~悔しさをバネにして~
私が卓球を大好きになったのは、自宅近くの東京都北区立栄町児童館に遊びに行った小学校3年生の頃でした。その時、小学校6年生だった近所の人がきていて、「洋治、卓球やろうぜ!」と誘われ、ペンのラケットでやったのを覚えています。
3年生の3学期に北区児童館卓球大会があり、私は個人戦の1回戦で負けました。負けず嫌いだった私は、悔しくてしかたがありませんでした。それまでは、遊びでやっていましたが、それからは「強くなってやるんだ」と思って、毎日児童館に行くようになりました。その児童館で一番強かった人がシェークのラケットを使っておられたので、私もペンからシェークハンドに替えました。
そして、小学校5年生の時、後楽園クラブに入り、当時監督だった大内雄二郎氏のもとで練習し、6年生の夏の全国ホープス大会団体の部で準優勝したのです。
その後、中野区立第一中学校に入学し、岩本靖彦先生のお世話になり、毎日「全国優勝」という目標を持って練習に取り組みました。しかし、3年生の全国中学校大会では、団体戦準優勝、シングルスベスト8で目標を達成することができませんでした。
上宮高校に入学し、田中先生、河野先生の熱心なご指導やお世話になっている小林昭五先生のおかげで、この夏、シングルス全国優勝という目標を達成できました。さらに秋の国体では、団体優勝できました。
現在は、これらの優勝をスタートにして、世界で活躍できる卓球を目指して練習に取り組んでいます。
~現在の主な練習内容~
現在の練習時間は、日によって違いますが、だいたい平日が午後4時から8時頃、土曜日が午後2時30分頃から8時頃、休日が午前9時から午後1時、午後2時30分から7時頃までです。その日の体調などによって多少、練習量を増減します。
上宮の練習は、戦型や目指す卓球によって練習内容が違うので、規定練習はありません。「上宮から世界へ」を合言葉に、それぞれの目標に向かって、みんなが自分で考えた練習に取り組んでいます。
私の主な練習内容は、
1.サービス
サービス練習で意識していることは、
①コントロール(狙ったところに出す)
②回転の変化(同じフォームから違う回転のサービスを出す)
③フェイント(相手の意表をつく)
④フォロースルー(相手にどんな回転か分かりづらくする)
⑤スイングを速くする(回転量を多くする。どのような回転か分かりづらくする)
⑥全身を使う(主に手首と前腕を使うが、腰の回転や足の屈伸も利用する)
...などです。
サービスは、鋭い3球目攻撃に結びつくようにするため、常にどうすればもっと良いサービスが出せるか、ということを研究して行っています。
2.コートの2/3を使ってのフットワーク
前後動や左右動のフットワークも練習しますが、私が毎日練習しているのは、コートの2/3を使ってのフットワークです。主に相手のショートに対し、ドライブで返しますが、チャンスボールはスマッシュするようにしています。5本に1本はバックサイドに送ってもらい、回り込んでドライブ、またはスマッシュ、間に合わない場合はバック系技術を使います。
現在、上宮高には、中国の火念祖コーチに来ていただいていますが、私のドライブはいくら打ってもコーチには簡単に返されてしまいます。日本のトップレベルや世界のレベルになれば、当然同じことが言えると思います。そこで私はできるだけスマッシュを打つように心がけています。
3.サービス+3~5球目攻撃
①全面にカット性ショートサービスを出す
②ツッツキ、払い、ストップなど、試合形式でバックサイドにレシーブしてもらう
③回り込んで、バッククロスへ3球目攻撃(なるべく威力のあるドライブ、またはスマッシュ)
④全面にブロックしてもらう
⑤高い打点でドライブまたはスマッシュ(連続攻撃ができるように基本姿勢に戻る)
この練習で気をつけていることは、
㋑サービスは、バウンドを低く、台上でツーバウンドするように正確に出すこと
㋺3球目は、どこに返球されても攻撃できる体勢で待つ、そして攻撃した後は素早く基本姿勢に戻ること
㋩5球目攻撃の時はなるべく高い打点で打つ、打球時に左肩を入れて打つコースを分かりづらくすること
...などです。
2、3は、インターハイ前に特に力を入れて取り組んだ練習です。
4.レシーブ+4~6球目攻守
この練習は、ほとんど試合形式で行うので、数多くありますが、その中で一番多い展開を紹介します。
㋑全面にカット性ショートサービスを出してもらう
㋺バックサイドへストップ、払い、ツッツキなどのレシーブ
㋩ツッツキ、ショートでクロスに返ることが多い
㋥「良いレシーブ」と判断した場合は、回り込んでドライブ、またはスマッシュ(その後は、6球目および連続攻撃できるように基本姿勢に戻る)
レシーブが悪く、相手に攻められても、私は常に「攻め返してやろう」という気持ちを持ってしのいでいます。そして、「チャンス」と判断したら見逃さず攻撃することを心がけています。
5.ゲーム練習
試合をすることによって、練習している技が得点に結びつくのか、これからもっと強化しなければならない技は何か...などがわかり、今後どのような練習をすればより強くなれるかがわかってきます。
私は、週2回ぐらいは上六卓球センターに行かせていただき、いろいろな戦型の選手に試合をお願いしています。
~まず、インターハイ2連覇を~
高校時代に達成したい目標は、全日本選手権大会の一般の部でベスト16、ジュニアの部優勝、インターハイ2連覇です。
そして、卓球をやっているからには、世界の人々が目指しているように、私も世界チャンピオンを目標に毎日精一杯努力してがんばります。どうか、これからもご指導のほどお願いします。
もりもとようじ
上宮高校
'89年全国高校男子単優勝
(1989年12月号掲載)
私が卓球を大好きになったのは、自宅近くの東京都北区立栄町児童館に遊びに行った小学校3年生の頃でした。その時、小学校6年生だった近所の人がきていて、「洋治、卓球やろうぜ!」と誘われ、ペンのラケットでやったのを覚えています。
3年生の3学期に北区児童館卓球大会があり、私は個人戦の1回戦で負けました。負けず嫌いだった私は、悔しくてしかたがありませんでした。それまでは、遊びでやっていましたが、それからは「強くなってやるんだ」と思って、毎日児童館に行くようになりました。その児童館で一番強かった人がシェークのラケットを使っておられたので、私もペンからシェークハンドに替えました。
そして、小学校5年生の時、後楽園クラブに入り、当時監督だった大内雄二郎氏のもとで練習し、6年生の夏の全国ホープス大会団体の部で準優勝したのです。
その後、中野区立第一中学校に入学し、岩本靖彦先生のお世話になり、毎日「全国優勝」という目標を持って練習に取り組みました。しかし、3年生の全国中学校大会では、団体戦準優勝、シングルスベスト8で目標を達成することができませんでした。
上宮高校に入学し、田中先生、河野先生の熱心なご指導やお世話になっている小林昭五先生のおかげで、この夏、シングルス全国優勝という目標を達成できました。さらに秋の国体では、団体優勝できました。
現在は、これらの優勝をスタートにして、世界で活躍できる卓球を目指して練習に取り組んでいます。
~現在の主な練習内容~
現在の練習時間は、日によって違いますが、だいたい平日が午後4時から8時頃、土曜日が午後2時30分頃から8時頃、休日が午前9時から午後1時、午後2時30分から7時頃までです。その日の体調などによって多少、練習量を増減します。
上宮の練習は、戦型や目指す卓球によって練習内容が違うので、規定練習はありません。「上宮から世界へ」を合言葉に、それぞれの目標に向かって、みんなが自分で考えた練習に取り組んでいます。
私の主な練習内容は、
1.サービス
サービス練習で意識していることは、
①コントロール(狙ったところに出す)
②回転の変化(同じフォームから違う回転のサービスを出す)
③フェイント(相手の意表をつく)
④フォロースルー(相手にどんな回転か分かりづらくする)
⑤スイングを速くする(回転量を多くする。どのような回転か分かりづらくする)
⑥全身を使う(主に手首と前腕を使うが、腰の回転や足の屈伸も利用する)
...などです。
サービスは、鋭い3球目攻撃に結びつくようにするため、常にどうすればもっと良いサービスが出せるか、ということを研究して行っています。
2.コートの2/3を使ってのフットワーク
前後動や左右動のフットワークも練習しますが、私が毎日練習しているのは、コートの2/3を使ってのフットワークです。主に相手のショートに対し、ドライブで返しますが、チャンスボールはスマッシュするようにしています。5本に1本はバックサイドに送ってもらい、回り込んでドライブ、またはスマッシュ、間に合わない場合はバック系技術を使います。
現在、上宮高には、中国の火念祖コーチに来ていただいていますが、私のドライブはいくら打ってもコーチには簡単に返されてしまいます。日本のトップレベルや世界のレベルになれば、当然同じことが言えると思います。そこで私はできるだけスマッシュを打つように心がけています。
3.サービス+3~5球目攻撃
①全面にカット性ショートサービスを出す
②ツッツキ、払い、ストップなど、試合形式でバックサイドにレシーブしてもらう
③回り込んで、バッククロスへ3球目攻撃(なるべく威力のあるドライブ、またはスマッシュ)
④全面にブロックしてもらう
⑤高い打点でドライブまたはスマッシュ(連続攻撃ができるように基本姿勢に戻る)
この練習で気をつけていることは、
㋑サービスは、バウンドを低く、台上でツーバウンドするように正確に出すこと
㋺3球目は、どこに返球されても攻撃できる体勢で待つ、そして攻撃した後は素早く基本姿勢に戻ること
㋩5球目攻撃の時はなるべく高い打点で打つ、打球時に左肩を入れて打つコースを分かりづらくすること
...などです。
2、3は、インターハイ前に特に力を入れて取り組んだ練習です。
4.レシーブ+4~6球目攻守
この練習は、ほとんど試合形式で行うので、数多くありますが、その中で一番多い展開を紹介します。
㋑全面にカット性ショートサービスを出してもらう
㋺バックサイドへストップ、払い、ツッツキなどのレシーブ
㋩ツッツキ、ショートでクロスに返ることが多い
㋥「良いレシーブ」と判断した場合は、回り込んでドライブ、またはスマッシュ(その後は、6球目および連続攻撃できるように基本姿勢に戻る)
レシーブが悪く、相手に攻められても、私は常に「攻め返してやろう」という気持ちを持ってしのいでいます。そして、「チャンス」と判断したら見逃さず攻撃することを心がけています。
5.ゲーム練習
試合をすることによって、練習している技が得点に結びつくのか、これからもっと強化しなければならない技は何か...などがわかり、今後どのような練習をすればより強くなれるかがわかってきます。
私は、週2回ぐらいは上六卓球センターに行かせていただき、いろいろな戦型の選手に試合をお願いしています。
~まず、インターハイ2連覇を~
高校時代に達成したい目標は、全日本選手権大会の一般の部でベスト16、ジュニアの部優勝、インターハイ2連覇です。
そして、卓球をやっているからには、世界の人々が目指しているように、私も世界チャンピオンを目標に毎日精一杯努力してがんばります。どうか、これからもご指導のほどお願いします。
もりもとようじ
上宮高校
'89年全国高校男子単優勝
(1989年12月号掲載)