来年春に開催される世界卓球2016クアラルンプール(団体戦)の女子日本代表選考会が、12月23日から25日まで広島県立総合体育館(広島)で行われ、浜本由惟(JOCエリートアカデミー/大原学園)が優勝し、世界卓球2016の女子日本代表に内定した。
今回の選考会には40名が出場し、世界卓球の代表権を争った。第1ステージは32名の選手が4つのグループに分かれて対戦。各グループ上位2名が第2ステージに進出という条件の中、芝田(四天王寺高校)、平(サンリツ)、田代、前田(ともに日本生命)、天野(サンリツ)、森(日本生命)、松澤(日立化成)、宋(中国電力)が第2ステージに駒を進めた。
第2ステージでは、第1ステージを勝ち抜いた選手に加えて、8名のシード選手たちが参加し、16名によるトーナメント戦が行われた。ハイレベルな戦いが繰り広げられる中、ベスト4には浜本、前田、平野早矢香(ミキハウス)、森薗美咲(日立化成)が名乗りを挙げた。準決勝は浜本対前田、平野対森薗となった。
浜本対前田の一戦は若宮(日本生命)、早田(石田卓球クラブ)と、シード選手を連破して4強入りを決めた前田が、勢いを持続して第1ゲームを先取。第2ゲーム以降も前田がミスの少ないプレーで3対1とリードを広げた。しかし、第5ゲームから浜本が反撃。多彩なサービスや切れのあるツッツキでゲームの主導権を握ると、コースを突いた両ハンドドライブが決まり出し、第5、第6ゲームを連取した。最終ゲームも前田に流れを渡さず、勝利を収めた。
もう一方の準決勝では平野対森薗が対戦。序盤は平野のループドライブからの得点が目立ったが、森薗が高い対応力を見せて試合のペースを握った。森薗はバックハンドでの打ち合いでひけをとらず、好機では回り込んでフォアハンド強打を決めるなど、勝負どころでことごとく得点を挙げ、完封勝利で決勝進出を決めた。平野は大きなラリー戦で得点を奪うなど最後まで意地を見せたが、森薗の鬼気迫るプレーの前に準決勝敗退。昨年の選考会に続く優勝とはならなかった。
決勝は浜本対森薗による対戦。日本代表内定をかけた一戦は、森薗が先制点を挙げた。浜本は中盤までリードを広げたが、サービスで2度のフォルトを取られてからリズムを崩し、逆転でこのゲームを落とした。気落ちしてもおかしくない状況ではあったが、第2ゲームは回転量の多いドライブをワイドに打ち分ける冷静なプレーで浜本がゲームを奪取した。互いに譲らずに2対2で迎えた第5ゲームは、浜本の両ハンド強打が炸裂。長身を生かしたドライブ攻撃で得点を重ねて優勝に王手をかけた。第6ゲームは点差が離れない展開が続いたが、7対7の場面で浜本がサービスの際に再びフォルトを取られた。大事な場面でのフォルトに動揺も見られた浜本だったが、その後、度重なるピンチをしのぎ、勝利をつかみ取った。
試合後、浜本は「(代表に内定しましたが)まだ実感が沸いていないです。決勝の第6ゲームのフォルトを取られた場面は動揺しましたが、気持ちを切り替えてできたのがよかったと思います。最近はドイツでプレーをしていて、ヨーロッパの選手と対戦することが多くなり、いろいろなボールに対応できるようになったことが今大会でも生かせました。世界卓球では中国を倒して優勝したいです」と今大会の勝因と世界卓球に向けた意気込みを語った。
浜本は、石川(全農)、福原(ANA)、伊藤(スターツSC)に続き、4人目の日本代表に内定になった。世界卓球2016クアラルンプール大会の日本代表は5人。残る1枠は全日本選手権大会の優勝者が代表権を獲得する。全日本チャンピオンがすでに内定を決めている4人となった場合は、強化本部推薦により選ばれる。
森薗は鬼気迫るプレーを見せたが、一歩及ばなかった
前田は第1ステージから勝ち進んだが、決勝進出ならず
平野は森薗の前陣でのプレーに対応しきれなかった
選考会の試合結果は以下のホームページに掲載されています。
日本卓球協会:www.jtta.or.jp/