来年春に開催される世界卓球2016クアラルンプール(団体戦)の男子日本代表選考会が、12月18日から20日まで郡山ユラックス熱海(福島)で行われ、松平健太(JTB)が優勝し、世界卓球2016の男子日本代表に内定した。
2016年世界選手権クアラルンプール大会(団体戦)の代表を決める男子選考会が福島県郡山市で開催された。クアラルンプール大会の日本代表は5人。すでに内定している水谷(beacon.LAB)、丹羽(明治大)、吉村真晴(愛知工業大)の3人に加えて、今大会の優勝者が4人目の内定となる。
試合はAグループ10人、Bグループ10人に分かれて総当たりのリーグ戦を行い、上位2人が決勝トーナメント準決勝に進出する方式。Aグループは、森薗(明治大)、松平(JTB)、岸川(ファースト)ら世界選手権大会を経験している実力者が入り、注目の小学6年の張本(仙台ジュニア)も入った。
Aグループでは、松平が8連勝をして1位の座を確定。「初日に岸川さんを始め、社会人の強い選手との対戦になりましたが、そこを全勝できたことがグループ突破の鍵になりました」と松平。最終戦となった森薗には負けたが、堂々の1位通過を決めた。
2位争いはし烈を極めた。無敗を続けていた森薗は神(シチズン)に負けて1敗になると、岸川との対決でも3対0のリードから逆転負けして、張本にもゲームオールで負けるなど3敗になりリーグ通過が厳しくなった。松平に惜敗した後は順調に勝ち星をあげていた岸川は、張本に負けて2敗になったが、森薗との直接対決をものにして2位通過を決めた。
驚くべきは張本のプレーだ。9月に行われた世界ジュニア選手権大会の国内予選会でプレーを見ているが、そのときよりも数段強くなっていた。岸川、森薗という実力者、町(明治大)、森田(シチズン)といった全日本ランカーを下したプレーはフロックではない。
Bリーグはカット主戦型が3人集まるという攻撃型の選手にとっては過酷なリーグになったが、好調の上田(協和発酵キリン)が全勝で1位、国際大会で抜群の成績をあげている大島(早稲田大)が上田に負けた1敗だけで2位になり、それぞれリーグを通過した。上田、大島の2人は、度重なるカット打ちのため疲労度はかなりのものだったはずだ。なお、3位にはカットの御内(シチズン)が入った。
準決勝は、松平対大島、上田対岸川の対戦になった。
松平は台上プレーで大島のフォアハンドを封じて4対2で快勝。攻守のバランスが抜群によく、「これが松平健太の卓球だ」と言わんばかりのプレーを見せた。
もう一方は、岸川が上田のチキータを封じて、こちらも4対2で岸川が危なげなく勝利。「サービスやレシーブが絶妙で、ほんのわずかな変化をつけられてそれに崩されてしまいました」と敗戦後の上田。
決勝は、Aグルーグで対戦している松平と岸川の再戦になった。Aグループでの試合では、岸川が3対1のリードから松平に逆転された。両者の対決はいつもぎりぎりの競り合いになるが、決勝でもハイレベルなラリー戦が繰り広げられた。松平2対0のリードから岸川が2ゲームを返して追いつき、5ゲーム目も岸川が10対7とゲームポイントを握ったが、そこから松平が粘り強いプレーで逆転すると、6ゲーム目も岸川の猛攻を振り切り、優勝を決めた。
「久しぶりの優勝なので普通の勝利とは違ううれしさがあります。高い打球点でのプレーやブロックなど、自分の卓球ができて、戦術もさえていました」と優勝後の松平。
これで、前述した3人と松平の4人が日本代表に内定し、残りの枠は1人。1月の全日本チャンピオンになればその選手が内定だが、チャンピオンがすでに内定している4人になった場合は、残りの1枠は強化本部推薦で選ばれる。
岸川は決勝第5ゲームのチャンスを生かし切れなかった
Bリーグ全勝の上田だがサービス・レシーブから岸川に崩された
大島は松平の台上プレーに先手を取られた
張本は岸川、森薗ら実力者からも金星を挙げた
選考会の試合結果は以下のホームページに掲載されています。
日本卓球協会:www.jtta.or.jp/