前号までに、速攻型、カット型、ドライブ型と対戦した時の前半戦の戦い方を紹介した。あのような作戦で戦えば、前半戦でリード、または互角に戦え、後半戦で勝ちやすい。たとえリードを奪われても、逆転できる。
とはいえ、前半戦でリードを奪われれば、やはり苦しい。いくら作戦がよくても、作戦どおりに体が動かず前半戦で大量のリードを奪われてしまえば、後半のばん回も及ばない。
実際の試合を見ても「前半戦の戦い方(試合運び)がへたで損をしているなー」と感じるのと同じぐらい「スロースターター(調子のでるのが遅い人)損をしているなー」と感じる。
そこで今回は、前半から快調にプレーをするためのウォーミングアップ法を紹介しよう。たち上がりからよいプレーができれば、前回までの作戦もスムーズに運べることだろう。
大切なウォーミングアップ
ウォーミングアップの必要性については、今までにも何回か述べたが、前半戦でよい戦いをするためには特に重要なことである。いくらよい前半戦の作戦をたてても実際にその通りにできないのでは「机上の空論」になってしまう。
読者の中にも「寒い朝一番の試合で全く調子のでないうちに負けてしまった」経験のある選手がいることだろう。私にも経験がある。しかし、調子を出せないのも実力のうち。試合は朝起きた時からもう始まっている。体を暖めるだけでなく、気持ちも、技術も、作戦も最高の調子で前半戦が戦えるようにウォーミングアップしよう。
作戦のウォーミングアップ
まず頭(作戦)のウォーミングアップである。
対戦する相手が分かっている場合は、前回までに述べた作戦を基本に、当日の朝、作戦の確認をする。
相手が分からない場合は、速攻、カット、ドライブに対する基本的な作戦を確認し、第2試合からは、次に対戦する相手のプレーを見て作戦をたてる。試合が始まるまでは細かく作戦をたてておく。そして試合が始まったら、今度は試合前にたてた作戦にこだわらず、試合を実際にやってみて一番いい作戦を改めてたてる。これが一番いいやり方である。事前に作戦のウォーミングアップをしていないと「ここ1本」の時に何をやったらいいかひらめかないし、かといって実際に試合をしてみると、試合前の予想とは違うことが多い。あまり作戦にこだわりすぎるのも敗戦につながる。
私の経験から言うと、作戦をしっかりたて、試合前に作戦のウォーミングアップをしておくと、実力が自分より上の選手にも勝てる。
私が大学1年で全日本初優勝した昭和40年。前年度チャンピオンの木村興治選手(左腕ペンドライブ型。早大→ゼネラル石油)が強く。私は一度も勝てなかった。そこで全日本の1ヵ月ほど前から、対木村作戦を考え始めた。歩きながらも研究し、当日も作戦のウォーミングアップをした。そのおかげで、前半戦から木村選手のサービス、レシーブ、コースがよく分かり、決勝戦で初めて木村選手を3-1で破って優勝することができた。
自分より強い選手に勝ちたいと思うなら、作戦のウォーミングアップを十分にしなくてはならない。
心のウォーミングアップ
試合当日の朝、そして試合の前に必ずやっておくべきウォーミングアップが「心のウォーミングアップ」である。
作戦が良く、体、技(わざ)のウォーミングアップが十分でも心(気持ち)が委縮(いしゅく)していたのではよいプレーはできない。試合の前半から思い切ったプレーができるように、心のウォーミングアップをしておくべきである。
「元気を出してやる」「勝敗にこだわらない」「油断をしない」「相手に教えてもらうつもりで思い切ってやる」...等の試合に対する心構えを卓球ノートに書きためておき、体のウォーミングアップの前に読み返す。そして体のウォーミングアップをしながら、ノートの内容を頭の中で反復し、いい試合ができるように自己暗示をかける。そうすると試合の立ち上がりから良い精神状態でプレーでき、苦しい場面になってもその言葉(良い精神状態)を思い出すことができる。
私もこの卓球ノートでどれぐらい助けられたかわからない。試合では、作戦、体力、技術も大事だが、何といっても心の持ちかたが一番大切。試合の出足であがってしまったり、勇気をもってプレーできないのでは、普段の半分の力も出せない。いくら良い作戦をたてても勝てるものではない。
常日頃から自分が一番良い状態でプレーできる"心に残る言葉"を卓球ノートに書きためておく。そして試合前にそれを読み返して心のウォーミングアップをする。こうすればいままで試合で自分の力が出しきれなかった選手も、前半戦から好調なプレーができるようになる。
体のウォーミングアップ
体のウォーミングアップはほとんどの選手がやっていることだろう。
しかし、意外と多いのが軽い体操程度で試合に臨む選手。これでは不十分である。
次の対戦相手が2~3本で勝てる相手で、しかも自分は体の調子が悪く体力を残しておきたい、などという特別な例を除き、もっと量をふやさなくてはいけない。
朝、寒さにふるえながらボールを打ち始める時と、フットワークや練習をやり込んで汗を流し、体が熱くなっている時とどちらが良いプレーができるかはっきり分かるだろう。
試合をやりながら調子を出せばいい、と考えるのは、まだまだ勝負に甘い選手。試合ではどんな相手といきなり当たるかも知れず、互角の相手であれば前半戦の数本の差がそのまま試合の勝ち負けにつながるケースも多い。まして油断があったのでは弱い相手にも負けてしまう。
理想をいえば、体力のある状態で十二分にウォーミングアップをし、ベストの状態で試合に臨むこと。しかしトーナメントで試合が連続してある場合などはトレーニングのやり過ぎで疲れ、逆効果になる恐れもある。
そこで日頃から、自分の体力、体調をよく把握し、大会の状況にあわせて体のウォーミングアップの量を決める。基本は、朝の1~2回戦のウォーミングアップは多く、調子のでてきた午後は少なめにするということだが、体力があればあるだけ十分なウォーミングアップができる。日頃のトレーニングが大切なゆえんである。
私の現役時代のウォーミングアップを例にあげると、初戦は体操をみっちりやった後、300m程度の軽いランニング、20mダッシュ5本、もも上げ30回×3、体の横振り20回×3、それに柔軟体操とシャドープレー。勝ち進むにつれ少なめにして、準々決勝以降は休憩時間の長さと体力の回復に重きをおき、1/2~1/3に減らした。
中・高生でもこの程度のウォーミングアップなら十分にできると思う。大切なのは一汗かいた、体の暖かい状態でコートに向かうようにすること。時間が少ないならダッシュだけでもいい。とにかく体を熱くすることが大切。普段、練習をやり込んでいれば、体が暖まりさえすれば、たとえ打球練習は少なくても好調なプレーができる。
技のウォーミングアップ
最後に技のウォーミングアップである。
これには、実戦を想定してやる素振り、シャドープレーと、台についての実技練習がある。
試合前に時間のある時、中・高生ならこのシャドープレーを多めにしっかりやるとよい。サービス、レシーブ、台上処理、ドライブ、スマッシュ...などの技のウォーミングアップになるのはもちろん、作戦のウォーミングアップの復習や体のウォーミングアップにもなる。ただし、体のウォーミングアップとしては一汗かくことが大切。ダラダラと長い時間やると疲れるばかりで効果が薄い。実戦と同じ、もしくはそれ以上速く動くように心がけることが大切である。
試合開始時間がはっきりしていて、試合開始までに時間がある。しかし相手は分からない。そういう場合は、まず自分の主戦技術の基本練習(攻撃選手なら、フォアロング、ショート、スマッシュ、ツッツキ...。カット選手なら、フォアカット、バックカット、スマッシュ、ツッツキ...)と、切りかえ練習を行ない、次に対ドライブ、対カット、対速攻と対戦した時の自分の一番得意のパターンを練習しておく。
対戦相手がわかっている場合は、前半戦の作戦どおりのシャドープレーを実際にやっておく。
私の場合は、対戦相手がわかっていることが多かったので、例えばドライブマンと対戦する場合だと、ロングを少し振った後、フォアハンドスマッシュ、バックハンドスマッシュ、ショート、ツッツキ、切り替えをまず5分ほどで行なう。気合いを入れ、正確にスイングするように注意する。そして、次に相手を想定して事前にたてた作戦どおりに、サービスから3球目、レシーブから4球目、ラリーになった時の8~10球目までのシャドープレーを納得するまで行なった。普通は、初戦で10~15分ぐらい、4回戦ぐらいからは調子も出ているので1/2~1/3にすることが多かった。これも、体力とその時の調子によってバランスを考えることが大切だ。
このように、シャドープレーはウォーミングアップとして最適なものだが、実際、台について練習できればそれにこしたことはない。自分の作戦、体、技術のウォーミングアップはもちろん、試合場で練習できるなら、台のはずみや打球感まで分かる。チャンスがあれば積極的に台につき、一汗流すようにしよう。
より必要性が増した
ウォーミングアップは、前半戦で自分のベストのプレーをし、強い相手に勝つためには絶対に欠かせない。
これは以前からそうであったが、現代のように、ほとんどの選手が高性能のラバー、特に高弾性の裏ソフトラバーを使うようになった時代においては、その必要性が増している。
一枚ラバーの時代なら、ボールの届くまでに時間がかかったが、両者が威力のあるボールを打ち合うようになった現代では、十分にウォーミングアップしておかないと、出足からそのスピードについていくことは難しい。
逆にいえば、ウォーミングアップを十分しておけば、立ち上がりにリードを奪いやすくなったとも言える。
前半戦でリードを奪い、強い相手を倒すため、ウォーミングアップをしっかりやろう!
とはいえ、前半戦でリードを奪われれば、やはり苦しい。いくら作戦がよくても、作戦どおりに体が動かず前半戦で大量のリードを奪われてしまえば、後半のばん回も及ばない。
実際の試合を見ても「前半戦の戦い方(試合運び)がへたで損をしているなー」と感じるのと同じぐらい「スロースターター(調子のでるのが遅い人)損をしているなー」と感じる。
そこで今回は、前半から快調にプレーをするためのウォーミングアップ法を紹介しよう。たち上がりからよいプレーができれば、前回までの作戦もスムーズに運べることだろう。
大切なウォーミングアップ
ウォーミングアップの必要性については、今までにも何回か述べたが、前半戦でよい戦いをするためには特に重要なことである。いくらよい前半戦の作戦をたてても実際にその通りにできないのでは「机上の空論」になってしまう。
読者の中にも「寒い朝一番の試合で全く調子のでないうちに負けてしまった」経験のある選手がいることだろう。私にも経験がある。しかし、調子を出せないのも実力のうち。試合は朝起きた時からもう始まっている。体を暖めるだけでなく、気持ちも、技術も、作戦も最高の調子で前半戦が戦えるようにウォーミングアップしよう。
作戦のウォーミングアップ
まず頭(作戦)のウォーミングアップである。
対戦する相手が分かっている場合は、前回までに述べた作戦を基本に、当日の朝、作戦の確認をする。
相手が分からない場合は、速攻、カット、ドライブに対する基本的な作戦を確認し、第2試合からは、次に対戦する相手のプレーを見て作戦をたてる。試合が始まるまでは細かく作戦をたてておく。そして試合が始まったら、今度は試合前にたてた作戦にこだわらず、試合を実際にやってみて一番いい作戦を改めてたてる。これが一番いいやり方である。事前に作戦のウォーミングアップをしていないと「ここ1本」の時に何をやったらいいかひらめかないし、かといって実際に試合をしてみると、試合前の予想とは違うことが多い。あまり作戦にこだわりすぎるのも敗戦につながる。
私の経験から言うと、作戦をしっかりたて、試合前に作戦のウォーミングアップをしておくと、実力が自分より上の選手にも勝てる。
私が大学1年で全日本初優勝した昭和40年。前年度チャンピオンの木村興治選手(左腕ペンドライブ型。早大→ゼネラル石油)が強く。私は一度も勝てなかった。そこで全日本の1ヵ月ほど前から、対木村作戦を考え始めた。歩きながらも研究し、当日も作戦のウォーミングアップをした。そのおかげで、前半戦から木村選手のサービス、レシーブ、コースがよく分かり、決勝戦で初めて木村選手を3-1で破って優勝することができた。
自分より強い選手に勝ちたいと思うなら、作戦のウォーミングアップを十分にしなくてはならない。
心のウォーミングアップ
試合当日の朝、そして試合の前に必ずやっておくべきウォーミングアップが「心のウォーミングアップ」である。
作戦が良く、体、技(わざ)のウォーミングアップが十分でも心(気持ち)が委縮(いしゅく)していたのではよいプレーはできない。試合の前半から思い切ったプレーができるように、心のウォーミングアップをしておくべきである。
「元気を出してやる」「勝敗にこだわらない」「油断をしない」「相手に教えてもらうつもりで思い切ってやる」...等の試合に対する心構えを卓球ノートに書きためておき、体のウォーミングアップの前に読み返す。そして体のウォーミングアップをしながら、ノートの内容を頭の中で反復し、いい試合ができるように自己暗示をかける。そうすると試合の立ち上がりから良い精神状態でプレーでき、苦しい場面になってもその言葉(良い精神状態)を思い出すことができる。
私もこの卓球ノートでどれぐらい助けられたかわからない。試合では、作戦、体力、技術も大事だが、何といっても心の持ちかたが一番大切。試合の出足であがってしまったり、勇気をもってプレーできないのでは、普段の半分の力も出せない。いくら良い作戦をたてても勝てるものではない。
常日頃から自分が一番良い状態でプレーできる"心に残る言葉"を卓球ノートに書きためておく。そして試合前にそれを読み返して心のウォーミングアップをする。こうすればいままで試合で自分の力が出しきれなかった選手も、前半戦から好調なプレーができるようになる。
体のウォーミングアップ
体のウォーミングアップはほとんどの選手がやっていることだろう。
しかし、意外と多いのが軽い体操程度で試合に臨む選手。これでは不十分である。
次の対戦相手が2~3本で勝てる相手で、しかも自分は体の調子が悪く体力を残しておきたい、などという特別な例を除き、もっと量をふやさなくてはいけない。
朝、寒さにふるえながらボールを打ち始める時と、フットワークや練習をやり込んで汗を流し、体が熱くなっている時とどちらが良いプレーができるかはっきり分かるだろう。
試合をやりながら調子を出せばいい、と考えるのは、まだまだ勝負に甘い選手。試合ではどんな相手といきなり当たるかも知れず、互角の相手であれば前半戦の数本の差がそのまま試合の勝ち負けにつながるケースも多い。まして油断があったのでは弱い相手にも負けてしまう。
理想をいえば、体力のある状態で十二分にウォーミングアップをし、ベストの状態で試合に臨むこと。しかしトーナメントで試合が連続してある場合などはトレーニングのやり過ぎで疲れ、逆効果になる恐れもある。
そこで日頃から、自分の体力、体調をよく把握し、大会の状況にあわせて体のウォーミングアップの量を決める。基本は、朝の1~2回戦のウォーミングアップは多く、調子のでてきた午後は少なめにするということだが、体力があればあるだけ十分なウォーミングアップができる。日頃のトレーニングが大切なゆえんである。
私の現役時代のウォーミングアップを例にあげると、初戦は体操をみっちりやった後、300m程度の軽いランニング、20mダッシュ5本、もも上げ30回×3、体の横振り20回×3、それに柔軟体操とシャドープレー。勝ち進むにつれ少なめにして、準々決勝以降は休憩時間の長さと体力の回復に重きをおき、1/2~1/3に減らした。
中・高生でもこの程度のウォーミングアップなら十分にできると思う。大切なのは一汗かいた、体の暖かい状態でコートに向かうようにすること。時間が少ないならダッシュだけでもいい。とにかく体を熱くすることが大切。普段、練習をやり込んでいれば、体が暖まりさえすれば、たとえ打球練習は少なくても好調なプレーができる。
技のウォーミングアップ
最後に技のウォーミングアップである。
これには、実戦を想定してやる素振り、シャドープレーと、台についての実技練習がある。
試合前に時間のある時、中・高生ならこのシャドープレーを多めにしっかりやるとよい。サービス、レシーブ、台上処理、ドライブ、スマッシュ...などの技のウォーミングアップになるのはもちろん、作戦のウォーミングアップの復習や体のウォーミングアップにもなる。ただし、体のウォーミングアップとしては一汗かくことが大切。ダラダラと長い時間やると疲れるばかりで効果が薄い。実戦と同じ、もしくはそれ以上速く動くように心がけることが大切である。
試合開始時間がはっきりしていて、試合開始までに時間がある。しかし相手は分からない。そういう場合は、まず自分の主戦技術の基本練習(攻撃選手なら、フォアロング、ショート、スマッシュ、ツッツキ...。カット選手なら、フォアカット、バックカット、スマッシュ、ツッツキ...)と、切りかえ練習を行ない、次に対ドライブ、対カット、対速攻と対戦した時の自分の一番得意のパターンを練習しておく。
対戦相手がわかっている場合は、前半戦の作戦どおりのシャドープレーを実際にやっておく。
私の場合は、対戦相手がわかっていることが多かったので、例えばドライブマンと対戦する場合だと、ロングを少し振った後、フォアハンドスマッシュ、バックハンドスマッシュ、ショート、ツッツキ、切り替えをまず5分ほどで行なう。気合いを入れ、正確にスイングするように注意する。そして、次に相手を想定して事前にたてた作戦どおりに、サービスから3球目、レシーブから4球目、ラリーになった時の8~10球目までのシャドープレーを納得するまで行なった。普通は、初戦で10~15分ぐらい、4回戦ぐらいからは調子も出ているので1/2~1/3にすることが多かった。これも、体力とその時の調子によってバランスを考えることが大切だ。
このように、シャドープレーはウォーミングアップとして最適なものだが、実際、台について練習できればそれにこしたことはない。自分の作戦、体、技術のウォーミングアップはもちろん、試合場で練習できるなら、台のはずみや打球感まで分かる。チャンスがあれば積極的に台につき、一汗流すようにしよう。
より必要性が増した
ウォーミングアップは、前半戦で自分のベストのプレーをし、強い相手に勝つためには絶対に欠かせない。
これは以前からそうであったが、現代のように、ほとんどの選手が高性能のラバー、特に高弾性の裏ソフトラバーを使うようになった時代においては、その必要性が増している。
一枚ラバーの時代なら、ボールの届くまでに時間がかかったが、両者が威力のあるボールを打ち合うようになった現代では、十分にウォーミングアップしておかないと、出足からそのスピードについていくことは難しい。
逆にいえば、ウォーミングアップを十分しておけば、立ち上がりにリードを奪いやすくなったとも言える。
前半戦でリードを奪い、強い相手を倒すため、ウォーミングアップをしっかりやろう!
筆者紹介 長谷川信彦
1947年3月5日-2005年11月7日
1965年に史上最年少の18歳9カ月で全日本選手権大会男子シングルス優勝。1967年世界選手権ストックホルム大会では初出場で3冠(男子団体・男子 シングルス・混合ダブルス)に輝いた。男子団体に3回連続優勝。伊藤繁雄、河野満とともに1960~70年代の日本の黄金時代を支えた。
運動能力が決して優れていたわけではなかった長谷川は、そのコンプレックスをバネに想像を絶する猛練習を行って世界一になった「努力の天才」である。
人差し指がバック面の中央付近にくる「1本差し」と呼ばれる独特のグリップから放つ"ジェットドライブ"や、ロビングからのカウンターバックハンドスマッシュなど、絵に描いたようなスーパープレーで観衆を魅了した。
1947年3月5日-2005年11月7日
1965年に史上最年少の18歳9カ月で全日本選手権大会男子シングルス優勝。1967年世界選手権ストックホルム大会では初出場で3冠(男子団体・男子 シングルス・混合ダブルス)に輝いた。男子団体に3回連続優勝。伊藤繁雄、河野満とともに1960~70年代の日本の黄金時代を支えた。
運動能力が決して優れていたわけではなかった長谷川は、そのコンプレックスをバネに想像を絶する猛練習を行って世界一になった「努力の天才」である。
人差し指がバック面の中央付近にくる「1本差し」と呼ばれる独特のグリップから放つ"ジェットドライブ"や、ロビングからのカウンターバックハンドスマッシュなど、絵に描いたようなスーパープレーで観衆を魅了した。
本稿は卓球レポート1987年4月号に掲載されたものです。