~はじめに~
おかげさまで、第10回全国中学生卓球大会に優勝することができました。卓球のことは、まだかけだしのぼくですが、両親の理解と立派な指導者に恵まれ、そして地域の人々がみんなで協力してくださったたまものだと思います。紙面の都合で十分言い表すことはできませんが、ここに自分のやってきたことの一部を述べてみたいと思います。
~人間づくりを目指して~
卓球部の目標は、
(1)体力づくり
(2)精神面(人間づくり)
(3)技術
の向上を3つの柱として、毎日の練習、試合の反省等、自己反省しました。
100%の実力をだすためには、「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」。したがって、まず体力づくりから始めました。卓球に必要な動き、敏しょう性、パワーを身につけるため、ランニング、サーキットトレーニング、ウエイトトレーニングを計画的に練習過程の中に入れ消化しました。
次に精神面。私たちは座右の銘として「克己」「闘魂」「錬磨」「友心」を掲げ、声かけ運動、あいさつ、言葉使いなどの礼儀作法、精神統一のための正座などスポーツマンとして一番大切なことを厳しく指導され、それを身につけました。今回の全国中学生卓球大会で、物おじせず思いきりプレーできたのも、毎日の訓練が身についたものだと思います。
技術練習は、反射神経を養う訓練が主でした。私たちは学校の課外活動として顧問の鳥居先生の指導で、Aフットワーク、Bサービス・レシーブ、C得意攻撃の3つのコースに分けて、戦型別にやっています。なにしろ学校の課外ということで練習時間が限られていますので、密度の高い練習に徹し、「なぜこうしなければならないか」を科学的に研究しました。そして、卓球ノートによる研究も努力しました。
Aフットワーク
①左右のフットワークによるシャドープレーの徹底。そしてフットワークからフォアへ動いてスマッシュ。回り込みのスマッシュ。この時は常に、ボールの頂点を打つこと
②プッシュ性のショートとショートで前後に動く
③フォアへのとびつき(このときはショートストロークで打つ)
Bサービス・レシーブ
"攻撃は最大の防御なり"に徹し、サービスを持ったら3球目、5球目を攻撃。レシーブのときは、2球目から払って4球目を決める。そのために、トップスピン、バックスピン、斜め下切れ、サイドスピン、ナックル等、床上での回転練習をやり、そして実際にボールを使っての練習に入りました。
サービスの練習の時、特にやかましく指導されたことは、コース、回転、強弱など、1つのフォームから2種類以上だせること。実際にサービス健を持ったら、サービスは5本のうち3本を得点するという考えで、(21×3/5=12.6、サービスは13本以上得点するように努力し)それを棒グラフに表し反省の材料にしました。そして5球目までには必ずポイントをあげるようにしました。
サービスをレシーブする場合は21本中、意味のないミスを4本以内とし、同じように棒グラフに表し反省の材料としました。
C得意攻撃
自分の得意攻撃のシャドープレーを十分行い、練習密度を濃くするため「連続何本」と決めて実施する。
①プッシュ性ショートからフォアへ動いてスマッシュ、回り込んでスマッシュ(連続30本)
コースは、ストレート、クロス、流し打ちなど。台からさがったり、踏み込みが足りないと、きびしく注意された。
②バックハンドロングサービスから3球目ドライブをかけ、そのあとフォアへ動いてスマッシュ(連続10本)
私の場合、体格も小さいし、パワーもないので、ドライブだけではむずかしいと先生から言われ、オールラウンドタイプの攻撃型として練習しました。以上のように、主戦技術+スマッシュ練習を十分やったおかげで全国大会では、スマッシュミスがほとんどありませんでした。
~昨年を振り返って~
昨年、北九州市で行われた第9回全国中学生大会に、団体、個人戦に出場し、団体は予選リーグを突破、個人戦はベスト8で田村選手(川内中)に負け、その時の反省として、「先に攻めなければ勝てない」ことを自覚し来年の全国大会では、「何か」を身につけて、優勝を勝ちとろうと心に誓いました。そのためには、
①レシーブは徹底して払っていく
自分のミスが出て、今までより接戦になるかもしれないが、払わないと進歩がないので、順回転、逆回転の反射の性質をよく研究し、どんな回転のサービスでも払えるように練習しました。そしてただ払うだけでは相手に打たれてしまうので相手の逆をつくということを、いつも頭に入れてやりました。切れたサービスは手首を使って回転をかけ、切れてないサービスは角度をあわせて押すように。特に3球目をねらう攻撃選手に対してはひきつけて頂点を払ったほうが、相手はコースがわからず動けなかったようでした。
②サービスからの3球目攻撃
高いボールはスマッシュをし、低くて長いボールはドライブ。短いボールは払う、というように、球質の違いによって攻撃にも幅をもたせるようにしました。
~第10回全国中学生卓球大会を前にして~
前に述べたように「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」。卓球競技は精神的な面がたぶんに左右するのでまず健康に気をつけました。そして、毎日の練習で精神面が1番良い状態になるよう訓練しました。
夏休みの練習は、試合、修理、試合の練習方法をとり、特に最後の試合では満足するプレーを目指し、毎日が充実した練習過程をとりました。修理とは前にも述べたように、ABCの3つのコースを集中的に徹底的に訓練し、特に時間的余裕がある時は、極力鹿児島実業高校に足を運びました。
私のために心よく相手を引き受けてくださった溜先生をはじめ、平澤津、田中、溝口、丸田、丸山、藤安、田辺、岩元、西野さんに心から感謝をしています。
九州大会後、攻撃型には割合自信があったのでカットマン、イボ高に対する攻略をやりました。カットマンとする時も攻撃型と同じように思いきって攻めるプレーをしたことが全国大会でも成功したようです。自分の主戦武器で攻められるように、ロングサービスから思いきってドライブ。浮いたボールはスマッシュ。レシーブは払い次球は思いきってドライブ、スマッシュ。できるだけツッツキは使わないように心がけました。カット攻略は、ラリーが長びくと相手の変化に自分自身迷いがくるのでカットマンの場合も攻撃型と同じように先に攻めることが自分の戦法だと思っています。
青森の全国大会では、試合から6日間遠ざかっていたので、個人戦の最初の試合は苦戦しました。しかし、回を追うごとに調子がでてきたのは、先生が練習場の確保をしてくださったこと。また、全国大会まで花牟礼、長谷川先生、川内北中の選手の皆さんといっしょに生活できたことが精神的な面で、気を柔らげることができました。
~おわりに~
以上が私の練習内容ですが今後の目標としては先輩の川東選手に負けないよう努力し、常に100%を目指して、一生懸命ガンバロウと思います。いい意味での個性をのばし、自分にしかできない何かを身につけて次の大会へのぞみたいと思います。
いけだけんいち 鹿児島・花岡中学校3年
第10回全国中学生大会単優勝
(1979年11月号掲載)
おかげさまで、第10回全国中学生卓球大会に優勝することができました。卓球のことは、まだかけだしのぼくですが、両親の理解と立派な指導者に恵まれ、そして地域の人々がみんなで協力してくださったたまものだと思います。紙面の都合で十分言い表すことはできませんが、ここに自分のやってきたことの一部を述べてみたいと思います。
~人間づくりを目指して~
卓球部の目標は、
(1)体力づくり
(2)精神面(人間づくり)
(3)技術
の向上を3つの柱として、毎日の練習、試合の反省等、自己反省しました。
100%の実力をだすためには、「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」。したがって、まず体力づくりから始めました。卓球に必要な動き、敏しょう性、パワーを身につけるため、ランニング、サーキットトレーニング、ウエイトトレーニングを計画的に練習過程の中に入れ消化しました。
次に精神面。私たちは座右の銘として「克己」「闘魂」「錬磨」「友心」を掲げ、声かけ運動、あいさつ、言葉使いなどの礼儀作法、精神統一のための正座などスポーツマンとして一番大切なことを厳しく指導され、それを身につけました。今回の全国中学生卓球大会で、物おじせず思いきりプレーできたのも、毎日の訓練が身についたものだと思います。
技術練習は、反射神経を養う訓練が主でした。私たちは学校の課外活動として顧問の鳥居先生の指導で、Aフットワーク、Bサービス・レシーブ、C得意攻撃の3つのコースに分けて、戦型別にやっています。なにしろ学校の課外ということで練習時間が限られていますので、密度の高い練習に徹し、「なぜこうしなければならないか」を科学的に研究しました。そして、卓球ノートによる研究も努力しました。
Aフットワーク
①左右のフットワークによるシャドープレーの徹底。そしてフットワークからフォアへ動いてスマッシュ。回り込みのスマッシュ。この時は常に、ボールの頂点を打つこと
②プッシュ性のショートとショートで前後に動く
③フォアへのとびつき(このときはショートストロークで打つ)
Bサービス・レシーブ
"攻撃は最大の防御なり"に徹し、サービスを持ったら3球目、5球目を攻撃。レシーブのときは、2球目から払って4球目を決める。そのために、トップスピン、バックスピン、斜め下切れ、サイドスピン、ナックル等、床上での回転練習をやり、そして実際にボールを使っての練習に入りました。
サービスの練習の時、特にやかましく指導されたことは、コース、回転、強弱など、1つのフォームから2種類以上だせること。実際にサービス健を持ったら、サービスは5本のうち3本を得点するという考えで、(21×3/5=12.6、サービスは13本以上得点するように努力し)それを棒グラフに表し反省の材料にしました。そして5球目までには必ずポイントをあげるようにしました。
サービスをレシーブする場合は21本中、意味のないミスを4本以内とし、同じように棒グラフに表し反省の材料としました。
C得意攻撃
自分の得意攻撃のシャドープレーを十分行い、練習密度を濃くするため「連続何本」と決めて実施する。
①プッシュ性ショートからフォアへ動いてスマッシュ、回り込んでスマッシュ(連続30本)
コースは、ストレート、クロス、流し打ちなど。台からさがったり、踏み込みが足りないと、きびしく注意された。
②バックハンドロングサービスから3球目ドライブをかけ、そのあとフォアへ動いてスマッシュ(連続10本)
私の場合、体格も小さいし、パワーもないので、ドライブだけではむずかしいと先生から言われ、オールラウンドタイプの攻撃型として練習しました。以上のように、主戦技術+スマッシュ練習を十分やったおかげで全国大会では、スマッシュミスがほとんどありませんでした。
~昨年を振り返って~
昨年、北九州市で行われた第9回全国中学生大会に、団体、個人戦に出場し、団体は予選リーグを突破、個人戦はベスト8で田村選手(川内中)に負け、その時の反省として、「先に攻めなければ勝てない」ことを自覚し来年の全国大会では、「何か」を身につけて、優勝を勝ちとろうと心に誓いました。そのためには、
①レシーブは徹底して払っていく
自分のミスが出て、今までより接戦になるかもしれないが、払わないと進歩がないので、順回転、逆回転の反射の性質をよく研究し、どんな回転のサービスでも払えるように練習しました。そしてただ払うだけでは相手に打たれてしまうので相手の逆をつくということを、いつも頭に入れてやりました。切れたサービスは手首を使って回転をかけ、切れてないサービスは角度をあわせて押すように。特に3球目をねらう攻撃選手に対してはひきつけて頂点を払ったほうが、相手はコースがわからず動けなかったようでした。
②サービスからの3球目攻撃
高いボールはスマッシュをし、低くて長いボールはドライブ。短いボールは払う、というように、球質の違いによって攻撃にも幅をもたせるようにしました。
~第10回全国中学生卓球大会を前にして~
前に述べたように「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」。卓球競技は精神的な面がたぶんに左右するのでまず健康に気をつけました。そして、毎日の練習で精神面が1番良い状態になるよう訓練しました。
夏休みの練習は、試合、修理、試合の練習方法をとり、特に最後の試合では満足するプレーを目指し、毎日が充実した練習過程をとりました。修理とは前にも述べたように、ABCの3つのコースを集中的に徹底的に訓練し、特に時間的余裕がある時は、極力鹿児島実業高校に足を運びました。
私のために心よく相手を引き受けてくださった溜先生をはじめ、平澤津、田中、溝口、丸田、丸山、藤安、田辺、岩元、西野さんに心から感謝をしています。
九州大会後、攻撃型には割合自信があったのでカットマン、イボ高に対する攻略をやりました。カットマンとする時も攻撃型と同じように思いきって攻めるプレーをしたことが全国大会でも成功したようです。自分の主戦武器で攻められるように、ロングサービスから思いきってドライブ。浮いたボールはスマッシュ。レシーブは払い次球は思いきってドライブ、スマッシュ。できるだけツッツキは使わないように心がけました。カット攻略は、ラリーが長びくと相手の変化に自分自身迷いがくるのでカットマンの場合も攻撃型と同じように先に攻めることが自分の戦法だと思っています。
青森の全国大会では、試合から6日間遠ざかっていたので、個人戦の最初の試合は苦戦しました。しかし、回を追うごとに調子がでてきたのは、先生が練習場の確保をしてくださったこと。また、全国大会まで花牟礼、長谷川先生、川内北中の選手の皆さんといっしょに生活できたことが精神的な面で、気を柔らげることができました。
~おわりに~
以上が私の練習内容ですが今後の目標としては先輩の川東選手に負けないよう努力し、常に100%を目指して、一生懸命ガンバロウと思います。いい意味での個性をのばし、自分にしかできない何かを身につけて次の大会へのぞみたいと思います。
いけだけんいち 鹿児島・花岡中学校3年
第10回全国中学生大会単優勝
(1979年11月号掲載)