女子シングルスの準決勝は、金璟娥(韓国)対唐イェ序、福原(日本)対シェン・ヤンフェイ(スペイン)の対決になった。
韓国同士の戦いでは、「(世界ランキングを落とさせないために)オリンピックに出場する選手には勝ってはいけない」というチーム内での取り決めがあるのだろう。唐イェ序は雑なカット打ちで金璟娥があっという間に勝利した。
初優勝に向けて気合い十分の福原は、3対1とゲームをリードしたが、ここからシェン・ヤンフェイが福原のフォアとフォアミドルを徹底して攻めてバックハンドを封じると、それまでの福原ペースからシェン・ヤンフェイのペースになってしまった。ラリー戦になっても劣勢になった福原の打ち急ぎも目立つようになり、第6、7ゲームは完全にシェン・ヤンフェイのリズムで試合が進んでしまった。
「すごく悔しいですし、結果には満足していませんが、収穫もありました。準決勝では少し急ぎすぎてしまいました。今日の気持ちを忘れないでオリンピックでがんばりたいです」と試合後に話した福原。
決勝は金璟娥対シェン・ヤンフェイの争いになり、金璟娥が有利という大方の予想を裏切って、シェン・ヤンフェイが初優勝を飾った。
シェン・ヤンフェイはフォア側に表ソフト、バック側に裏ソフトを使う異質攻撃型。小振りなスイングだがバウンド直後をとらえたバックドライブは相手コートにバウンドして伸びる性質があり、対攻撃型には強さを発揮するのは知っていたが、対カット型にも強いということがこの決勝でわかった。
表ソフトのフォアハンドで回転をかけたドライブとボールを乗せるようにして打球するあまり回転をかけないフォアハンドで金璟娥のカットを崩し、甘いカットには鋭いツッツキ打ちで得点するなど、鉄壁といわれる金璟娥のカットを見事に攻略した。
今大会の模様は卓球レポート8月号(7/20発売予定)に掲載予定。