平成29年度全日本選手権大会は6日目が終了。男子シングルス準々決勝では平成26年度の決勝を戦った水谷隼(木下グループ)と神巧也(シチズン時計)の再戦、松平健太(木下グループ)、松平賢二(協和発酵キリン)による兄弟対決など、豪華なカードが目白押しとなった。
その中で森薗政崇対渡辺裕介の明治大先輩・後輩対決も注目を集めた。ダブルスでもパートナーを組む2人による対戦は互いに手のうちを知っているということもあり、激しいラリー戦が繰り広げたが先輩の森薗が攻めきり、ゲームカウント4対2で勝利した。
森薗戦について渡辺は「普段からダブルスも組んでいますし、一緒に練習してもらったり、練習メニューも決めてもらったりしていて、日ごろからお世話になっている先輩です。手のうちは知っているのでやりにくさはなかったです。自分の力は出し切れましたが、森薗選手のほうが上だったかなと思います。森薗選手は卓球選手として尊敬する先輩です」と語った。
こうした渡辺の話を聞いてふと思い返したのが昨年9月に行われた秋季関東学生1部リーグ戦後の森薗政崇のコメントだ。明治大はこのリーグ戦で2シーズンぶりの優勝を果たし、主将の森薗は次のような言葉を残している。
「今大会は3年生の渡辺の活躍が印象に残っています。僕自身が不調で悩んでいましたが、用具を変えたり、練習内容を変えたりしてそれが良い方向にいった経験があったので、最近苦しんでいる(渡辺)裕介にもリーグ戦前の練習で練習メニューを決めてあげたり、変化をもたらしたりするようにしました。
裕介からすると苦しかったと思いますが、それに耐えて頑張ってくれました。リーグ戦での活躍を通して、裕介自身も練習した分だけ強くなると感じてくれて良かったです。裕介が実力がありながらも勝ち悩んでいるのは、練習の仕方が間違ったりということだと思ったので、少しでも彼のために役立つなら良かったなと思いました。自分のことではないけど、裕介が勝ち星を重ねてくれて本当にうれしかったです」
このリーグ戦で渡辺は殊勲賞を授賞する活躍でチームを優勝へと導いた。それまでは苦しい戦いが続いていたが、渡辺の活躍は森薗のサポートも1つの要因だったといえるだろう。そして、その後も練習を重ねて迎えた今大会で渡辺は強敵を連破してサポートしてくれた森薗と対戦するところまで勝ち進んだ。先輩の森薗には及ばなかったが、初のベスト8と躍進を果たした渡辺。先輩からのサポートを受けて成長を遂げた渡辺の活躍にこれからも注目したい。
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