすがり、ジュースに持ち込むと、ブロックとカウンターを交えて押し込んで、大逆転でゲームオールに追いついた。
まさかまさかの展開で最終ゲームにもつれたが、今度こそ張本が試合を引き締める。6対6からのスタートで4ポイント連取して熱戦に終止符を打った。
これで琉球が1点取り返し、星を五分に戻した。


3番、野田学園の先輩後輩対決は有延が快勝
3番は順位アドバンテージで事前に彩たまのオーダが開示され、有延大夢の出場が公表された。琉球は今シーズンは有延に2勝している吉村真晴を当ててきた。
野田学園高の先輩・後輩の両者の対戦は意外な形でスタートする。立ち上がりから有延が猛スパートして7本連取する展開。あまりの好スタートに拍子抜けしたのか、ここから凡ミスが出て吉村に隙を与えて10対9となる。このチャンスに吉村がミスして、辛くも有延が先行する。続く第2ゲームはバックサイドの打ち合いで一進一退となるが、吉村が有延のフォアを突いて競り勝ち、1対1に戻した。
流れが良くない有延は吉村をバックに詰める展開に活路を見いだし2対7としてこのゲームを奪うと、第4ゲームも中盤の競り合いからフォアで押し込んで一気に勝負を決めた。
これで彩たまが星を2対1とし、優勝に王手をかけた。


4番、サウスポー対決で宇田が篠塚を下し、彩たまが初の栄冠
4番は実力者のサウスポー対決。琉球はパリオリンピック日本代表の篠塚大登。彩たまは元全日本王者の宇田幸矢を起用。直近の全日本では篠塚が宇田に競り勝っている。
試合はバックサイドを軸に展開する篠塚と、全面をチキータでカバーして左右に動く宇田の打ち合いで互角。9対10から宇田が低い姿勢からループで粘って先行する。第2ゲームは篠塚が8対3と大きくリードするが、宇田がバックドライブからの展開で8対8に追いつく。万全に打たれるときつい篠塚は、早めにフォアを潰して3本連取し、なんとか1対1とした。
第3ゲームは宇田が広角にせめて9対6とするが、篠塚が盛り返して10対9と競り合う。この場面で宇田が左右に踏ん張りを見せ、栄冠に王手をかけた。しかし負けられない篠塚が第4ゲームは攻守で圧倒し、ゲームオールにもつれる展開。
6対6からの最終ゲーム。ここでスタートを見せたのは宇田だった。強い気持ちで先手を取り、一気に4本連取して引き離し、宇田が篠塚に3対2競り勝った。
この結果、彩たまが琉球に3対1で勝利を収め、悲願の初優勝を手にした。
男子ファイナル
T.T彩たま 3ー1 琉球アスティーダ
○小林広夢/有延大夢 2(6,-9,10)1 吉村真晴/趙勝敏
曽根翔 2(-5,8,-8,13,-7)3 ○張本智和
○有延大夢 3(9,-9,4,6)1 吉村真晴
○宇田幸矢 3(9,-8,9,-7,7)2 篠塚大登


