3月13から14日、兵庫県立障害者スポーツ交流館で第30回ジャパン・オープン肢体不自由者選手権大会が行われた。この大会は障害の程度によるクラス分けを行わずに、立位の部の日本一、車いすの部の日本一を決定する、いわば無差別級の大会だ。全国から多くの強豪選手たちが集い、日本一の称号を争った。
車いす男子の部では、岡紀彦(岡山)が何と23連覇を達成した。決勝の相手は前回大会と同じく宇津木孝章(東京)。岡は宇津木の巧みなコース取りに苦しめられ、また、第1ゲームの途中で右肩を痛めるアクシデントに見舞われたが、苦しい戦いの中でも集中力を切らさずに、見事3-1で宇津木を下して優勝を勝ち取った。
車いす女子の部は、別所キミヱ(香川)が優勝。ライバルの藤原佐登子(愛知)すらも寄せ付けず、1ゲームも落とさない圧倒的な強さで金メダルを手にした。
岡プロが23連覇!!!
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別所はオールストレート勝ち
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立位男子の部は垣田斉明(熊本/南九州コカ・コーラボトリング)が優勝。強力なフォアハンド攻撃と、苦しい場面でも冷静に戦える精神力を見せ、2年連続3度目の栄冠を手にした。
立位女子の部は工藤恭子(熊本)が3年連続7度目の優勝。安定した戦いぶりで着実にポイントを重ねた。
垣田のフォアハンドが火を噴いた
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工藤は7度目の金メダル
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団体戦では、車いす混成の部で東京A(吉田・宇津木・柳)が、立位男子の部で福岡県(立石・米倉・垣田)が、立位女子の部で九州障害者卓球連盟A(工藤・小田・櫨山)がいずれも連覇を遂げた。立位男子の垣田と立位女子の工藤は、ともに個人戦・団体戦の2冠となった。
団体戦・車いす混成の部優勝の東京A
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団体戦・立位男子の部優勝の福岡県
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団体戦・立位女子の部優勝の九州障害者卓球連盟A
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[上位の結果]
■個人戦・車いす男子の部
優勝 岡紀彦(岡山)
2位 宇津木孝章(東京)
3位 長島秀明(東京)
3位 杉内博幸(熊本)
■個人戦・車いす女子の部
優勝 別所キミヱ(香川)
2位 石橋栄(大阪)
3位 藤原佐登子(愛知)
■個人戦・立位男子の部
優勝 垣田斉明(熊本)
2位 本多利行(愛知)
3位 田村博史(和歌山)
3位 金子和也(埼玉)
■個人戦・立位女子の部
優勝 工藤恭子(熊本)
2位 宮内富士子(埼玉)
3位 石川恵子(静岡)
3位 小田美賀子(福岡)
■団体戦・車いす混成の部
優勝 東京A
2位 ドマーニ卓球クラブ
3位 九州障害者卓球連盟
3位 茨城フェニックス
■団体戦・立位男子の部
優勝 福岡県
2位 レスポアール
3位 Y・S
3位 長居卓友会
■団体戦・立位女子の部
優勝 九州障害者卓球連盟A
2位 長居卓友会
3位 東京A
3位 レスポ・SST
大会を支えた役員のみなさん
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大会を支えたボランティアのみなさん
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なお、本大会の模様は 5月号(4/20発売予定)に掲載予定。
現地取材班:川合綾子(卓球レポート編集部)