世界卓球2017デュッセルドルフの男子シングルス2回戦、日本中の卓球ファンが楽しみにしている一戦ではあった。しかし、当の水谷も、また多くの卓球ファンも「水谷の勝利」を予想していたのではないだろうか。その結果は、既報の通り。驚きに満ちた水谷対張本の対戦は、一夜にして世界中が注目する一戦となった。
敗れた水谷は、直後のインタビューで「今日の試合は完敗でした。最初から最後まで彼(張本)が試合をコントロールしていて、僕は食らいつくのが精一杯でした。全体的に彼のプレーが僕のプレーを上回っていたと思います」と後輩・張本のプレーをたたえ、潔く自らを顧みた。
全日本選手権大会の男子シングルスで11年連続の決勝進出、史上最多となる9度の優勝。リオ五輪では日本卓球界初となる男子シングルス銅メダル。次々と日本卓球の歴史を塗り替え、現在の卓球ブームを作り出した我らがヒーローの敗戦は、「張本への希望」と引き換えに、なんとも表現しがたい寂寞の感をもたらした。
しかし、勝ち負けは勝負の常であり、より重要なのは「その後」である。敗れてもなお堂々とした水谷の度量の大きさとまっすぐな視線に、日本のエース水谷隼の真価を見た。(編集長)
今大会の模様は卓球レポート7月号(6月20日発売)に掲載
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世界卓球2017デュッセルドルフ/公式サイト(英語):http://www.wttc2017.com/en.html
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2017デュッセルドルフ(英語):
http://www.ittf.com/tournament/2705/world-table-tennis-championships/