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ジャパン・オープン肢体不自由者選手権大会 ~岡紀彦が通算26度目の優勝を飾る~

3月8~9日に大阪市舞州障害者スポーツセンター(アミティ舞洲)で第34回ジャパンオープン肢体不自由者選手権大会が開催された。同大会はこれまで障害の程度によるクラス分けを行わず、立位の部、車いすの部の頂点を決めていたが今大会では立位の部、車いすの部、それぞれでG1、G2と階級を2つに分けて試合を行う新たな試みに取り組み、出場者たちが激戦を繰り広げた。

 

【個人戦・車いすの部】

 車いす男子の部G1では、昨年、同大会を欠場した岡紀彦(岡山)が2年ぶりの優勝。通算26度目の優勝を飾った。岡は序盤こそ波に乗り切れなかったものの準決勝で昨年の王者、吉田信一(東京)に逆転勝利を収めると、決勝の中出将男(大阪)との1戦にも3対1で勝利。「大会を通じて上手くいかない部分もあった」と語った岡だったが、試合の中で修正を重ね、王座についた。

 車いす女子の部G1は、別所キミヱ(香川)が3年連続7度目の優勝。予選リーグで昨年ベスト4の石橋栄(大阪)らに勝利すると、決勝リーグでは藤原佐登子(愛知)、吉海美代子(福岡)といった実力者に快勝して頂点に立った。

 車いす男子の部G2では渡部敬二(愛媛)が優勝。決勝では柳亮助(東京)に第1ゲームを先取されるも、第2ゲーム以降は落ち着いたコース取りで得点を重ね、優勝を遂げた。

 車いす女子の部G2では岩隈美穂(京都)が混戦を制した。3人による決勝リーグの初戦で渡部真理子(愛媛)に1対3で敗れたが、2戦目の小田木里子(東京)との1戦に3対0で勝利。3人が1勝1敗で並び、ゲーム得失点差の末、岩隈が優勝を決めた。

 

2年ぶりの出場の岡が通算26度目の王座に
別所は3年連続7度目の優勝を飾った
渡部は丁寧なコース取りで勝ち上がった
岩隈が混戦の車いす女子の部G2を制した

【個人戦・立位の部】

 立位男子の部G1では岩渕幸洋(東京)が優勝。決勝は立石アルファ裕一(福岡)、垣田斉明(熊本)をいずれもフルゲームの末破った永下尚也(福井)との1戦であったが、リードされても力のある両ハンドドライブで攻めきり、見事に2連覇を達成した。

 立位女子の部G1では工藤恭子(熊本)が女王の座に返り咲いた。昨年は準決勝で敗れたが、今大会では安定したカットを中心としたプレーで相手を揺さぶり、勝ち上がった。決勝では小杉奈保美(埼玉)に3対0で勝利し、2年ぶりの優勝を飾った。

 立位男子の部G2では宮脇進(大分)が優勝を遂げた。決勝の井上全悠(大分)との対戦では0対2と追いつめられるも、劣勢をはねのけ見事に逆転優勝を飾った。

 立位女子の部G2は深野めぐみ(山口)が優勝。決勝リーグでは厳しい場面もあったが、安定感のあるバックハンドを武器に苦しい状況を乗り切り、見事に優勝を果たした。

 

岩渕が威力のある両ハンドドライブを武器に2連覇達成

工藤は安定したカットを軸に戦い、昨年のリベンジを果たした

宮脇は決勝で0対2の劣勢をはねのけ、劇的な優勝となった

深野は苦しい場面でも落ち着いた攻撃を見せた

【団体戦】

 団体戦車いす混成の部では準決勝で前回大会の覇者、東京Aを破ったドマーニ卓球クラブ(下中正己・中出将男・鍋坂勇夫)が優勝。団体戦立位男子の部では九州障害者卓球連盟(米倉直敏・立石アルファ裕一・垣田斉明)が優勝。団体戦立位女子の部でも九州障害者卓球連盟(櫨山多津江・吉開早苗・赤坂美千代・工藤恭子)が優勝し、立位男子とともにアベック優勝を飾った。

団体戦・車いす混成の部優勝のドマーニ卓球クラブ

団体戦・立位男子の部優勝の九州障害者卓球連盟

団体戦・立位女子の部優勝の九州障害者卓球連盟


【各種目・上位の結果】

■個人戦・車いす男子の部 G1

優勝 岡紀彦(岡山)

2位 中出将男(大阪)

3位 吉田信一(東京)

3位 藤井和彦(東京)

 

■個人戦・車いす男子の部 G2

優勝 渡部敬二(愛媛)

2位 柳亮助(東京)

3位 垣田誠二(福岡)

3位 川原光治(大分)

 

■個人戦・車いす女子の部 G1

優勝 別所キミヱ(香川)

2位 吉海美代子(東京)

3位 藤原佐登子(愛知)

 

■個人戦・車いす女子の部 G2

優勝 岩隈美穂(京都)

2位 小田木里子(東京)

3位 渡部真理子(愛媛)

 

■個人戦・立位男子の部 G1

優勝 岩渕幸洋(東京)

2位 永下尚也(福井)

3位 本多利行(大分)

3位 垣田斉明(熊本)

 

■個人戦・立位男子の部 G2

優勝 宮脇進(大分)

2位 井上全悠(大分)

3位 加藤政男(兵庫)

3位 小野弘(大分)

 

■個人戦・立位女子の部 G1

優勝 工藤恭子(熊本)

2位 小杉奈保美(埼玉)

3位 吉開早苗(福岡)

3位 宮内富士子(埼玉)

 

■個人戦・立位女子の部 G2

優勝 深野めぐみ(山口)

2位 小笠原ゆかり(愛知)

3位 櫨山多津江(福岡)

 

■団体戦・車いす混成の部

優勝 ドマーニ卓球クラブ(下中・中出・鍋坂)

2位 東京B(長島・佐藤・三浦)

3位 東京A(宇津木・吉田・柳・藤井)

3位 SST+1(土井健・土井康・藤原)

 

■団体戦・立位男子の部

優勝 九州障害者卓球連盟(米倉・立石・垣田)

2位 Force-Leaves(板井・本多・鈴木・井上・宮脇)

3位 長居卓友会A(玉置・井上・久米・白井・山本)

3位 東京(佐藤・岩渕・武田)


■団体戦・立位女子の部

優勝 九州障害者卓球連盟(櫨山・吉開・赤坂・工藤)

2位 東京(曽我・石河・宮内・中野)

3位 長居卓友会B(高木・西井・仁枝・古川)

3位 愛知ファイヤーズ・SST(野平・小笠原・石川)


大会を支えた役員とボランティアのみなさん

今大会の模様は卓球レポート5月号(4月20日発売)に掲載します。

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