~中・高校時代~
■中学時代に両ハンドでアタック練習
小学校時代から球技運動の大好きだった私は、神山中学校(鹿児島県の屋久島)に入学すると同時に、友達の誘いで、卓球部に入部しました。卓球の「タ」の字も知らなかった私は、鳥居昭二先生の厳しい指導のもとに、毎日の練習に励みました。
練習内容は、体力作り、精神面の強化、技術面では、フォームを固めることからはいりました(ボールを打ちたくても、フォームができていないと鏡の前で納得のいくまで素振りをさせられました)。
そして、カットの前後左右のフットワークを主に、凡ミスをしないこと。スマッシュボールをとること。またこの時不意にコースをつかれた場合でも、ノータッチしないということを頭に入れて取り組みました。
攻撃面では、ツッツキ打ち、スマッシュの左右のフットワーク等、ロングマンと同じように練習しました。この中学校時代にかなり両ハンドのアタック練習をしていたので、現在の私の卓球に大きくプラスになっています。
幸運にも中学3年生の全国中学生大会で、団体、個人共に優勝することができ、柳川高校に入学するきっかけとなりました。
柳川高校に入学してからは、中学時代の基本をもとにして、熊丸宣俊先生の厳しい指導の下に平均5~6時間の練習と、早朝トレーニングを毎日続けました。調子が悪い時などは、夜中の1時、2時頃までやった記憶があります。
熊丸先生は、礼儀作法の面でとても厳しく、今振りかえってみて、柳川高校での3年間は、心・技・体どの面においても、人間的に大きくなったように思います。
~現在の練習~
■守備練習
さて、私も社会人6年目に入りました。入行当初は、仕事と卓球の両立ということで、どのように対処していいのかわからず、とまどうことが多々ありました。が、職場の方のご理解と適切なアドバイス、またよい先輩に恵まれ、時々はミスもあるましたが、どうにか両立させて、毎日の練習に励んでいます。
現在の私の練習ですが、仕事を終えてからということもあり、仕事上のストレスを完全に頭から消し、仕事から卓球とすぐにきりかえ、精神的に安定した上で練習にはいれるように努めています。
毎日の練習時間は、高校時代とは比べものにはなりませんが、短時間で集中した、そして、常に試合に直結した練習。また、アンチスピンと裏ソフトを使用している以上は、ラバーの特長を生かした卓球ができるように、ということを心がけています。
練習内容を具体的にあげてみますと、守備練習としては、次の3点を重点的にやっています。
1.フットワーク
前後を主に、左右・オールのフットワーク。この練習の際には、オールのフットワーク以外は、ある程度コースを決めて動きますが、「ヤマ」をはらないように、不意にコースをつかれてもいつでも取れるような気持ちで動いています
2.スマッシュ処理
ロングカットで、ドライブ(軽打)からのスマッシュ処理。ツッツキを少し浮かせて打たせたスマッシュ処理。相手にスマッシュを打たれると、反射的に手だけがすぐに出てしまうので、まず足をよく動かして、手だけでカットせず、からだ全体を使って、押しを入れてカットするように気をつけています。また、余裕のある時には、ただ返球するのではなく、変化をつけ(特にナックルを多く入れて)深く返球するということを心がけています
3.ループドライブの処理
ドライブに変化をつけてもらいカットする。最近ロングマンは、カット打ちのミスが少なく、ドライブの種類も多くなっています。特に、普通のドライブから前におとすループドライブが多く、この時には、カットのとる位置と、左足の前への出し方に注意して処理しています。
■攻撃練習を重視
現在の卓球ルールやラバーの関係上、カットマンもロングマンと同じぐらいにアタックできないといけないので、攻撃力の強化ということで、守備練習よりも私の場合攻撃練習の方を重視してやっています。
1.ツッツキ打ち
ラケットを回さずに低いボールを打ったり、回してチャンスボールを作ってから打つ。アタックする時には、ただガムシャラに打つのではなく、相手にコースを読まれないようなフォームでサイドを切ってコースをつく(特に回り込んでバックストレートは、試合でもかなり得点になるので、重点的にやっています)。
2.カットのラリーからのアタック
㋑カットで変化をつけておいて、次球を予測して狙う
㋺相手が弱気になってつないでくるところをアタック
㋩ストップボールに対してのアタック
...の3点ですが、いずれの時でも、カットから前に出る時のリズムに注意しています。特にストップボールに対してのアタックにおいては、ストップされたら必ずアタックする気持ちで、打点と振りの速さに注意し、一発で抜けるようなアタックができるよう、特にバックハンドで打てるように心がけています。
また、試合前や試合当日の練習としては、集中心を高めるためにもツッツキを多くやります。そして、短時間で調子が出せるように、ドライブをカット→相手がストップ→オールへアタック、というような練習を主にやっています。
~今後の課題~
■「心・技・体」の調和とエースボール
以上が現在の私の練習です。まだまだやるべきことはたくさんあります。が、今後の課題としては、
①「サービスからの3球目、5球目攻撃」(ロングマンになったつもりでアタックする)
②「バックカットを裏ソフト面に持ち変えての変化」
③精神面での「冷静な判断と勇気」
④体力面での「スタミナ」
これらのことをさらに強化しないと、ベンチサイドから戦術の指示があっても応じることはできません。この4点「心・技・体」の調和をうまくとり、主戦武器(エースボール)とは何であるかをいつも頭の中に入れ、次回の世界選手権で通用する卓球を目指して、今後の練習に励みたいと思います。
かわひがしかよこ
柳川高校→第一勧業銀行
右、シェーク、アンチと裏ソフトの異質カット主戦型。
日本女子の代表的カットマンで国際大会での勝負強さには定評がある。
'77年、'79年、'81年世界大会日本代表
(1982年10月号掲載)
■中学時代に両ハンドでアタック練習
小学校時代から球技運動の大好きだった私は、神山中学校(鹿児島県の屋久島)に入学すると同時に、友達の誘いで、卓球部に入部しました。卓球の「タ」の字も知らなかった私は、鳥居昭二先生の厳しい指導のもとに、毎日の練習に励みました。
練習内容は、体力作り、精神面の強化、技術面では、フォームを固めることからはいりました(ボールを打ちたくても、フォームができていないと鏡の前で納得のいくまで素振りをさせられました)。
そして、カットの前後左右のフットワークを主に、凡ミスをしないこと。スマッシュボールをとること。またこの時不意にコースをつかれた場合でも、ノータッチしないということを頭に入れて取り組みました。
攻撃面では、ツッツキ打ち、スマッシュの左右のフットワーク等、ロングマンと同じように練習しました。この中学校時代にかなり両ハンドのアタック練習をしていたので、現在の私の卓球に大きくプラスになっています。
幸運にも中学3年生の全国中学生大会で、団体、個人共に優勝することができ、柳川高校に入学するきっかけとなりました。
柳川高校に入学してからは、中学時代の基本をもとにして、熊丸宣俊先生の厳しい指導の下に平均5~6時間の練習と、早朝トレーニングを毎日続けました。調子が悪い時などは、夜中の1時、2時頃までやった記憶があります。
熊丸先生は、礼儀作法の面でとても厳しく、今振りかえってみて、柳川高校での3年間は、心・技・体どの面においても、人間的に大きくなったように思います。
~現在の練習~
■守備練習
さて、私も社会人6年目に入りました。入行当初は、仕事と卓球の両立ということで、どのように対処していいのかわからず、とまどうことが多々ありました。が、職場の方のご理解と適切なアドバイス、またよい先輩に恵まれ、時々はミスもあるましたが、どうにか両立させて、毎日の練習に励んでいます。
現在の私の練習ですが、仕事を終えてからということもあり、仕事上のストレスを完全に頭から消し、仕事から卓球とすぐにきりかえ、精神的に安定した上で練習にはいれるように努めています。
毎日の練習時間は、高校時代とは比べものにはなりませんが、短時間で集中した、そして、常に試合に直結した練習。また、アンチスピンと裏ソフトを使用している以上は、ラバーの特長を生かした卓球ができるように、ということを心がけています。
練習内容を具体的にあげてみますと、守備練習としては、次の3点を重点的にやっています。
1.フットワーク
前後を主に、左右・オールのフットワーク。この練習の際には、オールのフットワーク以外は、ある程度コースを決めて動きますが、「ヤマ」をはらないように、不意にコースをつかれてもいつでも取れるような気持ちで動いています
2.スマッシュ処理
ロングカットで、ドライブ(軽打)からのスマッシュ処理。ツッツキを少し浮かせて打たせたスマッシュ処理。相手にスマッシュを打たれると、反射的に手だけがすぐに出てしまうので、まず足をよく動かして、手だけでカットせず、からだ全体を使って、押しを入れてカットするように気をつけています。また、余裕のある時には、ただ返球するのではなく、変化をつけ(特にナックルを多く入れて)深く返球するということを心がけています
3.ループドライブの処理
ドライブに変化をつけてもらいカットする。最近ロングマンは、カット打ちのミスが少なく、ドライブの種類も多くなっています。特に、普通のドライブから前におとすループドライブが多く、この時には、カットのとる位置と、左足の前への出し方に注意して処理しています。
■攻撃練習を重視
現在の卓球ルールやラバーの関係上、カットマンもロングマンと同じぐらいにアタックできないといけないので、攻撃力の強化ということで、守備練習よりも私の場合攻撃練習の方を重視してやっています。
1.ツッツキ打ち
ラケットを回さずに低いボールを打ったり、回してチャンスボールを作ってから打つ。アタックする時には、ただガムシャラに打つのではなく、相手にコースを読まれないようなフォームでサイドを切ってコースをつく(特に回り込んでバックストレートは、試合でもかなり得点になるので、重点的にやっています)。
2.カットのラリーからのアタック
㋑カットで変化をつけておいて、次球を予測して狙う
㋺相手が弱気になってつないでくるところをアタック
㋩ストップボールに対してのアタック
...の3点ですが、いずれの時でも、カットから前に出る時のリズムに注意しています。特にストップボールに対してのアタックにおいては、ストップされたら必ずアタックする気持ちで、打点と振りの速さに注意し、一発で抜けるようなアタックができるよう、特にバックハンドで打てるように心がけています。
また、試合前や試合当日の練習としては、集中心を高めるためにもツッツキを多くやります。そして、短時間で調子が出せるように、ドライブをカット→相手がストップ→オールへアタック、というような練習を主にやっています。
~今後の課題~
■「心・技・体」の調和とエースボール
以上が現在の私の練習です。まだまだやるべきことはたくさんあります。が、今後の課題としては、
①「サービスからの3球目、5球目攻撃」(ロングマンになったつもりでアタックする)
②「バックカットを裏ソフト面に持ち変えての変化」
③精神面での「冷静な判断と勇気」
④体力面での「スタミナ」
これらのことをさらに強化しないと、ベンチサイドから戦術の指示があっても応じることはできません。この4点「心・技・体」の調和をうまくとり、主戦武器(エースボール)とは何であるかをいつも頭の中に入れ、次回の世界選手権で通用する卓球を目指して、今後の練習に励みたいと思います。
かわひがしかよこ
柳川高校→第一勧業銀行
右、シェーク、アンチと裏ソフトの異質カット主戦型。
日本女子の代表的カットマンで国際大会での勝負強さには定評がある。
'77年、'79年、'81年世界大会日本代表
(1982年10月号掲載)