平成29年度全日本選手権大会の最後の試合となった男子シングルス決勝張本智和(JOCエリートアカデミー)対水谷隼(木下グループ)。10度目の王座を狙う絶対王者の水谷と史上最年少優勝を目指す張本の一戦は卓球ファンだけではなく、多くの人の注目を集めた。
世界卓球2017デュッセルドルフでは張本が水谷を破り、衝撃の世界卓球デビューを果たしたが、今回はリベンジを狙う水谷がどのように張本戦うのかという点に大きな焦点が集まった。結果は張本がゲームカウント4対2で勝利。張本は得意の打球点の早いバックハンドに加えて、この1年で大きな進化を遂げた威力のあるフォアハンドでラリー戦を制するなど、圧巻のプレーを見せて再び卓球界に大きな衝撃を与えた。
水谷が持つシングルスの最年少優勝を更新し、新王者となった張本は試合後、大会を次のように振り返った。
「今大会の一番の目標が男子シングルスの優勝とジュニア男子での優勝で最後に目標を達成できてよかったです。(決勝の水谷戦は)前回勝った世界卓球のときのように自分が攻めていくような卓球をして勝ちたいと思っていたのでそのようなプレーができて良かったです。1ゲーム目を11-9で取れて勢いに乗れたので、出足が一番大事だったと思います。
決勝は自分でも信じられないくらい水谷さんのフォア側に打つバックハンドが安定していました。できるだけ前陣でバックハンドで決めたり、カウンターを決めたりすることを意識していましたが、最悪、前陣でのプレーで決められなくてもラリーで五分五分の状態に持っていけたので、そこで粘れたのも良かったです。
第5ゲームは水谷さんが戦術を変えてきてそれに全く対応できなかったので、第6ゲームはこのままいったらダメだということをベンチで父と話し合いました。父からは『相手も勝ちを意識すると思うのでそこで自分のプレーをすれば勝てる』と言われたので第4ゲームまでの気持ちで第6ゲームに入りました。
水谷さんはなかなか簡単には勝たさせてくれないですし、ゲームカウント3対1でリードをしていましたが、負けてもおかしくないと思っていました」
世界卓球に続いて水谷を破り、水谷が持つ最年少優勝記録を更新した張本。『これからは追われる立場になると思うが?』という質問には「水谷さんは10年間くらいずっと追われる中で優勝を続けてきたので、ここからは自分の時代にしたいですし、どんな人が来ても負けない実力を身に付けたいです」とはっきりとした口調で答えた。
世界ジュニア選手権大会での最年少優勝、世界卓球男子シングルスに最年少でのベスト8入り、ワールドツアーでの最年少優勝、そして、全日本選手権大会での最年少優勝と、数々の記録を塗り替えてきた張本。全日本決勝という大舞台で再び卓球界に大きな衝撃を与えた14歳の全日本チャンピオンの戦いにこれからも目が離せない。
詳しい情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp
全日本卓球(特設サイト):http://www.japantabletennis.com/zennihon2018
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