最初から『テナジー』を使えば自然と回転をかけて飛ばす打ち方が身につく。明らかにその方が効率的です
橋津が「選手たちが一番気にする」と語る、ボールの「上がり」とは一体どういうことなのか?
回転がかからないラバーを使うと、ラケットをかぶせて打つときにボールが落ちてネットにかかってしまうため、よりフラット(垂直)に近いラケット角度で打球することになる。そうするとボールの回転量が少ない、質の低いボールになり、打球が弧線を描かないために安定性も低くなる。
一方、『テナジー』で打球すると、かなりラケットをかぶせて、水平に近い「鋭角」なラケット角度でスイングにしてもボールが落ちない。それだけ回転量が多く、厳しいボールが打てる。
「鋭角なラケット角度でボールを捉えられるようになってから、ボールの質が高くなって格上の選手にも勝てるようになった」。橋津がそう評するのは、野田学園高1年の戸上隼輔だ。素晴らしいスイングスピードから放つパワードライブのスピードは超ジュニア級。昨年の全日本選手権大会団体の部では、実業団・大学の強豪選手を連破し、JOCエリートアカデミーの宇田幸矢・張本智和とともに、男子ジュニアナショナルチームの準優勝に大きく貢献した。
戸上が中学2年で野田学園中に転校してきた当時は、ボールをたたく癖があり、ボールの回転量は決して多くなかったという。『テナジー』に変えてすぐの頃は、回転性能をうまく制御できず、ボールが上に飛び出しすぎてオーバーミスの連続だった。そこから少しずつ、鋭角なラケット角度のスイングを身に付けていくことで飛躍的に伸びた。
台上プレーについても、『テナジー』を使うことのメリットは大きいと橋津は説く。例えばストップなら、確実に入れるだけではなく、ガツンと切って止めるストップができる。
『テナジー』で鋭角なスイングを身に付け、飛躍的に伸びたと橋津が評する戸上隼輔
仙台育英学園高時代に橋津の指導を受けた岸川聖也(ファースト)も、小さく切るストップや低く速いツッツキが台上での大きな武器だ。「聖也のストップも、技術力はもちろんですが、やはり『テナジー』ありきだと思いますね。回転のかからないラバーを使うと、ストップを切ろうとしてもボールが引っかからず、ポコンと浮いてしまいますから」(橋津)。
野田学園高には現在、竹﨑千明と橋本輝というふたりのカット型の選手がいるが、ともにフォア面に選ぶのは攻撃型と同様、『テナジー05』のトクアツだ。プラスチックボールになってカットの回転量が落ちたことで、カット型にはさらなる攻撃力が求められる。「どうやって守るか」だけではなく、「どうやって得点していくのか」を考えたとき、やはり使うラバーは『テナジー』に絞られていく。
橋津は現在、ジュニアのトップ選手だけでなく、地元・山口の小中学生も定期的に指導している。
初・中級の選手であっても、最初から良い用具を使うべきだというのが橋津の持論だ。用具を初級者用、中級者用と分けて考える必要はないと彼は言う。
「手が小さい子どもの選手がグリップの細いラケットを使ったり、筋力がない選手が重量の軽いラケットを使ったりするのは理解できます。でも、ラバーはどうでしょうか。よく『軟らかいラバーで始めましょう』と言う人がいるけれど、それだとフラットに打っても入ってしまう。
最初から『テナジー』を使えば、回転をかけないと十分に飛ばないから、自然と回転をかけて飛ばす打ち方が身に付いていく。明らかにそのほうが効率的です」